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母が仙台に向けて旅立つ 

今朝、仕事に来る途中、ショートスティしている介護施設に母を訪ねた。大きなデイルームのテーブルに、もうお一方の入所者の方と並んで座っていた。私が、声をかけると、私の名を口に出し、柔和な笑みを浮かべた。もう帰るのかと尋ねられ、週末までここにいなきゃならないのだと私が答えた。「あぁそうなの」と言うが、また2,3分すると同じ問答の繰り返し。隣で母の手を握っていてくださる方が、母が自宅に帰りたいと繰り返していると教えてくれた。その方は、99歳になるとのことだが、しっかりしておられた。きっと家に帰りたがる母を慰めてくださっていたのだろう。

母は、「じゃあ、お土産は?」といつものように、半分以上真面目に手を差し出す。何も無いよと答え、手をそっと彼女の手のひらに添えた。

家族内でいろいろ議論をして、結局、介護施設に母を預けたくないと弟が主張し、彼の家に母を連れてゆくことになった。身体のあまり丈夫ではない義妹との家庭だ。我が家の近くの施設にお世話になれば、私も姉も会いに行くことが容易だ。母の弟夫婦との同居は、弟夫婦にあまりに負担をかけてしまうことになるので、積極的に賛成できなかった。が、弟の母への思いを前にすると、強くは言えなかった。

これまで一緒に生活してきて、どれだけ母にしてあげられたことだろう。徐々に童女のようになってゆく母を正面から見つめることは、容易なことではなかった。自己弁護の気持ちももたげて来るが、それは誤魔化しだ。看護婦として仕事をしながら、医療機関に務める父とともに、私達三人の兄弟を育ててくれた。

母は、今週末、仙台に向けて旅立つ。木蓮の花が落ち始め、ハナミズキが満開になる季節に。

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