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集約化・強制計画配置、行政の意図 

奈良の時間外労働訴訟の意義は、医師の宿直が実質夜間労働であり、時間外割り増し給与を支払うことという司法の判断であったはずだが、どうも読売新聞、その背後にある行政にしてみると、違う結論になるらしい。

医師の過重労働があるから、医療機関を集約化し、医師の「計画配置」を行うという行政の既存の方針に沿うものという受け取り方だ。

昨今、医師の労働が労働基準法に違反しているとする行政の指摘が続いているが、突然医師に対して「優しい」行政が出現したわけではなさそうだ。結局、労働条件を改善するためという大義名分で、医療機関のかなりの数を取り潰し、医師を「計画配置」して、特定の基幹医療機関に集約するということのような気がする。この計画配置・集約化は、結果として、患者の医療機関へのアクセスし易さが低下し、医療費の抑制にも有効と踏んでいるのだろう。

計画配置・集約化をするために、行政が医局機能を担う。そこで、大きな利権が生まれる。

これまで放置しっぱなしだった、医師の労働条件の「改善」に、行政が急に熱心になったのは、こうした「裏」があるのではないか。


以下、引用~~~

背景に医師不足 産科の悲鳴届いた…奈良地裁判決

09/04/23

記事:読売新聞
提供:読売新聞

2人で2年間に当直313回 50時間勤務も

 産科医の悲鳴が司法に届いた--。奈良地裁が22日、奈良県立奈良病院の当直勤務を時間外労働と認めた判決で、産科勤務医の労働実態の過酷さが改めて浮き彫りになった。こうした問題の背景には、医師を計画的に配置せず、医師の偏在を放置してきた日本の医療体制がある。勝訴した産科医の1人は「産婦人科の医療現場では緊急事態に対応するためスタッフが必要」と訴え、医師不足の抜本的な解決策を求めている。

 今回の訴訟では、産科医が休憩もままならず、ぎりぎりの状況で母と子の命に向き合わなければならない実態が陳述などで明らかになった。原告の1人が2005年12月に経験した土、日、月曜の3日間の連続勤務を振り返ると--。

 土曜夜、1人の妊婦が出血し、その約1時間後に別の妊婦が陣痛を訴えた。日曜の午前4時半頃には、さらに別の妊婦の異常分娩(ぶんべん)に立ち会った。医師は原告だけ。1人の処置をしている間に、別の妊婦が分娩室にやってくる。

 日曜日は午前9時半前、午後4時前、同7時半前、同10時前にそれぞれ赤ちゃんが生まれ、月曜未明にも赤ちゃんが誕生した。ほかにも原告は、切迫早産や出血などの手当てに追われ、連続する宿直勤務の間に診た妊婦は計13人。立ち会った出産は6件にのぼった。この後、月曜日は夕方まで通常の勤務に就いたという。

 法廷で、原告は宿直明けの体調について「朝のうちは興奮状態で元気かなと思うが、昼ぐらいから、ガクッと疲れる感じ」と陳述。宿直明けの手術の際、エックス線撮影の指示を誤ったこともあったと述べた。

 原告2人が2年間で務めた夜間・休日の当直は計313回、担当したお産は計300件。妊婦からの呼び出しコールが頻繁にあるため、仮眠を取るのも難しく、50時間以上の連続勤務もあった。

 原告の上司も「外科の当直なら、整形外科などを含めた複数の診療科から1人出せばいいが、産婦人科は、産婦人科だけで回さなければならない」と厳しい実態を証言した。

過酷勤務、訴訟リスク…「なり手なくなる」

 「お産は24時間ある。産科は診療科の中で最も当直が多く、負担が特に大きい。なり手がなくなるのではないかと危惧(きぐ)している」。岡井崇・昭和大教授(周産期医療)はこう指摘する。

 産科医の減少は、分娩(ぶんべん)施設の数にも表れている。日本産科婦人科学会の調査(2006年)では、全国の分娩施設は1993年に約4200施設あったが、調査のたびに減少、05年は約3000施設となった。

 約2700病院が加盟する日本病院会は「勤務医、中でも産科、小児科は『訴訟リスク』が大きく、研修医らから敬遠されやすい。結果的に医師が不足し、労働条件も悪化する悪循環が起きている」とする。

 労働基準監督署から、指導を受ける病院も後を絶たない。原告の産科医が勤める県立奈良病院でも、04年に労働時間の是正を求められたが、改善されず、今回の訴訟に発展した。

 現場の産婦人科勤務医の評価はさまざまだ。

 京都市内の病院に勤務する50歳代の男性医師は「現場は医師のボランティア精神と犠牲の上に成り立っている。待遇が改善されれば、医師も増え、医療の充実につながるだろう」と話す。

 一方、石川県内の大学病院の男性医師は「抜本的な解決には、看護師のように3交代制を敷くしかない。それには、お産の拠点施設を配置するなど、医療システムを根本的に変える必要がある」と指摘する。

 厚生労働省監督課は「長時間労働は抑制し、労働基準法を順守するよう監督したい」としている。

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