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Doug VE7NH 再び 

昨夜、北米西海岸で陽が昇ってしばらくした頃、こちらでは午後11時前後、西海岸の局が贅沢な強さで入感した。

CQを出すと、GM SHINとだけコールする局がいた。キーイングの特徴、それに出没時間帯から、Tom W6XFとすぐに分かった。Tomに彼のコールを打って応答すると、どうして分かったのかと不思議がっていた。彼のスムースなキーイングは記憶に残っているから、すぐに分かると言うと、喜んでくれた。

Tomと早々に切り上げると、Doug VE7NHがコールしてくれた。彼のことは、2年近く前にこのブログで紹介した。彼が用いていたのは、最近あまり聴かなかったバグキーである。短点が極端に短く、高速のキーイング。バグキーから生み出される、ある種のエネルギーが感じられる。バグキーをしばらく用いていなかったが、私のバグキーを聴いて、また使ってみようかと、エレキーからつなぎ換えて出てきたのだ、と彼は言っていた。早く打とうとするほどに、間違いが増えてしまうがと仰るが、どうして正確なキーイングだ。これほど達者なバグキーでのキーイングは、本当に滅多にお目にかからなくなってしまった。

バグキーというキーは、慣れが必要であるし、その前に、適切なセッティングが大切だ。整った短点を、コンスタントに長い時間出せること、その上で、短長点のレバーの接点間隔はできるだけ狭く出来ること(これはパドルに比べると広くならざるを得ない)が、バグキーの調整の要点だ。Dougの場合は、それが上手くできているのだろう。その上で、音楽的ともいえる、操作技術が必要となる。彼のバグキーは、55年前に作られたもので、それだけ年季の入った「腕」が彼に備わっているということなのだ。

彼は、最近余り無線には出ていないとのことだった。天気がよければ、ゴルフをしている。それに定期的にヴァンクーヴァーまで行くことになっている、とのことだった。てっきり、お子さんのお宅に遊びに行くのかと思ったら、病院に1週間入院し、その後自宅に戻るという生活を3週間単位で繰り返しているらしい。身体を壊されたことを聞いていなかったと思いながら、それは化学療法かと尋ねた。その通り、1年前に大腸がんの手術を受け、大分体重も減ってしまったが、また増えてきているとのことだった。遠隔転移の有無等は尋ねなかったが、是非全快なさって欲しいもの。

私が可愛らしい女性二人と室内楽をすることになったとTomに話したことを聞いていたらしく、Dougは、弾く予定の曲目を尋ねてきた。ブラームスのピアノトリオ2番と答えると、う~ん、ブラームスはあまり好きではないなと率直な反応。ブラームスはあまりに重たすぎる、とのことだった。弦楽アンサンブルの軽いクラシック、それにジャズが良いな、とのことだった。彼も病気をしてから、チェロには一度しか触れていない、また教則本を開いて一から始めないといけないな、と言っていた。

彼も、もう70歳代後半になるだろう。またあの芸術的なバグキーによる符号を聞かせてもらいたいものだ。しかし、CWという手間がかかり、効率の悪い通信モードで、さらに技術的な鍛錬の必要なバグキーを操る方は、これから更に少なくなってゆくのではないかと思い、彼の流れるようなエネルギッシュなキーイングに耳を傾けた。最後の世代・・・。

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