FC2ブログ

医師会が医療崩壊を加速させてどうする? 

今夜は、地域医師会の救急診療所の当番だった。仕事を終えてすぐに、コンビニ弁当を引っさげて、市の保健センターにある救急診療所に駆けつけた。

午後7時から2時間だけなので、大した仕事量ではない。しかし、当初、一次救急の仕事らしい内容だったが、今夜は、それが質的に変化してきているように感じた。所謂、コンビニ受診が多くなっている。たかだか数名の受診患者で、そう言い切るのは無理かもしれないが、3日前から下痢が続いている乳児とか、昨日から発熱している小児とか、不要不急の患者が多い。学校に通学しているから外傷の包帯交換ができないので診て欲しいという患者さんは、さすがにお断りした。

このようになった背景には、救急診療所側の要因がある。まるで夜間診療所のように、患者を集める手立てを打っているのだ。投薬は、本来原則1日だけだったのに、3日間出すことがルーティーンに行なわれている。さらに、院外処方だったものが、薬剤師を常駐させ、院内処方に切り替わった。患者にとっては、確かに便利になったかもしれない・・・だが、救急医療を利用する患者の側が持つべきモラルが低下する、即ち、救急診療所を手軽な夜間診療所として用いる、ということになるのは目に見えていた・・・そして、そのようになりつつあるのだろう。確かに、現在の受診患者数では、この救急診療所は大赤字だろう。が、それだからと言って、救急診療所をコンビニ診療所化すればよいということではない。

この現象は、この小さな救急診療所一つの問題ではなく、結局、二次・三次救急にも同様の態度で受診する患者を増やすことにつながる。現在、進行しつつある医療崩壊をさらに加速することになる。

この救急診療所には、経口補液製剤が置いてないなど、受診患者の半数以上を占める小児への治療に関して治療薬の取り揃えは不十分で、なおかつ、発熱乳児に抗ヒスタミン剤をどんどん処方しているといった不適切な治療が行なわれている様子だ。こうした問題を、地域の医師会長に直接指摘したが、一向に改善しない・・・改善する積りはないのだろう。これ以上のことは、私の守備範囲を超えるので、もう沈黙するのみだ。

医師会が、こうして医療崩壊に向かう動きを加速させてどうするのだろうか。

コメント

No title

無線ネタはわからないのでパスしていますが、医療ネタ中心に読ませて頂いています。
医師会の話は医療だけではなくすべてに及んでいると思います。いつのころからなのか、日本国民(蝦夷や琉球も含めてですが)には「精神の重し」が軽くなったと思います。それぞれの民族には、山の神や海の神への感謝と畏敬が生活の規範となっていた時代がありました。今は「百年の計」に代表される言葉が減り、目先のことにおろおろする国になりました。そのおおもとは教育の荒廃から生まれているのでしょうか?寂しいものですね。

No title

雪の夜道さん

お読み下さりありがとうございます。国民は、手軽な「サービス」を求め、行政・政治は、社会保障を窮乏化させているということが背景にあり、医師会がそれに迎合しているということなのではないかと思っています。何しろ、当地は、財政再建団体化するかどうかという地方自治体なので、「金儲け」ないし「赤字減らし」が一番の課題なのでしょう。

目先のことだけしか考えられないことは、確かに教育の問題もあるのかもしれません。その教育も含めて、時代思潮のような大きな流れがあるのかもしれません。

何十年か経ってから、この時代がどのように振り返られるのか、関心があります・・・その頃には、もう生きてはいないでしょうが・・・少しでも良い社会を残せるようにしたいものです。

はじめまして

いつも、楽しく読ませていただいております。
以前僻地の2次救急で「にわか小児科」をしていた経験があるのですが、恐れながら2点ご教示いただけますでしょうか。
1)熱発の小児に抗ヒスタミン剤投与はいかなる理由でよろしくないのでしょうか?
2)尿ケトン陽性の嘔吐症の小児にどの程度ORSで対応可能でしょうか?
当時は医者のいない土地で、内科医が火事場の使命感だけで変な事を随分してたかもしれません。よろしくご指導お願いいたします。

Re: はじめまして

はおはおさん

今晩は。コメントをありがとうございます。小児科以外の方が、小児を救急で診るのは、ストレスなのではないかと想像しています。お疲れさまです。文献を明示しての返答など、ここではできませんが・・・

1)抗ヒスタミン剤の多くが、中枢に移行し、痙攣閾値を下げるとされています。中枢移行性の少ない抗ヒスタミン剤もあることはありますが、臨床的に投与する意味は少なく、痙攣を誘発する可能性もあるため、小児科の診療では、所謂上気道炎には用いなくなっていると思います。

2)経口補液は、少量づつでも経口摂取可能であれば、使えると思います。最初は、少量を頻回に与えることが大切でしょう。ただし、嘔吐の基礎疾患には、中枢の問題、肝臓の問題、代謝異常の問題等が隠れていることがありますので、漫然と径口捕液を行なうのではなく、そうした稀な嘔吐の原因を見極める必要があるように思います。「どの程度のORSで治療可能か」という意味がもう一つ分からないのですが、このようなところで宜しいでしょうか。

ありがとうございます

ありがとうございます。
嘔吐症は、夜中でも目をこすりながら泣き叫ぶ幼児に点滴していたもので、ORSという発想そのものがありませんでした。OS-1も今ほど有名ではありませんでした。
当時の小児科医達、感冒に抗ヒ剤はルチーンでした。。。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/1417-5d27cd86