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病原性大腸菌感染後遺症で、医療機関・幼稚園・保健所を提訴 

病原性大腸菌の中に、ヴェロ毒素を産生するものがあり、それによって、溶血性尿毒症性症候群(HUS)という合併症を引き起こすことがある。血小板減少による出血傾向、貧血、腎不全等が生じる重篤な合併症である。食物を介して感染することが多いが、残念ながら、夏場には時々見られる感染症である。感染そのものは1,2週間で自然治癒傾向が高いが、HUSを生じると、死亡率は、数%に上る。

病原性大腸菌の一つO157の感染を起こし、不幸にも後遺症を残したお子さんのご家族が、「県や医療法人、学校法人」を相手取り、1億円近い損害賠償請求の民事訴訟を提訴した、という報道だ。「医師の誤診と不適切な措置」によりが、その後遺症の原因で、さらに感染を防ぐ対策を、幼稚園や保健所が取らなかったという原告の主張のようだ。

この報道では、どのような経過でどのような後遺症が生じたのか、全く分からない。そもそも、重症化し、致死性の経過をとりうる疾患にかかわる医療訴訟を、このように適切な情報を欠くまま、報道するマスコミの姿勢には、大きな疑問を感じる。医療法人だけでなく、地方行政機関、学校法人が提訴された、このケースの訴訟の経過を、医学的にも理解しうるように報道してもらいたい。


以下、毎日新聞より引用~~~

静岡・裾野の男児、O157で後遺症 「措置不適切」 県など相手に損賠提訴
09/06/10
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


損賠提訴:裾野の男児、O157で後遺症 「措置不適切」 県など相手に /静岡



 ◇9575万円

 裾野市内で06年、当時3歳の男児が腸管出血性大腸菌(O157)の感染で後遺症が残ったのは適切な措置が取られなかったためだとして、この男児と両親が、県や医療法人、学校法人を相手取り、計約9575万円の損害賠償を求める訴えを地裁沼津支部に起こしたことが9日、わかった。

 訴状によると、男児は06年6月、O157に感染。診察を受けた病院の担当医の誤診と不適切な投薬で、症状が重くなり後遺症が残ったと指摘。通園していた幼稚園についても健康に配慮すべき注意義務に違反したとしたほか、県東部保健所も感染症の拡大を予防すべき法的義務に違反したとしている。

 県医療健康局疾病対策室は「訴状は受け取ったが、対応は協議中だ」とコメントした。【田口雅士】

コメント

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No title

コメントをありがとうございます。マスコミが、何時、それに気づくかということでしょうか。医療従事者の士気ががたがたになり、防衛医療でコストはかかり、かつ患者さんにとっては不便この上ない状況になってからでは遅いのですが・・・もう手遅れでしょうかね・・・。

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