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硬直的な行政 

拙院の開業当初、以前の仕事関連の院外薬局業者が一緒に来てくれることになり、当初、拙院の隣に開設してくれるようにお願いした。小さな子どもを抱えたお母さん方が、できるだけ容易に薬局に行けるようにと考えてのことだった。

ところが、院外薬局を許可する地方自治体が、それではまかりならない、とのこと。設置場所を、車道を挟んだ反対側にしろとの指示だったと、薬局の方から伺った。院外薬局を経営面では当然のこと、「物理的に」医院から離すという行政の意向のようだった。その時には、仕方ないかと諦めた。

が、しばらくしてから、想像していた最悪の事態が起きてしまった。幼児が、お母さんの手を放し、車道に飛び出て、交通事故にあってしまったのである。頭部骨折外傷で1,2ヶ月の入院をされたのだと記憶している。

院外処方にしたことを些か後悔したが、院内処方では、収入が大きく減り、さらに余分なスタッフを雇わなければならなくなる。その後も、院外処方を続けた。薬局と拙院の間の車道に横断歩道のマークを入れてもらえないか警察に相談したが、民間のためにはそうしたことは出来ないとのことだった。道の横断に用いる黄色い手旗を準備したが、風で飛ばされて、その内無くなってしまった。

院外薬局は、患者の投薬情報を管理して医療の質を上げるためという建前で作られた制度だが、本質は、それまで医療機関が薬価差益というマージンを取っていたのをなくさせ、それを結局製薬会社と薬局に移転させることだったのだ。医療費を削減するためという大義名分もあったが、どれだけそれが実現したのだろうか。患者の投薬情報管理が、院外処方の導入で格段に進んだということはない、というのが私の実感だ。

医療費の適正な配分という観点から、院外処方制度を取り入れるのは致し方ないかもしれないが、医院外処方に関わる硬直的な行政が、患者への負担、場合によっては、上記のような危険をもたらしていることを指摘しておきたい。

同じような、硬直的な行政の臭いのする報道があった。もっとも、院外処方を積極的にすすめるべきだというキャンペーンを張っていたのが、同じマスコミでもあったような気がするのだが・・・。

以下、引用~~~

兵庫・三田の薬局、薬局外で薬受け渡し 「配慮のつもり」 薬事法施行規則違反
09/07/09
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


薬事法施行規則違反:三田の薬局、薬局外で薬受け渡し 「配慮のつもり」 /兵庫


 三田市の調剤薬局「わかくさ調剤薬局」が、院外処方の薬を患者の待つバス停などに配達していたことが分かった。県は、薬事法の定める薬の受け渡し場所にあたらないとして、今後こうした薬の受け渡しをしないよう口頭で指導した。

 県などによると、同薬局は昨年4月から今年6月末まで、約200メートル離れた三田市民病院の外来患者の求めに応じて、同病院近くのバス停などに薬剤師が薬を持参し、患者に販売していたという。薬事法施行規則では、処方せんで調剤した薬を販売する際の患者への説明は、特別の事情がない限り薬局で行わなければならない、としている。

 同薬局は、昨年4月に市民病院の院外処方導入に合わせ、同市薬剤師会の4人が経営者となりオープン。同病院は同会に「市民の利便性のため、努力をしてほしい」などと協力を求めていた。

 同薬局運営会社の永田久美子社長は「高齢者など、坂道を登って薬局まで来るのが難しい患者への配慮のつもりだった。昨秋から廃止を検討していた。指導に従いたい」としている。【粟飯原浩】

〔阪神版〕

コメント

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Re: 院外処方での受益者

大部分はそうかもしれませんね。ただ、製薬企業も、卸へ値引きしなくなっていると聞きます。昔の大幅な値引きは適正な商習慣ではなかったのでしょうが、製薬企業の好決算ぶりは凄いです。(彼等は、外国で得た利益だと、弁明しますが。)薬価は、現在高止まりしているというのが率直な印象です。

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