FC2ブログ

患者の権利 

患者が、質の高い医療を、自らの決定権のもとに享受するということは、理想的なこと、そうあるべきことだ。その権利を法制化するように患者団体が、厚生労働大臣に求めた。

この要望で特筆すべきは、国が財政を優先し、医療を崩壊させつつある。患者の権利が侵されつつあるのは、そうした低医療費政策が根幹にある、と判断している点だ。

この点で、単に権利を主張する表面的な議論ではなく、一歩踏み込んでいる。

問題点は、二つ。対GDPの医療費は確かに低いのだが、国民の租税負担率を考慮すると、医療費は決して低くはない(慶応大学、権丈教授)。現在以上の医療の質と安全性を求めるならば、または現在の医療のレベルを維持しようとするならば、国民はそれに応じた負担をする必要が出てくること。

次期政権を担うはずの民主党が、この点について何も語らない、または無駄遣いを減らすだけで、社会福祉の維持・発展が可能かのような議論をすることは大きな問題だ。勿論、政官業が癒着し、官僚のための社会福祉行政が行なわれる、現在の構造には大鉈をふるって欲しいが、それだけでは将来の展望は得られない。

もう一つは、権利と同時に、義務も患者には求められることだ。権利を要求する一方で、医療関係が成立するためには、医療の不確実性を受け入れることが患者の義務である。安全な医療は、いつまでも希求すべき目標であっても、おいそれと実現するような事柄ではない。医療崩壊は、財政面からも進んでいるが、医師患者関係という側面でも進んでいるように思える。この面での崩壊は、金額といった目に見えぬものであるだけに、より深刻だ。

いつかは患者になりうる私としても、患者の権利が社会で認められることは良いことだとは思うが、上記の点にも是非思いをめぐらして欲しい、いや思いをめぐらそう。

以下、引用~~~

患者の権利法制化を要望 厚労相に56団体
09/07/15
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

患者の権利:法制化を要望 厚労相に56団体

 難病患者や医療事故・薬害被害者、医療従事者ら56団体の代表が14日、舛添要一厚生労働相と面会し、現行法では位置付けが不明確な「患者の権利」の法制化を求めた。政府の安心社会実現会議は6月の最終報告で2年以内の基本法制定を求めており、舛添厚労相は「広く議論できる場を考えたい」と述べた。

 要望書は「医療崩壊が進めば、医療は恵まれた一部患者のものになりかねない」と指摘し、安全で質の高い医療を受ける権利と患者の自己決定権を、医療政策の根幹に据えるよう求めている。舛添厚労相は「医療提供者と患者の協力で医療を守りたい」と述べた。

 会見した全国ハンセン病療養所入所者協議会の神美知宏事務局長は「患者が当然の権利を要求せざるを得なくなった原因は、財政優先で医療政策を進めてきた国にある。責任をもって法制化に取り組んでほしい」と話した。【清水健二】

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/1466-4db49f69