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夜間救急診療所でのストレス 

昨夜は、救急診療所の当番だった。コンビニ弁当を片手に、診療所に急いだ。お盆休みということで、結構患者さんが来院した。ここでの仕事は、以前はストレスを感じなかったが、最近は大いにストレスを感じる。

その理由は、幾つもあるのだが・・・

○不要不急な状態での受診をされる患者さんが多くなってきた。2,3日前から具合が悪かったが、当夜になって来院した。日中別な医療機関を受診したが、心配になって来院。それに、どうみても重症の喘息なのだが、きちんと治療しないで来院、といったケースが、半数以上を占める。一人一人に、昼間、かかりつけ医に相談することが大切だと説明を繰り返した。

○院内処方になったのだが、喘息の治療薬が揃っていない。交感神経刺激剤のテープ剤は、血中濃度がすぐ上がってしまい、効果よりも副作用の出やすいゾロ品。交感神経刺激剤の吸入薬は在庫なし。置かれている薬が尽くゾロ品になっているのには驚いた。上記のような評判の芳しくないゾロ品も確実にあると思われるが、これで良いのかと不安になった。ステロイド吸入薬も置いてない。

○インフルエンザ対策だけは神経過敏なほどで、インフルエンザの検査(これは新型の検出感度が高くない)をバンバンやっている様子。PCRの検体も出せるとのことで、驚かされた。現段階では、PCR検査は、集団生活をしている患者さんで、その集団で新型インフルエンザの確定診断のついた症例がある場合のみ、積極的に検査をするのではなかったのか・・・。大体、とっくのとうに蔓延期に入っている現在、定点観測でしっかりとしたインフルエンザの疫学的な情報を得ることは意味があるが、救急診療で少しでも疑われる患者全員に検査をする意味も少なく、さらにそれは医療資源の浪費だ。インフルエンザの検査に消極的な私をみて、看護師は怪訝そうな顔つきをしていた。

少しカッカとしたが・・・これまでも二度ほどクレームと、要望を医師会に上げたが、何も変わらない・・・患者さんには、この救急診療所にかかるのは、最後の手段にした方が良いとそれとなく申し上げるようにするだけにしておいた。

早く医師会から退会して、このようにストレスフルな仕事からはおさらばしよう。

コメント

どうせ一日分の処方だし、ゾロでもいいんじゃん。あと、夜間に吸入ステロイドはいらないでしょ。
吸入ステロイドって基本は発作の予防だし、一日分だけの処方したら、ディスクだけ在庫がなくなって、薬局も困る気がします。
それより、インフルエンザ陽性なら、タミフルだけ5日分処方可能にするべき。

通りすがりさん

コメントをありがとうございます。先生のご専門が分かりませんが、小児科で喘息を主体に診療しておりますと、中等度の発作で入院させるほどではないが、交換神経刺激薬吸入だけで対処しきれないケースが度々あります。

ステロイド吸入薬の比較的大量療法が、そうした発作に有効であるとの報告が近年多く見られます。

下記の論文等々・・・

J Asthma. 2008 Sep;45(7):561-7. Links

Effectiveness of high repeated doses of inhaled budesonide or fluticasone in controlling acute asthma exacerbations in young children.Volovitz B, Bilavsky E, Nussinovitch M.

臨床の場で、この治療が有効であることをしばしば実感します。このような理由から、救急外来であっても、吸入ステロイド剤は処方できるようにしておくべきだ、というのが、私の考えです。

先生が、救急の場で、喘息の診療に当たっておられるとしたら、このようなケースをどのように対処しているのでしょうか。

ゾロについては、考え方の相違ですね。私は、何でもゾロでよい等とは、患者さんのことを第一に考えると、到底言えません。ゾロは、生物学的な活性を検討して許可されるとしてますが、副作用の検討はおろか、効果についても疑問のある品目がかなりあります。

追加です。

新型インフルエンザのかなりの数(私の読んだペーパーでは半数程度)は、適切な時期に検査したとしても、季節性インフルエンザ検査では陰性になります。私の経験では、臨床的・疫学的に新型インフルエンザを強く疑う症例でも検査が陽性になった症例は、今のところありません。false negativeを強く疑っています。検査で陰性だからといって、新型インフルエンザは全く否定できません。

neuraminidase inhibitorが、インフルエンザ脳症を防止できるというエヴィデンスはなく、新型インフルエンザで脳症を発症した3例の内、一例は、リレンザを投与していたのに発症しています。

また、新型インフルエンザは、現在のところ流行性は強いが、症状は軽いと言われています。脳症だけが深刻な合併症です。

上記の理由から、新型インフルエンザに積極的にneuraminidase inhibitorを投与することは、慎むべきではないかと私は考えます。

お疲れ様

ストレスその1「○不要不急な状態での受診をされる患者さんが多くなってきた。」について

当地では医師会の休日・夜間診療所はないので、こんな患者さんがぜーんぶ病院に来ます。当然寝る時間なし、32時間連続勤務が常態化。
医師会がもう少し一次医療をしてくれれば勤務医としては助かると思いますが、、、。逃げ出す勤務医が多いのも当然な状態です。

救急診療所をやっている医師会でもそこから逃げ出すことを考えている先生が増えているのでしょうねぇ。

病院も医師会もやらなくなったら、だれが診てくれるのか(だれも診てくれなくなるということを)、市民はわかっているのでしょうか。(わかってないでしょう)

  • [2009/08/14 22:07]
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  • 地方の公立勤務医
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地方の公立勤務医さん

お疲れ様です。

私も、大学病院勤務。公的病院勤務の経験があり、その当時、同じような状況でしたので、大変さがよく分かります。

開業してからも、所属の医師会の救急診療所、それに知り合いの手伝いで別な公的救急診療所に行っています。先日は、日曜日連続11時間勤務(36時間に較べたら大したことはありませんが・・・)をしてきました。その救急診療所は公的病院のすぐ横にあり、救急病院では純粋に二次救急だけを担当すればよいという状況のようでした。

医師会がある程度救急診療に関与することは必要だと私も思います。さらに、患者教育も重要でしょう。日中受診した方が、患者さんにとっても良いのだということをお教えする必要があります。

もう一つ、やはり救急受診に経済的な負担を患者さんにお願いし、それによって、アクセスに制限をかける必要もあるように思います。

私がこのエントリーで「辞めたい」と言ったのは、薬も不十分で、救急らしいことができないところで働くのは嫌だな、という愚痴程度とお受けとリください。

救急医療の現状を理解し、その制度整備をしてくれる政治家が出てきてくれないと、近いうちに、救急医療は足元から崩壊して行きますね。いつまでも、「最低の負担で、安心な医療を」というスローガンでは、医療が持ちません。

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