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病院の赤字を、管轄官庁が分析すると・・・ 

公的病院の経営状態が悪く、7割が赤字だと、厚労省が公表した。人件費、設備投資に、問題があると言う。

人件費は、確かに民間医療機関に比べると高いのかもしれない・・・が、これは公務員給与規定に従って支払われているわけで、医療問題というよりも、公務員と民間の格差問題なのではないだろうか。

設備への費用、設備の利用状況については、詳細が分からないので何とも言えないが、公的医療機関では不採算部門への投資が必要なのかもしれないし、入札の公正さに問題があるのかもしれない。具体的な問題点を明らかにすべきだ。

で、議論が全くされていないのが、「収入」の問題だ。診療報酬が引き下げられ続けており、そのために経営が悪化している、という明白な事実に、厚労省は全く振れていない。民間医療機関は、赤字が続けば、経営を続けられない。従って、この記事のデータに取り上げられた民間医療機関は、ようやく生き抜いているのであるから、赤字が少ないのが当然のことだ。実際、民間医療機関が倒産する例が増えていると報じられている。

一方、公的医療機関は、赤字でも自治体の補助などによって生き延びている。しばらく前に、総務省が、優良な経営状態の公的医療機関を表彰したことがあった。が、それらの医療機関の経営指標を見てみると、キチキチのところで黒字を確保しているに過ぎないことが分かった。さらに、過去から現在までの時系列で見てゆくと、明らかに「右肩下がり」なのである。現時点で2割超の公的医療機関が黒字であったとしても、それらが赤字に転落するのは、そう遠くはない。

政権が変わると、厚労省のこうした現状分析の内容、分析手法が変わるのだろうか。変わってもらわないと困る。自らの責任を棚に上げて、医療現場にだけ経営「改革」をせよと迫るのは、手前勝手と言うものだろう。大体において、2割を切る回答率のデータで物事を言えるものだろうか・・・。


以下、引用~~~


07年度厚労省調査/自治体病院、約7割が赤字経営 不採算部門や人件費の高さが負担に
09/08/21
記事:Japan Medicine
提供:じほう

 厚生労働省がこのほど発表した2007年度「病院経営管理指標」報告書によると、自治体立の一般病院のうち、経常利益が黒字の病院は25.1%にとどまり、約7割が赤字経営だった。一方、医療法人立の一般病院の黒字比率は71.6%で、ほかの開設主体と比べ自治体病院の経営が厳しい状況が明らかとなった。厚労省は「地域性や不採算部門を持つことに加えて、人件費割合が高いことなどが自治体病院の経営に影響しているのではないか」(医政局指導課)としている。

 同報告書は病院の経営状況などを調査し、その結果を指標として公表することで病院の経営改善の参考にすることが目的。医療機関に対して財務状況や施設概況に関するアンケート調査を実施し、医療法人795病院、公的病院607病院の計1402病院から有効回答を得た(有効回答率19.6%)。

 一般病院の黒字病院比率を開設者別に見ると、医療法人立病院が71.6%、社会保険関係団体病院が56.8%、その他公的病院が46.4%、自治体病院が25.1%で、民間病院と公的病院で大きな差が見られた。
 開設者別に見た医業利益率は、医療法人立病院が2.0%である一方、公的病院では自治体立病院がマイナス14.6%、社会保険関係団体病院がマイナス1.3%、その他公的病院がマイナス2.1%で、特に自治体病院のマイナス幅が大きかった。


収益悪化は設備投資が影響

 人件費比率は医療法人立病院が52.7%、自治体病院が63.6%。職員1人当たりの人件費は医療法人立病院の627万7000円に対し自治体病院は776万1000円で医療法人より約148万円上回っていた。自治体病院はほかの開設主体と比べても人件費の割合が高かった。

 減価償却費比率を見ると、医療法人は3.5%、自治体病院は7.4%で、自治体病院が医療法人の倍近くあった。一方、自治体病院の固定資産回転率は104.0%で医療法人(231.7%)の約半分。ほかの開設主体と比べて人件費割合が高いことや、設備投資をしている一方で固定資産回転率が低く収益を上げていないことが、自治体病院の経営に響いているとみられる

 医療法人の収益動向を病院種別に見ると、医業利益率は一般病院と精神科病院で低下傾向が続いており、07年度は特に精神科病院の落ち込みが目立った。一般病院の赤字病院比率は2年連続で増加。ケアミックス病院と療養型病院、精神科病院の赤字病院比率は、診療報酬マイナス改定のあった06年度に増加したが、07年度には減少に転じた。



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