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『初歩的なミスを犯さないようにしましょう』 

医療は、人の手を介して行われることが多く、残念ながら、思い込みや、うっかりによるミスは必然的に起きる。そうした事例のうち、明らかな事故に至らずに済んだケースを、「ヒヤリ・ハット」と呼ぶ。ヒヤリ・ハット事例の分析を通して、ミスをできるだけ少なくすることが大切なのだ。

だが、ヒヤリ・ハット事例を集めて「解析」している、日本医療機能評価機構にとっては、そのようなヒヤリ・ハットの防止は、どうでも良いことのようだ。ヒヤリ・ハット事例が増えた減ったということは無意味だ。そうした事例を報告するかどうかは現場の判断であり、各医療機関・各医療人の判断だ。同じようなケースの再発を防止するために、個々のケースの背後に、どのような問題が潜んでいるのかを、徹底して解析し、その背後の問題を解決することが必要なのだ。

以前にもここで記したことがあるが、同機構のこの問題の根本的な解決には極めておざなりである。人のミスがあるとしたら、「初歩的なミスが目立った」などといったごく表面的な分析ではなく、そのミスの起きる背景に迫らなければ無意味なのだ。特に、関与した医療人の労働条件がどうであったのかを、是非調べる必要があると思うのだが、同機構の報告には、その観点からの解析はない。

「初歩的なミスが目立った、気をつけましょう」というまるで幼稚園児への注意のような結論でよいのだろうか。同機構は、医療機関の「機能」を認定する事業を、高額な対価を取って行っているが、その認定項目に、医療従事者の実際の労働条件の検証がない。あるのは、スリッパーを履いては駄目だとか、塵くず入れには蓋を付けろだとか、どうでもよいことばかりだ。医療におけるミスは、人的なものが多く、その背後には深刻なシステムエラーが隠れている可能性があるという事態を、同機構は直視しようとしない。

同機構の公表したデータとコメントをそのまま報道する読売新聞にも、医療情報部という専門部署があると思うのだが、こんな無意味どころか、医療不信を煽るだけの有害な情報を垂れ流すことを猛省してもらいたい。医師の強制配置などという人権無視・現状無視の論陣を張る上に、この体たらくでは、存在しないほうがマシだ。


以下、引用~~~

医療現場の「ヒヤリ・ハット」最多22万件
09/08/26
記事:読売新聞
提供:読売新聞

 一つ間違えると医療事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」が2008年、国内の大学病院など主要236医療機関で22万3981件に上ったことが、財団法人・日本医療機能評価機構のまとめで分かった。

 前年を1万4765件上回り、統計を取り始めた05年以来、過去最多となった。

 ヒヤリ・ハットの調査目的は、多くの医療機関が事例を共有して事故を防いでいこうというもの。同機構は過去最多となったことについて、「医療の質が低下しているわけではなく、現場で安全に関する意識が高まった表れ」としている。

 最も多かったのは、薬の処方・投薬に関するもので、4万6952件(21・0%)。次いで人工呼吸器や栄養補給のチューブの接続ミスなど「ドレーン・チューブ類の使用・管理」(14・3%)、リハビリ中の不適切な介助など「療養上の世話」(8・4%)が続いた。

 原因としては、薬剤名などの「確認不十分」(24・4%)など初歩的なミスが目立った。

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