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正気か、厚生労働省!! 

12歳の男児が新型インフルエンザで死亡した。その患児は、タミフルの投与をされていなかった。だから、感染の疑いのある患者には、『医師の判断で』タミフル等の治療薬を投与『できる』と、厚生労働省が通知した、とのことだ。

これを記者会見で述べている厚生労働省の担当者、恐らく、医系技官なのだろう、の様子をテレビで見た。思いなしか、オドオドしているように見えた。

この厚生労働省の通知なるものは、幾重にも間違いを犯し、医療行政担当能力の欠如を示している。幾重の間違い・意図的自己保身とは;

1)1例の症例で、こうした治療方針の根幹に関わる結論を導くことはできない。

2)この死亡症例に限っても、抗ウイルス薬を投与しなかったことが死亡の原因かどうか全く不明。

3)一般論として、抗ウイルス薬の投与が、死亡率を下げるという明確な根拠がない。(以前のエントリーにも記したが、レトロスペクティブにみて、3割程度重症化を防げた可能性がある、という程度の知見しかない。)抗ウイルス薬の広範な使用による耐性株の出現の問題等どうするつもりなのだろうか。

4)『医師の判断で』投与することが『できる』、とは、一見尤もらしい言い方だが、医療行政主管官庁の担当者の発言としては、責任を医療現場の医師に丸投げする、責任逃れそのものだ。一例の知見から、こうした結論は到底出せないことは、この担当者はよく分かっているはず。マスコミを通して、こうして自らの責任逃れをし、医療現場を混乱に陥れる振る舞いをすることは、厚生労働省が、医療行政を担当する意思・能力に欠けると言わざるを得ない。

このような連中の管理下で、医療現場で仕事を続けることに、表現しがたい居心地の悪さを感じる。


以下、引用~~~


「感染疑い」でも治療薬投与を…厚労省通知
9月18日20時10分配信 読売新聞

 新型インフルエンザに感染して死亡した横浜市の小学6年の男子児童(12)がタミフルなどの治療薬を投与されていなかったことを受け、厚生労働省は18日、感染の疑いがある患者については、感染が確定していなくても医師の判断でタミフル等の治療薬を投与できることを改めて周知する通知を都道府県などに出した

 横浜市などによると、男児は2日午前、高熱を出して医療機関を受診、簡易検査を受けたが陰性だったためタミフルなどの投与を受けず、翌日になって容体が悪化して入院した。

 一方、国立感染症研究所は同日、全国約5000医療機関を対象にした定点調査で、最新の1週間(9月7日~13日)の新規患者数は1万5382人で、1医療機関あたりの新規患者数は3・21人だったと公表した。前週(8月31日~9月6日)の2・62人からは0・59人増。全国の新規患者数は推計約18万人で、前週の約15万人からは3万人増えた。大半は新型インフルエンザの患者数と見られる。 .最終更新:9月18日20時10分

コメント

厚労省のあたふたぶりを笑っていられればいいんですが。連休中の休日診療所当番が憂鬱です。

後でアップしようかと思いますが、このお亡くなりになった少年は、喘息があり、心筋炎を併発、さらに脳出血が直接死因だったようです。

このケースだけで、疑い症例まですべて抗ウイルス薬を投与「することができる」と、現場に丸投げするというのは、行政官として落第だと思います。行政の責任逃れのためだけの発言であり、世の中を不安に落としいれ、医療現場を疲弊さます。

私も、明日救急当番です。さて、どうしたものか・・・。今日も早速インフルエンザ様の症状の患者から電話がありました。これから出陣 笑。

話しは変わりますが、CQ誌の記事を読みました。サブローブが消え、8の字状のビームパターンになるのは面白いですね。ビームアレーにすると、より大きなゲインも狙えそうですね。興味深い記事でした。

拙稿をお読みいただき,ありがとうございます。ご指摘のとおり、アレー化することはシミュレーション上では可能です。おいおい実験していき、好結果を得られたらいずれまた発表いたします。こんなことばかりやっていられれば良いんですが・・・。

事務連絡の内容は?

>感染が確定していなくても医師の判断でタミフル等の治療薬を投与できることを改めて周知

まだ厚労省のHPを見ても原文がupされていないのですが、内容はタミフル積極投与と言うより、「疑わしき時は医師の判断で」の再確認程度の様な気もしています。

もっとも小児科では判断がすこぶる難しいのがネックなんですが・・・

Yosyanさん

厚生労働省官僚が、この発言をしているのをテレビニュースで観ましたが、「医師の判断で処方できる」という表現であっても、現場の責任で処方しろという処方させることに「積極的」なニュアンスでした。

テレビ局が発言の一部を取り上げている可能性もありますが、「こうした症例があったのだから、処方しろ」という論旨に受け取られても仕方ないように思われました。

官僚が行なうべきは、情報の開示だと思うのですが、それを行なわずに、責任逃れとしか受け取れません。彼らは、自らの発言の及ぼす影響を考えていません。

今日は、救急診療所のdutyです。さて、どうなりますやら・・・。

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