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病床数・呼吸器の数から、インフルエンザ流行に対応可能・・・?? 

インフルエンザ流行に備えて、病床数・呼吸器の数を、厚労省が調べ、「計算上」対応可能であると公表した。これは、あくまで「計算上」のことである。以下、疑問点を列挙しよう。

○病床は、常に100%稼動していない。急患の受け入れがあり、また予定入院・退院の間に空く病床もある。2割の空き病床をすべて利用可能だとはとても言えない。

○医療従事者は、現在でも、重労働を強いられている。国民の2割がインフルエンザに感染したとすると、医療従事者も同じ割合またはそれ以上インフルエンザに冒される可能性が高い。予防接種は、遅れに遅れて11月になってから、という話だ。下手をすると、医療従事者が一遍に倒れて、医療機関が機能しなくなる可能性が高い。空き病床の心配をするより、こちらの問題の方が大きいのではないか。

○厚労省の統計によると、H18年度の総病床数は177万程度。感染症専門病床は、千台の少なさ。今回調査された病床数は、一般病床・感染病床等の総計なのだろう。しかし、インフルエンザのように感染性の高い疾患の患者を、果たして一般病床に入れることが可能なのだろうか。ただ空いている病床数を数えて大丈夫と言っているとしたら、医療担当の役所としてお粗末過ぎる。

○ICU・呼吸管理には、人手が必要だ。ICUについては、さすがに「十分な態勢が確保されているとはいえず」と正直に述べているが、「地域ごとに対応を工夫しろ」とは、竹やりで戦車と戦えと言っているようなもの。呼吸器の数を数えることも同様。呼吸管理に必要な医療従事者の数、それに呼吸器のメインテナンスの体制等を考えなければならない。

○インフルエンザ対策に対して、公的病院には、財政補助があるが、民間施設には、それが回らないと噂に聞く。医療を充実させるには、予算が必要なのだ。普段、ぎりぎりの財政状態で動いている医療機関に、大きな負担をかけるとなったら、まず考えるべきことは予算処置ではないだろうか。

上記の通り、この調査は、厚労省が万全の体制を敷いているかのごとき印象を国民に与えることだけを目論んだものだ。まさか、厚労省は、実態を把握しているに違いない。が、それを公表すると、自らの責任が追及されるのを恐れているのだろう。しかし、まずは実態を公表し、そして医療機関・国民へインフルエンザ流行による被害を最小限にくい止めるために行うべきことを正直に要請すべきなのではないだろうか。


以下、引用~~~

空き病床は13万8千床 「ピーク時も対応可能」 厚労省、インフル対応調査
09/09/28
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 新型インフルエンザ患者の入院診療に対応できる一般病棟の病床が、鹿児島を除く46都道府県の約4700の医療機関に計約71万5千あり、そのうち今月1日から7日までの期間に、使用されず空き病床となっていたのは計約13万8千だったことが25日、厚生労働省の調査で分かった。

 同省が8月に発表した「流行シナリオ」によると、国内の患者数が人口の20%に達すると想定した場合、ピーク時の入院患者数は4万6400人。担当者は「約14万床が空き病床として確保できれば、計算上は流行の最大時点でもハード面での対応は可能」と説明している。

 ただ「空き病床が実際に使えるかどうかの確認も必要。病院の人材確保の問題もある」ともしており、25日、各都道府県に対し、調査結果を基にさらに十分な医療提供体制を確保するよう求める通知を出した。

 同省によると、一般病床のうち、重症患者の治療にあたる集中治療室(ICU)の空き病床数は約2500だった。「ICUについては十分な態勢が確保されているとはいえず、地域ごとに対応を工夫する必要がある」としている。

 一方、重症患者用の人工呼吸器は、鹿児島を除く46都道府県の約4400の医療機関に計3万2千台あった。このうち1日から4日までに未使用だったのは約1万6千台。厚労省は「流行シナリオでは人工呼吸器が必要な重症患者はピーク時で最大約4600人とみられる。現状で一定程度対応できるだけの台数はあるようだ」とした。

コメント

安心しましょうという大本営発表です。
>インフルエンザのように感染性の高い疾患の患者を、果たして一般病床に入れることが可能なのだろうか。

公式にはすべての病院(病床)で診療可能とされました(6月より)。
一定の感染対策への配慮は必要とされているため、個室対応や大部屋コホートをしているのが現状です。インフルエンザ以外の疾患への影響はあまり考えられていません。予定手術の延期などで対応せよ、とされていますが、現場の判断にゆだねられています。

>ICU・呼吸管理には、人手が必要だ。

呼吸器のみあっても、心電図モニター、パルスオキシメーター、カプノメーター、微量点滴ポンプなど、鎮静して人工呼吸器に乗せておくだけでも設備が必要です。呼吸器の設定変更時の血液ガスなども必要です。人工呼吸器のみ取り出して計算しても、運用できるのでしょうか?単なる員数あわせにすぎず、ここから本当に利用可能な設備、人員を計算するのが、医療行政組織の役割です。
局地戦は自給自活の方策を図り、流行が過ぎるのを耐え忍べ、ということでしょうか。

oldDrさん

お疲れさまです。入院設備のある医療機関で仕事をしていた時代は、大分前のことになってしまいましたが、コメントを読ませていただいて、感染性疾患が入院してきたときの慌てぶりを思い出していました。

このようないい加減な「統計」は、行政が国民を欺くものですね。事実をちゃんと伝えなければなりませんね。

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