FC2ブログ

川原千真女史の弾くバッハ無伴奏 

川原千真という邦人女流バイオリニストの弾く、バッハの無伴奏バイオリンソナタ・パルティータ全曲を聴いた。バロックバイオリンによる演奏。この6曲は、バイオリンの曲として不朽の作品だ。が、様々なバイオリニストの演奏を聴いてきた経験では、ややもすると、演奏が切り口鋭く、聴くものの感性に突き刺さるようなものが多かった。クレーメルなど、神経質すぎるのではないかと聴くたびに思ってしまう。

川原女史の演奏は、バイオリンの音色自体に錆のような響きがある。技術的には、文句なし。ホールの性格なのだろうが、残響がかなりあり、少し気になる。

この一群の無伴奏曲は、舞曲の体裁をとって作曲されており、本来角ばった演奏ではなく、舞曲のように流麗に演奏される方が望ましい、という意見を読んだ記憶がある。一流どころの演奏では、苦しそうにギクシャク演奏するところはなく、流れるような演奏であることが多い。一方、川原女史の演奏は、流麗さが表立つのではなく、ぐいぐい食い込んでくるような演奏でもない。表現しにくいのだが、一種鄙びたような印象を与える。これは、バロック奏法のためなのか、彼女の演奏の特質なのか、良く分からない。両者が相俟っているのかもしれない。

聴いていて疲れることのない演奏。バッハが、すぐそこに感じられるような演奏だ。

彼女は、古典四重奏団の1stヴァイオリン奏者としても活躍なさっており、別な弦楽アンサンブルではビオラダガンバも弾かれる由。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/1547-7ac03801