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財務省の医療政策が実行に移される 

例の仕分け作業の「結果」、OTC類似薬を保険給付から外す方向で検討に入ったらしい。漢方薬も切られるようだ。漢方の専門家が、この仕分けなるものを批判している。

この文章からも分かるとおり、財務省は、OTC類似薬を保険から外すことを以前から目論んでおり、今回政権交代に伴って、予算削減を丸投げで政権与党から任されたのに乗じて、それを実行に移す、ということだ。

OTC類似薬を切ることから始まり、次には、上気道炎等軽微な疾患の薬剤も、保険から外すことだろう。ついで、基礎的な治療薬以外も保険から外す。そうして、混合診療が導入されるのだ。これが、財務省の方針なのだ。国民負担を増やさないで医療崩壊を防ぐと、財務副大臣が言っているが、舌の乾かぬうちに、国民に大きな負担をかける医療政策を打ち出してくることだろう。

民主党が、財務省に予算削減をまる投げし、その結果、どのような状況になるのか、我々には黙ってみるだけしかできない。医療は、さらにがたがたになることだろう。科学技術の面でも、かなり立ち遅れが目立つことになる。

財務省の予算削減は、財務省・大企業と政治家自身の利権には切り込まない。

特別会計は、どれだけ検討されたのだろうか。

年金にからむ莫大な金の動きには、しっかりメスが入ったのか。

政治家の定数削減、政党助成金の削減は行わないのだろうか。

財務省を始めとする官僚組織と政治家の利権はそのままに、国の土台を確保し、国の将来を決める予算が削られてゆく。



以下、MRICより引用~~~

▽ 行政刷新会議事業仕分け作業の横暴 ▽
          漢方の保険給付はずし

慶應義塾大学医学部漢方医学センター
センター長 渡辺賢治
         2009年11月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
                 http://medg.jp


 11月11日(水)の行政刷新会議事業仕分け作業の結果を聞いて愕然とした。一般用薬類似医薬品(OTC類似薬)を保険給付からはずすというのである。

 この議論は長年自民党政権時代に政府ならびに財務省が再三提案しては消えた案件である。

 平成9年7月11日に与党協議長の丹羽雄哉氏が、都内の講演会でOTC類似薬の保険給付除外について述べている。OTC類似薬の例として、漢方、ビタミン、湿布薬を挙げている。

 2006のNikkei Newsによると、政府・自民党は市販薬と類似する医薬品(例:かぜ薬など)を医療機関が処方した場合、公的医療保険を適用せず、全額患者の自己負担とする方向で検討に入ったと報じている。

 2007年1月、財務省理財局の向井治紀国有財産企画課長が日本漢方生薬製剤協会の講演会で、「財政からみた薬剤を中心とした医療」をテーマに講演し、保険医療費が伸びている以上、抑制するための動きは必須で、保険給付の制限論議では「ターゲットになりやすいのは薬」であり、OTC類似薬が給付除外対象となる可能性について述べている。

 財務省の財政制度等審議会は、2008年度予算編成に関する建議をまとめた際にも、後発医薬品のある先発医薬品(いわゆる長期収載品)やOTC類似薬の保険給付の見直しを検討することも求め、OTC類似医療用医薬品の保険給付除外は、その例として挙げられていた。

 このようにOTC類似薬の動きは、出てきてはおさまりといった状態であった。今回の行政刷新会議事業仕分けの財務省案は、こうした長年の財務省の案を反映させたものと思われる。

 しかし、この財務省案が如何に現実を無視したものかについて述べたい。


●医師が漢方を用いる意義

 この案に医療のことを仕分けしたワーキング・グループの15人のうち、11人が賛成したというのであるから驚いた。そもそも漢方・ビタミン・湿布薬と一緒くたにされている点に非常に違和感を感じる。

 漢方の臨床を身につけるためにどれくらいの時間を要するとお考えであろうか。卒前教育は中国の5年間、韓国の6年間とは言わないまでも、2001年の文部科学省の作成した医学教育モデル・コア・カリキュラムに入ったことで、今では80すべての医学部・医科大学において漢方教育がなされている。卒業後、漢方専門医は、日本専門医制評価認定機構に加入している専門医制度であり、内科・外科等の基本領域の専門医を取得した後、漢方専門の研修3年が義務付けられている。

 漢方医学がセルフ・メディケーションで済むと思っていたら大間違いで、高度の医療知識を必要とする医学体系であり、当然誤用による副作用があり得る。自然のものであるから副作用がないと思われているかもしれないが、慶應での調査では、胃腸障害をはじめとして17%の患者が副作用を経験している。漢方の専門家ですらその有様であり、漢方の専門医でなければなおさらのこと、セルフ・メ
ディケーションではさらに増えることが予想される。重篤な副作用として肝障害と間質性肺炎があり、セルフ・メディケーションでは発見が遅れ、危険な状態になることも考えられる。


●医師ライセンスが一つであることのわが国の強み

 中国、韓国、台湾などは西洋医学の医師ライセンスと伝統医学の医師ライセンスの二つに分かれており、中国などで病院が一つでも入口が異なり、医療の導線そのものが分かれていることはよく知られている。

 わが国においては一つの医師ライセンスのもと、西洋医学も漢方医学もできる、という点に特長がある。私の恩師の大塚恭男が常々言っていた言葉に「一人の患者を西洋医学の医師と東洋医学の医師が診ても1+1は2にしかならない。一つの頭に東西両医学があると1+1が3にも4にもなる。」

 漢方医学を保険給付からはずし、医師の手から離すということは、日本の一番の強みを否定することになる。

 慶應の漢方クリニックにもありとあらゆる患者が来る。総合医的な役割で、ここで膠原病を見つけたり、脳腫瘍を見つけたりすることが多々ある。診断には血液検査、尿検査はもとより内視鏡検査、MRI、CTなどありとあらゆる検査が可能である。もしも医師の手から離れたら、漢方薬で愁訴をごまかしているうちに発見が遅れることにもつながりかねない。全国でも漢方を専門とする医師はほとんどが総合医的な役割をしているのである。

 漢方を専門としないまでもありとあらゆる診療領域に漢方治療が拡がっている中で、医師の手から奪い去ることは、医療の幅を狭めることになりかねない。


●世界的には医療の本流に入りつつある漢方医学

 財務省のアイデアは10年以上前のものであるが、最近の世界の動向を知っているのであろうか?世界中で伝統医学の見直しが行われていることをご存知なのであろうか?

 伝統医学を含む補完・代替医療の大きな潮流は1990年代から始まっているが、NIHの年間予算はこの領域に300億円を超えている。NIH内には、1998年から国立補完・代替医療センターというのがあるが、一番大きな予算は実はがんセンターである。MDアンダーソン、ダナ・ファーバーなど米国の主要ながんセンターには補完・代替医療のセンターがあり、鍼灸治療を中心に伝統医療が取り入れられている。

 補完・代替医療といってもさまざまであるが、伝統医学はWhole MedicalSystemsという位置づけで、体系だった医療というのがNIHの認識である。

 2009年10月のWHO国際分類ファミリー年次総会の席で、ICD(国際疾病分類)次回改訂に漢方を含む伝統医学を取りこむ計画が話された。ICDは世界保健の基礎となっている統計の基盤であり、わが国でも死因統計、保険請求などに用いられている。

 ICDは医師の行う医療の統計である。漢方を医師の手から引き離すことは、世界の潮流と全く逆の方向に進むものである。


●漢方を医療資源として活用することで効率の良い医療を

 大腸がんの術後大建中湯の使用により、在院日数が軽減される、というデータもあり、術後のクリニカル・パスに入っている病院もある。漢方を利用することで効率の良い医療ができ、結果医療費の削減にもつながる例には事欠かない。

 目先の財源のために漢方を切ることの愚に早く気がついて欲しい。医療用漢方製剤の市場は1000億円である。医薬品費全体の1%強である。しかし医療におけるインパクトは強い。目先の財源確保のために、この国が大きなものを失うような愚は避けるべきである。

 15年前に漢方の保険給付はずしの話が出た時に、日本東洋医学会が国民から集めた署名は150万通である。またそれをやるのかと思うとうんざりするが、何よりも国民に恨みを買うような政策は避けてほしい。

コメント

■函館市長、市事業助成「廃止」を批判 職員向けメルマガで-本当は私たちは、財政ゾンビの手のひらで操られ遊ばされているだけだ!!

こんにちは。事業仕分けいろいろと軋轢を生んでいますね。これが、プラスの軋轢なら良いのですが、どうも実際にはそうでもないようです。こちら函館では、函館市長が事業仕分けのやり方について、「無礼」だとまで言っています。しかし、問題の本質はもっと別のところにあります。おそらく、今回の事業仕分け、私の考えではほとんど効果が出ないと思います。かといって、函館市長が擁護する函館市が推進する事業もうまくはいかないでしょう。多くの人は、本質を見失っています。実は、本丸は、私が財政ゾンビと呼んでいる、似非財政民主主義を信奉する財務省の高級官僚たち、および彼らの構築したインフラ、システムです。これを何とかしない限り、事業仕分けの委員や、函館市長も、結局は、財政ゾンビの手のひらで操られもて遊ばれているだけに等しいです。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

文科省を事業仕分け

文科省官僚が事業を計画したものや事業運営に関わるものは、全て廃止すべきです。極めて不道徳で無責任な人たちであるからです。
文部科学省の仕事は、質の高い教育を提供し、子供達が良い社会生活を送れるようにすることです。ところが、官僚達は、デタラメ政策で子供達の人生を台無しにしました。
大学を天下り機関に変え、世界最低にまで堕落させたのも文科省官僚です。
不登校、退学者20万人、引きこもり、ニート60万人という現実こそ、文科省官僚の無能と腐敗を明らかにしています。文科省こそ、日本社会を衰弱させる癌です。「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)を読むと、すべてが分かります。
腐敗官僚の行う事業は、国民に危険です。
文科省自体を事業仕分けして廃止し、予算削減すべきです。

コメントをありがとうございます。

民主党は、政権を取って、何事かを行なったという実績を作ることに焦っているように思えます。

これから日本が進むべき道、国家の姿を描き、それに基いて、これまでの国家運営の反省を行なうべきなのです。

が、実績作りに焦り、マニフェストに掲げたことに固執する余り、財務官僚に良いようにあしらわれ、このように馬鹿げた政治ショーを繰り広げることになっているような気がします。

大学の評議員でしたか、文部科学省官僚の天下り先になっていることも伝え聞いています。私学のなかにも、文部科学省官僚の天下りを受け入れ、そうした私学の一部がメチャクチャな経営を行なっている例があることも耳にします。

自らの組織の維持・拡大が自己目的化した官僚制度に風穴を開けることを、民主党に期待していましたが、今のところ、期待したものとは逆の方向に向いているように思えてなりません。

長妻軟弱

 民主は自民以上に財務官僚にいいようにあしらわれそうですね。 マニフェストを財務官僚に勝手におシャカにされても文句いえないのではだめでしょう。
 医療崩壊を対岸から見つめていきたいとおもいます。

財務省の天下り先特殊法人で、事業仕分けの対象になったのは、たった一つだけだったそうですね。他の省庁では、形だけは、数十から数百の特殊法人が切られているのに。

民主党は、財務省と協同する、ないし財務省の傘下に入ったということなのでしょうか。

あの滅茶苦茶な事業仕分けが、国民の多くから支持されたそうです。

あの理念も何もない仕分け作業が、何をもたらすのでしょうか。

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