FC2ブログ

「事業仕分け人」の罵声 

学問は、社会の過去現在未来を理解し、それをより良くしようとする営みだ。

学問は、一朝一夕に成り立ち得ないし、それがもたらすものもすぐには見えてこないものだ。

学問を続ける人間には、社会的にさまざまな困難と立ち向かい、研究に集中する精神が必要とされる。そうした研究者に敬意を払い、社会的に支援する体制が必要だ。

ところが・・・

学問を続ける若い研究者に罵声を浴びせかける者が、「事業仕分け人」の中にいた。

この「事業仕分け人」の言葉の背後には、専門家の存在を否定する、ないし軽く見る世の風潮があるのだろうか。

これでは、国の将来はない。


以下、MRICより引用~~~

▽ 若手研究者育成経費削減反対署名運動について ▽

  細田 満和子 ハーバード公衆衛生大学院、博士(社会学)

2009年12月10日 MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
------------------------------------------------------------------------------------

 民主党新政権の行政刷新会議「仕分け事業」は、各方面に大きな波紋を及ぼしており、該当する領域の人々を対抗運動へと駆り立てている。漢方健康保険除外に対しては、日本東洋医学会他4団体連合が反対署名活動を行って厚生労働大臣に提出し、科学技術予算削減に対しては、ノーベル賞受賞らが首相と会談して厳しい批判を行った。

 「仕分け」によって被害をこうむる人々が団結して抗議を行う姿が各分野で見られ、マスコミの報道をにぎわしている。このような状況の中で、あまり目立たないところではあるが、人文社会系の若手研究者たちも、今回の「仕分け」に対して憤りを表明し、反対行動を起こそうとしている。というのも、「仕分け」では、若手研究者支援事業を支える若手研究者育成経費(科学研究費若手S、A、B;特別研究員研究奨励費;学術振興会特別研究員支援)を1/3~1/2に削減するという評価コメントが出されたのである。
 
若手研究者支援事業は理系文系を問わない助成であるが、他にも様々なオプションのある理系とは異なり、文系にとってはほとんど唯一のボスドクの受け皿である。私事になって恐縮であるが、筆者もかつてこの事業の一環の学術振興会特別研究員として助成を受けたことがあり、非常に有益であった。

 ところが「仕分け」の評価者のコメントでは、削減の理由が以下のように書いてある。長くなるがあえて省略せずに抜粋したい。

実社会から逃避して、大学に留まる人をいたずらに増やしてしまう側面も否定できない。」
「ポスドクの生活保護のようなシステムはやめるべき。本人にとっても不幸。(本来なら別の道があ
ったはず)。」
 

これらを看過できない暴言だと感じるのは私だけであろうか。「仕分け」の評価者は、明らかに「社会」の定義を浅薄に解釈しているし、研究者の仕事に対する事実誤認があると思われる。たしかに職に就いていない若手研究者は、生活保護をもらってもおかしくない月収で非常勤講師をしたり、塾でアルバイトをしてやっと生きている状況である。それでも意欲を持ち、学究に励んでいる。そして、そうした彼/彼女らのたった1割弱が、公募の厳しい競争下での審査の結果、研究費を得ているのである。こうした人たちが、やがて日本のアカデミズムを支えていっていると言っても過言ではないだろう。

 「仕分け」の結果この予算が1/3~1/2に減されるということが発表された後、もう学問などやっていても仕方がない、死ねとう言うのか、という絶望的な声があがったという。また、多くの野心的で優秀な若手研究者たちは、たとえ職に就いていたとしても、日本に明るい未来を見いだせないとして、日本を離れることを考えるようになったという。やがては社会に利益をもたらす人たちに投資しないでつぶしていくとは、日本には、いったいどんな未来があるのかと危惧する人たちも多い。

 このような中で、人文社会系の若手研究者、自らが中心になって若手研究者育成経費削減に反対する署名活動を開始した。下記に示すのが、彼/彼女らの署名に関するお願いの文章である。あまり表立っては目立たない人文社会系研究者、その中でも最も立場の弱いポスドクではあるが、日本の将来にとって貴重な知的財産である。多くの人にこの現状を知っていただき、「仕分け」が見直されることを期待したい。

======下記、転送大歓迎==============
★★【緊急】署名に関するお願い

すでに各種報道などを通じてご存知の方も多いと思いますが、11月13日に行われた事業仕分けにおい

若手研究者育成に関する予算が1/3~1/2削減されるとの評価がなされました。

そこで、わたしたち(京都大学大学院文化人類学若手研究者有志)は、上記の評価が
人文・社会学分野存亡の危機をはらんだ、暴力的かつ不適切な判断であると考え、

?抗議活動として関係機関に「要望書」を送付するとともに
http://www.anth.jinkan.kyoto-u.ac.jp/yobosho.htm

?「署名活動」を行うことにいたしました。
http://www.anth.jinkan.kyoto-u.ac.jp/shomeisho.htm

??の内容をご確認の上、もしそれにご賛同いただけるなら、ぜひとも下記のアドレスへ
「氏名・所属・分野」、あるいは「氏名・職業/所属」のご署名をお願い申し上げる次第です。
(若手研究者や院生に限らず、関心を持っている方なら「どなたでも」署名していただいて構いませ
ん。

◆人社「若手研究者」として署名して下さる方はこちらへ(本要望書の当事者となる方)
wakatevoice2009@gmail.com

◆その他「サポーター」として署名して下さる方はこちらへ
supportvoice2009@gmail.com

皆様の署名は、個人情報として厳正に管理するとともに、今回の件が終了次第、
適切に処理させていただくことをお約束いたします。

また、当署名活動に関して何かコメントがございましたら、以下のアドレスにご送付ください
(但し、個々のご質問や疑問に対してこちらから返答を差しあげることは、時間の都合もあり出来か
ねます。
ご了承くださいますよう、お願い申し上げます)。

◆「署名活動」に対するコメント
wakatecomment2009@gmail.com

なお、署名の締め切りは、12月10日(木)いっぱいまでとさせていただきます。署名が集まり次第、
要望書に添えて、政府関連組織へ提出する考えでおります。

◆ 郵送での署名送付を希望される方は、こちらの署名簿をご利用ください(1頁12名署名可)

 *「若手研究者用署名簿(PDF)」
http://www.anth.jinkan.kyoto-u.ac.jp/wakateshomei.pdf
 *「サポーター用署名簿(PDF)」
http://www.anth.jinkan.kyoto-u.ac.jp/supportshomei.pdf

・上記署名簿は、本メールのリンク先?要望書?署名活動のお願い
をプリントアウトされたものと合わせてご利用かつご協力いただければ幸いです。

*郵送宛先(12/9必着): 〒606-8501 京都市左京区吉田本町
     京都大学人文科学研究所 若手研究者有志事務担当 井家晴子


最後に、当署名活動は、人文・社会科学全体を対象としているものです。
以上のメール内容は、すべて転載歓迎です。皆様からの関連諸学会・団体等への呼びかけを通して、
より多くの方々のご署名が寄せられることを切に望んでおります。


京都大学文化人類学分野若手研究者有志

コメント

 国家の計が「10年は一昔」かあるいはそれ以下のスパンで決められる世の中になってきており、世も末でしょう。安近短極まれりです(笑)。先のエントリーにも通底します。
 頭脳流出は半世紀以上続いていますが、これまで以上に流出、この国は消失してしまうのでしょうか?私個人は特定の宗教に肩入れはしませんが、宗教に内在する悠久性に学ぶ時代が再来するのかもしれませんね。

そうですね、優秀な人材が外国に出て行ってしまいますね。若い医師諸君には、海外で雄飛する方も増えることでしょう。英国の医療崩壊と、米国の医療の資本主義化が、日本で同時に進むように思います。

政治には、未来を見据えて政策を立ててもらいたいものですね。

「事業仕分け」で、予算作りの作業が透明化されたとか、官僚の無駄遣いが減るとか、未だにマスコミが言っていますが、この仕分けの仕掛け人は、官僚の中の官僚、「財務省官僚」であることには触れませんね。

マスコミがこの調子では、やはり期待できないのかもしれません・・・。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/1588-724e3092