FC2ブログ

室内楽への憧憬 

大学に入った当初、合唱に入ろうと考えていると姉に言ったら、お前は音痴だから、歌は止めなさい、まだ楽器の方が良いというメチャクチャなアドバイスをくれた。そんなことや、親しくなった友人にオケに入ろうと誘われたことがあり、1年生の秋になってようやくオケに入ったのだった。

トルトゥリエの演奏をテレビでたまたま見たことから、自分の楽器としてチェロを選んだ。人の声に近い音域で、十分に歌う、そして室内楽やオケでは時に旋律線を、さらには対旋律を受け持つ、また和声の基礎を与える、縦横無尽に活躍するその楽器に魅入られてしまったのだ。

いろいろな室内楽を生で聴いた。東京文化会館小ホールでの巖本真理弦楽四重奏団の定期演奏会。しばらく定期的に通った。モーツァルトの20番の弦楽四重奏曲二短調K421や、グリーグのト短調弦楽四重奏曲など今でも眼前に思い起こされる。

お茶の水の小さなお寺のホールで聴いた、ブラームスのクラリネットトリオにも鳥肌の立つような感動を覚えた。そのときの女流チェリスト倉田澄子女史は今でもばりばりの現役で弾いていらっしゃる。チェロの流れるような旋律、美しい。そこはかとない人生への諦観も聴くことができる名曲。

場所は覚えていないが、東大オケの上手い連中が、モーツァルトの弦楽五重奏曲ト短調K516を弾いたのを聴いたのも強い刺激になった。アマチュアでもこんなに弾けるのだ、と曲への感動以外に、室内楽に直接携わってみたいという強い欲求を感じるようになった、一つの機会だった。

そうした思いを胸に抱きつつ一生懸命練習に励んだ。大学の部室のある前の廊下で、何時間と楽器を弾いていたことがかなりあった。夏休みも楽器を弾くために、毎日のように学校に通った。

如何せん腕がなかなか追いつかないのだが、学生時代から上手な方を誑かして、いろいろな曲にチャレンジさせて頂いた。連中には迷惑なことだったろうなぁ・・・。N大学のスタッフをしているバイオリンのM君には、つい最近まで、相手をして頂いていた。また、私の娘が、バイオリンをしばらく学んでいたのだが、同じ師匠について、後に音大に進学されたTさんにも、この数年色々な曲でお相手をお願いしている。

下の写真は、4年前に信州のとあるホールで、ブラームスのピアノ五重奏曲1楽章を演奏した際のもの。ピアノはオケ時代にチェロを弾いていらっしゃった当時Nさん、1stが留学中のドイツから夏休みで帰国なさっていたTさん、2ndはNさんの弟さん、Vaはネットで知り合ったSさん。チェロは、寝不足でぼろぼろの小生。一日中楽器を弾き、酒盛りをしながら話をした3日間。楽しい思い出だ。

20061129221421.jpg


室内楽を演奏するのは、互いの楽器を聴き合い、時に対立し、時に共に歌いあうことが醍醐味。一種の生命の交感といえるかもしれない。ブラームスのピアノトリオ1番(これも難しかった)を、Nさん、Tさんにお願いして弾いて頂いた折、チェロがバイオリンとユニゾンで第一主題を歌いだす1楽章再現部で、Tさんが、さぁ一緒に歌いましょうという風に、す~っと息を吸いこんで誘ってくださった(というか、これは合わせる技術であるわけだが)のがとても印象に残っている。

もう楽器の上達は望むべくもないし、室内楽をする機会も訪れることもないかもしれない。が、もしかしたら何かの機会に大好きなブラームス、フォーレそれにトゥリーナの室内楽をちょっとだけでも弾かせていただけたらという微かな夢を抱いて、毎日仕事場と自宅でギコギコやっている。

コメント

今頃になってつくづく思うのは、音楽に興味を持ち始めた中学生の時に、ギターじゃなくて、ピアノでも、バイオリンでも、チェロでも…何か一つクラシックの楽器を手にすればよかった…という事です。

羨ましいです。

ブラパパさん、ギターだって色々なアンサンブル、室内楽を楽しめるじゃないですか。聴くところによれば、すばらしい声の持ち主とか・・・。それに、ピアノを開始されていらっしゃるし。きっと近いうちに、アンサンブルを楽しみましょう。

上記の私の記事、思いつくままに、思い出をたらたら記したのですが、ちょっと自慢話ぽくなってしまいましたね(反省。私の出している音は、とんでもないのに、私の頭で鳴っている音楽は、イタリア弦楽四重奏団やスメタナ弦楽四重奏団だったりします(笑。ま、アマチュアの強いところは、「自分が楽しめればよい」ということだと居直っています。才能にも、技量にも恵まれず不憫なアマチュアチェリストの思い出話としてお読みください。

本文にだいぶ手を加えました。ブログ上で推敲するんじゃない!という野次が飛んできそう。ま、読者は限られているし、いいか・・・乞ご容赦。

12/9に小澤征爾が振る水戸室内管弦楽団の演奏を聴いてきます。チケットをやっと手に入れました。
室内楽とは少し違いますが、小澤はオケで室内楽のように演奏するのでびっくりします。
私は楽器はだめですが、大学祭に5人編成のルネッサンスの合唱で参加したことがあります。要求されることは、楽器も合唱も似ているように思います。
また、音楽やりたいですが、まだ子どもに時間を取られてしまいます。

おお、水戸室内管弦楽団ですか?場所は本拠地、水戸芸術館ですか?改めて、この団体の構成メンバーを調べて見ましたが、凄いですねぇ。ソリストばっかり!驚きました。某製薬メーカーがバックについているらしいが、それにしても、凄い人材を集めたものです。ただ、各メンバーは、様々なほかの団体のメンバーであったり、大学のスタッフであったりするので、練習を定期的にするというわけには行かないのでしょうね。その辺り、アンサンブルの完成度に影響はないものなのでしょうか?サイトウキネンと同じようなコンセプトなのでしょうかね。お聴きになった感想を是非お聞かせください。小沢さんは健康を害していたと報道されていましたが、回復なさったのでしょうね。

少人数の声楽アンサンブル、時々BSなどでやっていますね。中世の声楽曲、ほとんど知らないのですが、こころ落ち着く感じがします。ソロを張っていらっしゃったとすると、実力の程を伺えます。

私は、この週末、近くの町で、バロックを弾き流すオフ会に参加します。バッハのドッペルコンツェルト等を弾いて参ります。

その次の週末、NZARTのIARU RegIIIの理事をしているZL2AZが東京に来るので会いたいとメールで言ってきました。さて、どうするかな・・・この忙しさ、やはり無理だろうか・・・すいません、ほとんど独り言で。

最近疲れているな~と思っていたら、休養を取った小澤征爾。9月に松本へ行き、サイトウキネンを聞いてきたのですが、その時はすっかり元気になっていましたよ。
たしかに水戸室内のメンバーはそうそうたるものです。しかし、練習回数は少ないのではないでしょうか。ただ、去年の夏聴いた感じでは、すごくおもしろかったので、アンサンブルはよかったと思います。練習回数を別のものが補っているのでしょうね。

バッハのドッペルコンツェルトというのがあるのですか。バッハのモテット1番はドッペルコアーで、2つの合唱の掛け合いのような形式です。合唱も合奏も根っこは同じなのでしょうね。

水戸からShinさんのところは近くだな~と思いましたが、オフ会があるようですね。楽しんできて下さい。

サイトウキネンも聴かれたのですか。しばらく前に、マタイを彼等が演奏したのを、テレビで見た位です。やはり、自由な時間がおありになる方は羨ましい。私も、夏にばっと長い休みを作って、聴きに行こうかと思いました。小澤さんが元気になっておられた由、何よりです。ここに掲載した写真に写っているピアニストも、サイトウキネンの合唱団に関係している方なのです・・・もう辞めてしまったかな。

最近、BSのクラシック番組を録画しまくっています。演奏会に行けないものですから。若杉や、外山等往年の指揮者が、好々爺になっていること、学生時代、彼等が壮年世代でがんばっていたころから、時間が経ったことを感じます。

水戸にいらっしゃるのですか。私は、帰宅が夜遅くになりそうで、お会いできず残念です。またの機会に寄ってくださいね。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/16-11584f5c