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地域医療貢献加算=10円 

昨日、診療所の再診料が引き下げられるのと引き換えに、「地域貢献加算」という診療報酬が新たに付け加えられた。24時間、365時間救急患者に対応すれば、再診料に1点(10円)を付け加えることができる、ということだ。小児科は、夜間救急の半数を占める。24時間、365日、救急対応をするのは、如何に体力があろうとも無理な話だ。日中にも通常業務がある。

この加算を考え出した官僚は、電話を受けるくらいはできるのではないかと考えたのかもしれない。が、夜間救急が多い小児科では、これが制度化されると、きっと2,3時間おきに起されることになる。さらに、電話で救急の相談を受けると、そのケースに対して、医師としての責任が生じる。それに対する対価が、再診料へ10円の上乗せである。このコストの多寡そのものは、経営の実際上あまり重要ではない。しかし、再診料を引き下げておいて、官僚の意図する「地域医療の充実」のために、これだけの医療費で開業医を動かそうという、彼らの「浅ましさ」に気分が悪くなる。

私は、開業以来、患者さんの急変には、できるだけ対応してきた。現在も、毎日午後10時まで、患者さんに教えた番号の携帯をオフにすることはない。休日も、原則午前中だけだが、午後・夜間も携帯に連絡が入ると、診に出かけることが多かった。休日は、一日に二回程度仕事場にでかけることも稀ではない。365日、同じようにしてきた。これは、経営のためでもある(といっても、実質の一人当たりの実質的な収入はせいぜい千円数百円程度)が、基本的には、自分が診ている患者さんをできるだけ自分でフォローしたいという気持ちで行なってきた。これが私なりの地域医療への貢献の積りだった。

今回の「地域医療貢献加算」の策定は、こうした市中の小児科開業医、救急に積極的な開業医の地域医療に貢献しようという意欲を殺ぐのに十分である。私は、時間外の救急診療を原則的に止めようと思っている。官僚が、開業医をこのように使おうとすることに同意ができないのである。患者さんには申し訳ないことだが、官僚は、地域医療を再生させ、維持しようとは考えていないことを、分かっていただく必要がある。

一昨年、国家公務員給与が、実質2%程度アップされている。単純計算では、それは恐らく6000億円の人件費増に値する。さらに、昨年秋に行なわれた「事業仕分け」では、特殊法人への切り込みが殆どなされていない。新たに指名された枝野行政刷新担当大臣は、次回の事業仕分けで、そこにも切り込むと言っているが、今までのところ、民主党政権は、官僚に依存しきっている。もし依存していないのであれば、最初の「事業仕分け」で財務省の描くシナリオに沿ったものにする等考えられぬ。国家公務員給与そのものに何故切り込めないのか。それは、官僚に依存しているからだ。

官僚は、地域医療が荒廃するのは仕方がないと踏んでいる。その事実を改めて見せ付けられた出来事だ。それを、患者さん方にも伝えて行こう。

コメント

疲れる

出来る範囲のボランティアでやるのと、強制的な義務付けでやるのでは条件が全く違います。これは医師側からもそうであり、患者側からでもそうです。

これまでは時間外に相談に乗ってくれて感謝だったのが、こういう制度で免罪符を得れば、電話に出て当然に意識が急速に変わります。料金を払っているので、電話をするのは権利の姿勢に速やかになります。

しんどい時代です。

仰る通りです。

地域医療貢献加算があるのだから、夜何時でも電話に出ろ、何時でも診るのが当然だとなりますね。

こうした診療報酬は受け取らない。従って、原則救急対応はしない、という立場もありでしょう。

今回の改訂は、真面目に小児医療・救急医療をしている診療所医師を打ちのめすにの十分な内容です。

3点だそうで

簡単な試算ですが、再診患者が週に100人なら3000円、300人でも9000円です。もっと多い診療所もありますが、そういう所は無関係と思います。

1週間は168時間、このうち診療時間を30時間とすれば残りは138時間、これをカバーする代償になります。

9000円でも時給にして65円22銭になります。これだけの費用で無制限オンコールとは、たいした発想です。よほど3点が惜しいと見えます。

すると、現在の再診料に1点だけ上乗せということになりますか。

その時間給で、無制限365日オンコールとは一体何を考えているのでしょうか。オンコールも労働の一形態ですから、額の多寡は置いておくにしても、このような体制は、明らかに労基法違反ですね・・・自営だから適用しないとは言わせません。

再診料の引き下げと取引で、夜間救急医療への加算の問題を持ち出している点が、何としても受け入れられません。本来、全く別なことのはずです。これを受け入れたら、官僚の思うとおり、何でもありになってしまいます。

それに、Yosyanさんの仰るとおり、こうした加算が生まれることにより、それを算定しなくても、夜間際限なく救急対応するのが当然という世論が生まれる可能性がありますね。

開業医が過労死するまで、このように無茶苦茶な行政を推し進める積りなのでしょうか。

ひどいですね

1点の加算で24時間対応、医師の間では後世まで語り継がれるかもしれません。時間外や休日であっても、診療のもとめに応じてきた先生方は少なくなく、その先生方に向かって、再診料は減らしたが代りに1点加算しておくからといわんばかりの対応です。

24時間対応を強制することはできないと思いますので、届出を出した医療機関のみの算定になるのでしょうか。

うちは届出を出していないから、時間外に対応しないのは当然とする先生はあまりいないとは思いますが。マイナス面ばかりが懸念される算定です。届けを出して、時間外の診療を行う医療機関が増えるとも思えず、国民、医師政府、誰もトクすることは無いような気がします。

中学生でも10Wのリグで海外とQSOできたCWは、私も好きです。長らくQRTしています。

その通りですね。正に改悪です。

足立信也政務官のご発想なのでしょうか。

最初、この決定を聞いた時には、かなりカッカしましたが、もうこうした馬鹿げた行政には慣れてしまいました。私の仕事が必要ないと言われるのであれば、とっととリタイアするのみです。ただ、後に続く若い医師達のために、行政には言いたいことは言ってゆきたいと思います。

行政は、10円や30円の加算、時間給数十円の加算で、開業医を毎日24時間労働させられると踏んでいるのでしょうね。愚かなことです。

お仕事に余裕が出来たら、無線にもカムバックなさってください。折しも、ハイバンドのCONDXが大いに良くなってきました。

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