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長妻さん、貴方には勤まらない・・・ 

長妻厚生労働大臣が、日本医療政策機構で講演、今回の診療報酬改訂を急性期医療に手厚くし、医療の危機に対応できたと総括した。その上で、今後の医療政策の検討課題として下記六点挙げたらしい。

(1)診療報酬の決定方法と体系のあり方
(2)医師の診療科別、地域別の計画配置の是非
(3)後期高齢者医療制度の見直しのあり方
(4)国として、医療機関の利用者満足度指標を作る是非
(5)成長戦略としての医療のあり方
(6)明細書の発行などを通じた、社会保障の給付と負担の明確化

これらは、医療を受ける患者の立場にたって議論しているかのように読める。患者が、医療の主役と言うことができるが、それはきれいごとでしかない。医療は、需要の側である患者と、供給者である医療者の両者が揃い、かつ国と支払い保険者が医療を財政的に支えることで成立する。特に医療行政を指導する、厚生労働大臣が、どちらか一方の立場にだけ立って医療行政を進めるとしたら、それは医療を破綻させる。

そもそも、医療の危機は、医療の需要サイドの問題であるよりも、低コスト下で需要に応えきれなくなった供給サイドの破綻の問題である。供給サイドの視点を持たない医療行政は、必ず破綻する。

長妻氏の講演内容をざっと読んだが、薬価差益があるから、それに保険での薬価を連動させる必要があるとか、薬漬け・検査漬け医療があるといったことを、この方は堂々と述べている。

大多数の医療機関は、既に院外薬局になっている。薬価差益はあったとしても、消費税分程度だ。薬価差益があまりに低くて、消費税分を考えると、医療機関の持ち出しになることもある。使用期限切れの薬剤が生じることを考えると、医療機関にとっては、薬剤で損はすることはあっても、何も利益は生まない。また、薬漬け・検査漬け医療は、例外的な医療機関を除いて、ありうべからざることであり、行われることはない。

さらに、一人当たりの診療報酬が平均を逸脱するということだけで、地方厚生局の厳しい個別指導・監査の対象にされ、診療報酬の返還を求められる。医学的には納得しがたいことでも、地方厚生局は、重箱の隅をつつくように難癖をつけてくるらしい。

マスコミ、それも一昔前のマスコミの報道を鵜呑みにしたかのような、厚生労働大臣のこうした発言は、現実を知らないか、または現実を故意に無視し世論に迎合しようとするものだ。彼のこれまでの医療に関する発言を考えると、現実を知らないところに、官僚からのレクチャーを受けて、それを丸呑みしている可能性が高いように思える。

上記六つの論点も、患者のためとの建前だが、官僚が自らの権勢を伸ばし、そこに権益を確保しようとしている姿が垣間見える。

医師の強制配置は、官僚がマスコミを用いて盛んに喧伝していたことで、医師の人権・就業の自由を奪う由々しい問題だ。この医師の配置権は、官僚にとってぜひとも手に入れたい権益なのだろう。大体において、地方の衰退を招いた者が、この地域僻地医療の崩壊の責任を取るべきなのだ。医師にその責任はない。

医療機関の満足度調査をして一体どうするのだろうか。そもそも生命を守るために、限られたインフラと人員で格闘している医療機関を、恰もサービス産業であるかのように、満足度を調査するとは一体どうした神経をしているのだろうか。勤務医の待遇改善のために導入が中医協で一旦決められたタイムカード導入も、いつの間にか立ち消えになったらしい。医療従事者の満足度、特に、医療行政への満足度をこそ調べるべきなのではないか。医療機関満足度調査をする特殊法人なり、行政の部局を新設し、そこに官僚がポストを得ることを考えているのだろうか。また、講演では、今回のごく僅かな診療報酬増額を自画自賛している。民主党のマニフェストにある、OECD平均並みの医療費には程遠いのにだ。その一方、医師数だけは、OECD平均に増やすと明言している。これは、医師の待遇劣化を行うと宣言しているに等しい。この点からも、医師の医療行政への満足度調査を是非してもらいたいものだ。

成長戦略としての医療は、長妻氏がこの講演を行った、日本医療政策機構が度々取り上げていることがらだ。長妻氏も同機構に歩調を合わせた積りなのかもしれない。この機構は、主に、保険資本・製薬資本の出資で作られた民間組織であり、様々な医療政策を提言している。その提言の基本基調は、成長戦略として医療を考えるということだ。結局は、医療を資本の利益追求の場にしようとする連中だ。

この長妻氏の問題提起は、結局、患者の立場に立つような体裁をとりながら、官僚と製薬・保険大企業の利権を実現しようとする意図のもとに行われたと考えるべきだ。

で、結論。長妻氏が厚生労働大臣を務める限り、医療はさらに崩壊の過程を進む


コメント

賛成です。

今回の長妻大臣のセリフを聞いて、まったく同じ感想を持ちました。長妻さんは、医療行政を取り仕切るにはあまりにも無知で無力です。大臣の資格がないので辞任してほしい。医療提供側の気持ちは、とことん理解できない方なのでしょうね。

こんな話も

Dr.Pooh様のところで拾ったのですが、
http://megalodon.jp/2010-0216-0148-38/www.asahi.com/politics/update/0215/TKY201002140306.html

詳しくはリンク先を読んで頂きたいのですが、二択のアンケートを取っての政策決定を考えておられるようです。もう、なにおか言わんの状態のように考えています。

無知であるのと、官僚に懐柔されてしまうのでしょうね。持ちあげられて、良いように動かされています。

前大臣みたいに、権力志向旺盛すぎる人物も私は好きにはなれませんが、なにしろ、現場を見ろと言いたいです。医系技官自体が現場を知らない、見ない、無視するということを身上としているから、無理なのでしょうか。

二者択一ですか・・・テレビっ子なのでしょうか、この方。二者択一だったら、それこそ簡単に官僚の意図するところに誘導出来ますね。

国民に選択させるという体裁をとって、官僚の思うがままに政策を生み出す・・・う~ん、良くなりっこないな・・・。

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