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Brahms Clarinet Trio A Minor OP114 

Youtube の画像をペタペタし始めるのは、ネタ切れ・エネルギー枯渇の証拠でもあるのだろうが・・・もしよろしければ、また他愛も無い感想・思い出話としてお読みいただきたい。

この曲を生で聴いたのは一度だけ。このブログを書き始めたころに一度だけ触れたことがあるのだが・・・、1970年代、上野近辺のお寺のホールでの演奏だった。ごく普通のホールに、パイプ椅子が数十並べられた簡素な会場。季節までは思い出せないのだが、比較的強い夕陽が会場に差し込んでいた。専門課程の勉強が始まった頃だったろうか。恐らく週末の午後、一人で歩いて聴きに出かけたのだった。チェロは、かの倉田澄子女史。1楽章冒頭のチェロの旋律、この曲全体が人生の寂寞感を訴えるものであることを指し示す。音楽が情動を介して記憶に強く働きかけることを改めて感じる。会場に差し込む夕陽、各奏者の動きが、この曲を聴くたびに目の前にまざまざと蘇る。

で、このYoutubeで見つけた映像。惜しむらくは、家庭用ビデオでの録画らしく、音質・画質ともに良くは無いのだが、この演奏は、私にとっては、最良の部類に属する。

1楽章冒頭のチェロ。柔らかい音色で、呟く。ここは、協奏曲の主題提示のように弾いては興ざめになる・・・そうした演奏をするチェリストも多い。だが、ここで必要なのは独白を静かに呟くことだ。旋律のなかで一番高いAの音もフラジオレットではなく、しっかり押さえてビブラートをかけている。ゆっくりめのテンポを旋律の最後まで維持するのも好ましい。

チェロの旋律を受けて、ビオラが歌い継ぐ。本来は、クラリネットで演奏されるのだが、クラリネット本来の空虚な響きが、この曲の暗さを強調し過すぎてしまうような印象がある。クラリネットに代って、ここで登場するビオラが、はっとするほど切なく甘い。勿論、節度を保った甘さなのだが、曲想からくる暗さと対照的にほっとするような明るさを聴く思いがする。再現部直前のビオラの走句では、微妙なritをかけて、聴くものの心を揺り動かす。

実は、このアンサンブルで最も感心したのが、ピアニスト。他の楽器に目を配り、耳を傾け、それらに寄り添うように、素晴らしい演奏をしている。旋律の受け渡しをするところのリズムの揺れ等、絶品だ。音色も、柔らかく、目立たないが、それでいてブラームスらしい骨のある音をしている。このピアニストにはブラヴォを送りたい。

Youtubeには、こうした名の知れぬ素晴らしい演奏者(私が知らないだけ?)の演奏が沢山ある・・・。


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