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Aus Liebe will mein Heiland sterben 

ピアノを弾く姪の結婚祝いに、ショパンの全作品集と一緒にバッハのマタイ受難曲のCDを贈った。結婚祝いに受難曲とはどうかなとも思ったのだが、全ての音楽のなかで一、二を争う優れた、深い内容の音楽だから、一生付き合う音楽としてよいのではないかと思ったのだ・・・音楽や、書物を贈る場合、自分の趣味の押し売りになりがちであることに十分注意なければならないのだが・・・。

すると、彼女の母にあたる姉からメールがあり、良い贈り物だったと言って寄越した・・・姪本人の反応はまだ。姉は、父の葬儀の際のエピソードについて改めて触れた。納棺の際に、マタイ受難曲をかけたのだったが、納棺が終わると同時に、終曲の荘厳な最後の和声が鳴り響いた・・・それは意図したことではなかった・・・というエピソード。既に、このブログでも紹介したことだ。我々家族にとっては、忘れ難いエピソードなのだ。姉によると、姪も喜んでくれた由。

マタイ受難曲の演奏を生で聴いたことが、数回あるが、どれも忘れ難いものばかりだ。学生時代に東京女子大のチャペルで聴いた演奏もそうしたものの一つ。その際のソプラノが、このYoutubeの演奏で表題のアリアを歌うArleen Augerだった。美しく透明な歌声が忘れられない。この演奏は、1985年、ロイヤルコンセルトへボウ管弦楽団、アルノンクールの指揮によるもの。少し残響が大きすぎのようにも思えるが、それでもAugerの澄み切ったソプラノには改めて魅せられる。

この曲は、イエスが、ピラトの審問を経て、十字架に掛けられることが決まったときに歌われるもので、贖罪の信仰を美しく歌い上げている。受難曲全体を聴くべきだが、一つ一つのアリア・コーラス・レシタティーボすべてが傑作だ。

リヒターの演奏とともに昔から良く聴いてきた、リリング・シュトットガルトバッハアンサンブルの演奏のソプラノを改めて確認したら、同じAugerであった。1990年代に亡くなるまで、Augerは受難曲を得意演目にしていたようだ。

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