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薬にはならないが、毒にはなりうる 

市販の小児用かぜ薬OTC薬の使用について、厚生労働省から下記のような文書が出ていた。

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/4a52160a800eea3e492575b400212e05/$FILE/20090512_1shiryou2-5~6.pdf

米国等で、上記薬の4から6歳未満の小児への投与をしないようにされたことを受けて、わが国での同薬の副作用を検討したもの。米国等外国の動きで漸く動き出す行政は、国民の方を向いているのか、外を向いているのか・・・。検討の結果に目を向けよう。

結果、わが国では、2歳未満の小児への投与は、「やむをえない場合のみ」投与するという勧告になったようだ。「やむをえない場合」とは、医師の診察を受けられぬ場合ということらしいが、あまりに漠然とした内容だ。

わが国で、同薬による副作用が少ないのは、米国の同系統薬に比べて、濃度が1/10であるためかもしれないとコメントがついている。

私も、一つ二つのOTC薬の成分・濃度をチェックしたことがあるが、年齢相当の投与量の数分の一という量しか入っておらず、何らかの効果を期待することは殆どできないものという印象だった。

であるから、こうした薬品が、殆ど薬にならないということは言えそうだ。製薬会社としては、自然経過で治癒する風邪症候群に対して、あえて副作用のリスクのある薬品を商品として売り出す必要はない、各成分を有効量をはるかに下回る量しか含まぬ製剤であっても、副作用がなければ(その可能性が低ければ)、自然治癒を恰も効いたかのように思ってもらえるだろう、という発想なのだろう。

で、毒でもないとは必ずしも言えない。薬品の副作用の有無は、個体差がある。少量の薬でも強い作用が現れることが、少数例でありうるのだ。OTC薬の成分一覧(ここ、ただし、その説明文にはおかしな点がある。)を見ると、小児医療現場ではまず用いられぬコデインといった麻薬系の中枢性鎮咳薬、または非麻薬系の中枢性鎮咳薬が例外なく含められている。中枢性鎮咳薬を小児科領域で用いることはまずない。さらに、コデインに習慣性があることから、コデインを含むOTC薬の販売について、厚生労働省自身が最近改めて注意喚起している。ここ。また、抗ヒスタミン剤も例外なく含まれている。抗ヒスタミン剤は、中枢神経系の痙攣閾値を下げる、即ち、痙攣を起き易くする薬剤であり、小児科領域では、痙攣の生じやすい熱発時にはまず用いられなくなってきている。こうした成分が、重篤な副作用を生じないとは、決して言えない。

風邪といっても様々な原因があり、また他の疾患であることもある。また、風邪は他の疾患に変化し重篤化することもある。発熱を生じたからといって、慌ててこんないい加減な「風邪薬」のOTC薬をのませたりせず、とりあえずは、水分を与え安静にさせ様子をきめ細やかに観察する、嘔吐、激しい咳等悪化する兆候があれば、医療機関を受診させるということが大切だ。

コメント

印刷して子持ちの人達に読ませました。

是非小児を持つ親御さん達に読ませたい記事ですね。
早速うちの職員にも印刷して読ませました。
結構市販の風邪薬を買って子供に飲ませているようで、興味を持って見てくれました。

毒にも薬にもならないならまだしも、
効き目はないのに毒になる可能性だけがある薬を、
人気キャラクターや広告で惹きつけて売っている製薬会社は、
ただ売れて儲かればよいと考えているのでしょうか。
マスメディアは広告主である会社の不利な情報を一切報じませんから、
一般大衆はまんまとだまされてしまうのですね。

「風邪薬」という呼称自体が、誇大広告の可能性がありますね。風邪そのものには、インフルエンザ等例外を除いて、特効薬はないのですから。

以前、市販の風邪薬の成分・各成分の量を見て、ははん、これは副作用が出ないことだけを目的にしていると思った次第です。

でも、これから、医療は自己負担がどんどん増えるでしょうから、こうした市販薬を藁をもすがる思いで買って飲ませる親御さんが増えるのでしょうね。

もう一つ、「ヒエピタ」と称する、「熱さまし」も誇大広告だと思います。あのような小さな物体で、身体の熱が吸収されるわけはなく、短時間ひやりとした感触が得られるのみの物品です。乳児に使って、口・鼻を覆うようになってしまい、窒息しかかったという話も聞きます。安全性にも問題があります。お母さん方、あれを良く使うのですよね。理科の素養があれば、あのようなものが無効であることはすぐに分かると思うのですが・・・広告の効果なのでしょうか・・・。

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