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期限切れ保険証による受診 

今日、外来をしていて、嫌な事件があった。被用者保険の家族であるはずの患者さんが、実は昨年夏から無保険だったというのだ。受付の事務員が、気まずそうな顔をしながら、診察中の私に、それを報告に来た。喘息で定期的にかかっていた患者さんなので、不払いの額はかなりに上る。その親御さんは、この夏から再び同じ保険に入る由・・・一体何があったのだろう。

その患者さんの親御さんは、私が間接的にだが個人的に存じ上げている方だった。その保険証は使えぬこと、使えぬようになった時点で事業所に返還すべきことを申し上げた。また、事業所にも、彼のような立場の方が保険から脱退したら、必ず保険証を返還させてもらいたいと強く申し入れた。

企業組合が保険者である被用者保険の保険証には、有効期限の記載がない。なので、事務で月に一度の保険証チェックをしても、こうした問題は防げない。使えぬ保険証で容易に受診できてしまう、いわば詐欺に近い行為に巻き込まれたことと、それを行なった方が存じ上げている方だったことにショックを受けた。

我が弱小診療所では、収入の減は厳しく、ピーク時の4割程減っている。内部留保も減り続けている。こうした状態で、このような行為が頻繁に行なわれると、仕事がとてもし難くなってしまう。すぐ潰れるということはないのだが、診療の透明化を求められ、さらに診療報酬はじわじわと引き下げられている状況で、こうした行為が行なわれるシステム上の問題は、痛い。

診療報酬明細書並の明細書を患者さんに発行することが義務付けられ、今月からそれを始めたところだ。明細書発行によって、医療機関の「不正」を見抜けるようにしようということらしい。しかし、あの煩雑な明細書をみて一体何が分かると言うのだろうか。まずは分かり易い診療報酬体系にすることが先ではないか。この明細書発行は、普通の医療機関では、患者さんにとってほとんど意味がない。実際のところ、不要だと言って、発行を求めない患者さん・そのご家族が多いと、受付の事務員が言っていた。それにしても、このように無意味な作業を強いられる一方で、今回のような問題の余波を容易に受けるシステムはどこかおかしい。

こんなことを書くと語弊があるかもしれないが、患者さんと行政は性善説、医療機関は性悪説ということなのだろうか・・・仕事がし難い・・・。

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