医療費の伸びは専ら薬剤費の伸び 

保険医団体連合会が2001年から2008年にかけての医療費の変化を、実証的に調べた。その結果、7年間に入院外医療費は2.44兆円増加しているが、その大半は薬剤費の増加(1.28兆円)によって占められ、透析と調剤薬局技術料の伸びを除くと、医科本体の入院外医療費の伸びは僅か0.07兆円に過ぎない、ということが分かったらしい。データはこちら

これは、実際に診療していて実感するところと一致する。外来診療での実際の感覚は、医療費の伸びが、薬剤費の伸びだ、ということだ。

厚生労働省の公表するデータは、今回保険医団体連合会の出したデータと異なる。何故、実態と乖離したデータを、厚生労働省当局は作り上げているのか。

「新薬創生加算」という加算が、今年4月の診療報酬改訂で作られた。新薬を作るために「莫大な開発費」が必要だから、重要な新薬の薬価を守ろうという施策だ。あからさまな製薬企業への利益誘導策である。リーマンショック前までの10年間、大手製薬企業は、空前の好決算を計上してきたのに、である。

結局、厚生労働省は、製薬企業へ更なる利益を誘導させることを行なってきたし、これからも新薬創生といった瞑目で、利益誘導を行なうということなのだろう。できれば、表ざたにならないように、そうしたいと考えたに違いない。それが、今回の保険医団体連合会の調査で白日の下に晒されたということだ。

この利益誘導は、一つは、米国からの構造改革要望書に基くものなのかもしれない。また、官僚は、製薬企業への天下りポジションを確保し、さらに増やすことを目指しているに違いない。

米国では、国民の間で薬剤費への関心が高い。薬剤は、自費で購入することになっているからだ。日本では、一応健康保険が、今のところ薬剤費の大半をカバーしているから、薬剤費の高騰に国民の目はむかない。しかし、財務省は、明らかに米国流の医療制度導入を目指している。この数年の間に、国民の間に薬剤費についての関心が今よりも深まるだろう・・・しかし、その時点では、もう遅いのだが・・・。

コメント

ほーお、やはりそうですか。ジェネリックは中小企業が多くて、品質もいまいちなのでなかなか薬代は下がりません。外国のジェネリックは駄目なんでしょうかね。

日本の薬価は、米国のそれを基準に決められるらしく、世界標準からすると高めのようですね。ジェネリックも玉石混交で、ジェネリックばかりにするのは憚られますね。

製薬企業の新薬開発は、賭けの要素も大きく、経営的にリスクを負うことになります。が、それにしても、「画期的な新薬」ではなく、既存の薬に多少の変更を加えただけの「新薬」を開発することにばかり、製薬企業は金を回しているようです。

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