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CW受信とワーキングメモリー 

榊原洋一著「アスペルガー症候群と学習障害」を読み進めている。上記疾患の入門書・啓蒙書の類なのだが、この中に、興味深い知見が記されていた。専門家にとっては、分かりきったことなのかもしれないが・・・。

人が何事かを意識的に行う場合の精神機能の局在が、大脳上で分かったということだ。右前頭前野に局在する、ワーキングメモリーという機能だ。これは、生理学で言うexplicit memoryとほぼ同義なのかもしれない。

ワーキングメモリーとは、現在行っている行動に関係した精神的な作業の手順と、それに関連した参照記憶をとどめておく場所のことらしい。コンピューターのRAMに相当するとも言える。

ワーキングメモリーの機能をまとめると・・・

1 いまやっていることを意識に留めておく
2 いまやっていることを続けて行う
3 順を追って行う作業の模倣
4 いまやっていることを過去の記憶と比較する
5 これからやることを過去の記憶と比較する
6 少し先まで推測する
7 現在の自分の状態を省察する・・・内なる自分に対応する
8 時間経過の意識
9 一定のルールに従った作業の遂行・・・これはコンピューターのソフトウェアに相当する
10 個々の作業の前後関係の調節

ワーキングメモリーには、直近の記憶と、現在行っている行動を遂行するためのに必要な作業手順がある、と言えるらしい。また、この作業の場で活躍する知能も、幾つかに分類されて、各知能は特定の神経組織(モジュール)と対応すると仮定されている。

この説明を読んで私が何を思い出したのか・・・そう、CWの暗記受信における一連のプロセスだ。時間の流れの中で、過去・現在・未来を行き来しながら、意味を理解し続ける一連の作業も、このワーキングメモリー上で行われるに違いない。そして、言語・論理といった知能が、ワーキングメモリー上で動くことになるのだろう。

CWという最も単純な情報が、大脳のなかでどのように処理をされ、さらに理解されるのか、CWを愉しむ者としての関心だけでなく、認識論的な興味も湧いてくる。実際、CW受信が、読むことに関連するという知見が過去に報告されていることを、ここでも記した。今後は、CW訓練・CW受信過程で、どの大脳部位が活性化されるのかが分かるようになってくるだろう。そうした文献も紹介して行きたい。

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