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朝日新聞がんワクチン記事の意図 

朝日新聞が、何故事実を捻じ曲げてまで、東大医科研のがんワクチン臨床試験を攻撃したのか、何となく理解できた。

臨床試験すべてを、薬事法の監視下に置き、その監視体制、即ち厚生労働省官僚の権益を拡大しようということらしい。

臨床試験には、二種類あって、国際的に通用する(というか、米国主導の治験のグローバル化に乗せられる)基準GCPに則った臨床試験(治験)と、その前段階のものとがある。新薬・新たな治療法の開発には、現実問題として、GCPによって規定される臨床試験(治験)は馴染まない。この辺の整理は、Yosyanさんのブログ11月13日の記事に詳しい。ここ

治験ではない臨床試験である、医科研で行なわれたがんワクチンの臨床研究で、「有害事象」が生じたと聞きつけた朝日新聞の記者は、小躍りしたに違いない。これを元に、治験ではない臨床試験を攻撃できると踏んだのだ。で、そのシナリオに沿って、事実を捻じ曲げ、記事を仕立て上げたというのが、実情らしい。

臨床試験・治験の問題は置いておく(これにも米国の主導するグローバリズムの問題が色濃く存在する)として、自らのシナリオに沿うように事実を捻じ曲げた朝日新聞の報道姿勢は厳しく糾弾されるべきだ。彼等のシナリオが、厚生労働省官僚の意図を体現したものだとすれば、官僚も同罪だ。

以下、少し長いのだが、朝日新聞のオピニオン記事が医科研・医療界・患者団体への反論の体をなしていないことを、国立がんセンターの中面哲也氏が一つ一つ明らかにしている。


以下、MRICより引用~~~

福島雅典氏と朝日新聞は治験でない臨床試験はやめろと言いたいのか

中面哲也
国立がん研究センター東病院 臨床開発センターがん治療開発部機能再生室
室長 医学博士 中面哲也

2010年11月13日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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 事実誤認・歪曲やねつ造を問われている朝日新聞は、先端医療振興財団 臨床研究情報センター長 福島雅典氏に、東京本社科学医療エディター 大牟田透氏がインタビューする形で、臨床試験の安全性を問うと称してオピニオン面に記事を掲載した。

 学会や患者団体から抗議を受け、臨床研究ネットワークからねつ造疑惑を指摘されているにもかかわらず、それに答えることなく、自社の主張を福島氏に代弁させる形で掲載した。そこに述べられているコメントからは、残念ながら、がんワクチン治療に対する世界の動きや米国FDA(医薬食品局)から公表されている「治療用ワクチンガイダンス」の内容、あるいは日本で行われている臨床試験の実態をどこまで理解しているのだろうかと疑念を抱かざるを得ない。

 以下、大牟田氏のインタビューに対する福島氏のコメントに一つ一つ反論する。

【記事】
-日本では薬の製造販売承認申請のデータ収集を目的とした臨床試験(治験)とそれ以外の臨床試験に対する規制が異なり、いわば二重基準になっています。
「そうです。ただし、後者は国際的に通用しません。治験は薬の品質や安全性、有効性を規制する薬事法と、それに基づくGCP(医薬品の臨床試験の実施基準=厚生労働省令)で国への届け出を義務づけるなど国際ルールに基づいて管理しています。しかし、それ以外の臨床試験は法律に基づかない『臨床研究に関する倫理指針』で対応しているため、事実上野放しの状態です。その結果、国際競争に耐えられないのです。」

○ 臨床試験は医師法に基づいて行われているものであり、「法律に基づかない野放し状態」という発言は、現場の医師の努力を踏みにじるそれこそ「野放しの」放言と言わざるをえません。薬事法に基づかない臨床試験から薬事承認に向けた治験に発展した例もあります。本当に、『臨床研究に関する倫理指針』で対応しているため国際競争に耐えられないのでしょうか?現在、日本が国際競争で負けているのは臨床試験が「野放しの状態」だからではなく、別の構造的な問題があるためではないでしょうか?

【記事】
-どのような不利益があるのですか。
「薬事法に基づかない臨床試験のデータは薬事承認申請に使えないので、一から治験をしなければならない。そのうち特許(20年)が切れてしまいます。製薬会社の手で最終的に製品化してもらおうと思っても、市場に出る時点で5年以内に特許が切れるような薬に企業は手を出しません。薬事法に基づかない臨床試験をするから開発が遅れるのです。ところが日本の研究者の中には、面倒な規則のせいだと考える人がいます。そんな人は臨床試験の土俵に上がる資格はないのです。」

○ 薬事法に基づかない臨床試験が開発を遅らせるという見解は本当に正しいのでしょうか?新規の作用機序をもつ薬剤の開発には研究が重要です。どのような特徴をもつのか、評価基準はどのようなものがよいのか、薬事法治験を実施する前の探索的段階の研究は、迅速に開発を進める上でも本当に有効な薬剤・治療法を見出すという意味でも非常に有用な手法です。それらを全部治験という形でやりなさいということになると多くの課題(費用は誰が出すのか、人手は十分にいるのか、審査体制は充実しているのか)を解決しなければなりません。この問題を無視して「すべてを治験に」と主張するのは、あまりにも実態からかい離した意見ではないのでしょうか?
 「薬事法に基づかない臨床試験をするから開発が遅れるのです。」というのは、最初からこれは明らかに有効で必ず承認されるとわかっていれば成り立つ発想です。通常効くか効かないかは臨床試験をやってみないとわからないことが多く、薬事法に基づかない様々な臨床試験によって有望である可能性が出てきた時点で治験をやり直しても決して遅くないと考えます。それよりも今の日本の体制で、全部治験ではない臨床試験はだめとなれば、新規薬剤や治療法の開発はそれこそストップしてしまうでしょう。
 臨床試験の土俵で行司を務めたり解説をしたりするお立場の福島先生には、規制を強めさえすればいいというお考えではなく、もっと新薬開発の本当の現場、問題点を認識した上で現状が改善するための意見を述べていただきたいと切に希望いたします。

【記事】
-なぜでしょうか。
「国際的に合意されている臨床試験ルールに従わないことを野球に例えれば、『審判無しでやろう』『三塁と本塁の距離を短くすればやりやすくなる』と言っているのと同じです。もし野球で日本がそんなことをしてきたら、イチローのように国際舞台で活躍できる選手が輩出しなかったはずです」

○ 新薬開発を野球にたとえて、ルールを変えることと同じ、というのはかなり乱暴な意見です。しかし、あえて野球に例えるとすれば、打撃フォームや投球フォームを型にはめて選手を育成することによって、選手を潰してしまうことだってありえます。それぞれの薬剤の特性を理解し、それを生かした臨床試験を行うべく、現場の医師たちは必死に努力を続けています。多種多様な種類の薬剤、多種多様な病気、それぞれの特性を考慮した開発方法があるはずです。同じ打撃フォームで同じ投球フォームといった単純な理論では対応できない時代であることをご存知でしょうか?
 型にはめた指導から、はたしてイチローや松井が輩出されるのでしょうか?

【記事】
「薬事法の適用を受けない臨床試験を可能にしているのは研究者、医師の無理解と厚生労働省の怠慢です。国際的に通用するように、すべての臨床試験に薬事法を適用すべきです。」

○ 多くの医師たちは限られた予算で研究し、努力をして臨床試験を続けてきました。また厚生労働省や経済産業省もそれを支援しています。患者さんのために必死の思いで携わっている研究者、医師や役所の人たちの気持ちを踏みにじる一方的な発言は理解できません。ここで述べるように薬事法の適用を受けない臨床試験は現時点ですべて中止することが患者さんや国民のためになるのでしょうか?新しい治療や臨床試験に期待している患者や国民の気持ちはどうするのでしょうか?どれぐらいの数の患者の希望を奪うことになるのでしょうか?限られた命の時間の中、臨床試験への参加を希望されているがん患者の声を実際に聞かれたことはありますか?実情を無視した発言を繰り返す朝日新聞社と、福島先生には、現在の臨床試験を中止した際の責任を負う覚悟があるのでしょうか?

【記事】
-臨床試験は実地治療とどう違うのでしょうか。
「実地医療と違い、安全性、有効性が確認されていない薬の候補となる物質を使います。だから、臨床試験は厳格な管理が必要です。そのデータを規制当局が審査、承認して初めて薬になるのであって、それまでは薬でも何でもありません。朝日新聞の報道に対して日本癌学会などが出した声明に『ワクチン治療』とありますが、そのような治療はまだ確立しておらず、研究段階なのです。医療者が臨床試験と実地医療の違いを認識しないと、患者さんをミスリードします。」

○ 米国医薬食品局(FDA)が今年4月、前立腺がん治療薬「Provenge」を承認した事実をご存知ないのでしょうか?すでに、がんワクチン療法はがんの治療法としてFDAが承認し確立したものとなっていますし、米国以外でもスイスなどで治療法として承認しています。ワクチン治療は確立されたものであり、欧米では多数の治験が行われています。このような基本的知識の欠如した状態での発言こそ、「患者さんをミスリード」するものです。
 また、2009年9月、FDAは「治療用がんワクチンについての臨床的考察(案) Clinical considerations for Therapeutic cancer vaccines DRAFT GUIDANCE」を公表し、従来の薬剤と全く異なる作用機序をもつ「がんワクチン療法」は、既存の薬剤と異なる考え方をもとに臨床試験をデザインする必要があることなど、がん治療の概念が変わりつつあることを表明しました。あまりにも時代遅れのコメントです。
 また、臨床試験と実地医療を区別する意図がよくわかりません。臨床試験といえども、眼の前の患者さんにとっては医療行為そのものです。もちろん安全性、有効性が確認されていない薬の候補となる物質を投与している以上は、厳格な管理は必要でしょうが、それは、実地医療でも同じはずです。

【記事】
―倫理指針は「共同で研究する場合」の他施設への重篤な有害事象の報告義務を定めていますが、東大医科研は「単一施設で行った臨床試験だから有害事象の報告義務は負わない」と言っています。
「米国政府の臨床試験登録サイトには日本国内の多くの施設で行われているペプチドワクチンの臨床試験の情報が登録されています。東大医科研ヒトゲノム解析センターが『コラボレーター』と記載されています。これは『共同研究者』と翻訳する以外にないでしょう。医科研提供のペプチドなくして他施設で臨床試験はできないわけですから、常識的には共同研究施設です。付属病院での有害事象を医科研が他施設に伝えるのは試験物の提供者として当然ではないでしょうか。さらに、製造物責任法による責任がどこにあるのか問題になります。」

○ 朝日新聞社は何度も医科研から指摘を受けているようですが、医科研附属病院と、医科研ヒトゲノム解析センターは別の組織です。両者が同じものとして報道するのは事実と異なります。また、今回の有害事象については、医科研ヒトゲノム解析センターとの共同研究施設では、医科研附属病院で発生した時点以前に経験しており、周知済みだったと聞いています。
 尚、製造物責任法は、業として製造した場合に該当する法律です。製造物責任法を持ち出して「責任がどこかわからない」という見解は、今回はあてはまらないと考えます。

【記事】
―医科研は出血とペプチドワクチンとの因果関係について「誤解を与える表現をしている」と主張しています。
「被験者の日常生活を害するものはすべて有害事象になりますが、薬との因果関係の有無を議論してもその時点ではわからないこともあります。だから因果関係を簡単に断定してはいけない。データ蓄積してから最終的に薬に起因するかどうかを結論づける。それが副作用被害の拡大を防止するための鉄則です」

○ たしかに、有害事象と試験者との因果関係を簡単に断定してはいけません。しかし、開発初期の段階で、明らかに原疾患による可能性が高いと判断される事象について取り上げ、過度に不安をあおることも問題です。確かに因果関係はなかなか断定できるものではありませんが、今回の消化管出血がペプチドワクチンのせいで起こったと考える臨床医ははたしてどれくらいいるでしょうか?仮に各施設に伝えていたとして、各施設の医師は全員「理由はよくわかりませんが、ペプチドワクチンで消化管出血が起こる可能性があります」と患者さんに説明するのでしょうか? いきなり冒頭にヘルシンキ宣言を引用して、臨床試験がヘルシンキ宣言すら無視しているかのような書きぶりですが、臨床試験においてもヘルシンキ宣言を尊重し、治験と同様に患者さんを尊重して実施していることは言うまでもありません。

【記事】
―医科研病院より前に別の大学病院での別種のペプチドを用いた臨床試験で消化管出血例があり、医科研はそれが臨床試験に参加する研究者間で共有されていたと言っています。
「有害事象や副作用に関する情報は、研究者間で共有していればよいわけではありません。患者さんの利益のために臨床試験をしているわけで、患者さんの不利益になる可能性は患者さんに開示されて初めて意義を持ちます。予想されるリスクの説明義務はヘルシンキ宣言にも規定されています」

○ 私の知る限り、当該の臨床研究中に生じた消化管出血例については、原病の悪化によるものと判断されたもので、通常であれば有害事象としての周知は必要ないにも関わらず、進行がん患者を対象として、常に出血を含めた様々なリスクを抱えた患者を対象とした臨床試験であることを重視して、あえて施設間で情報共有をしたものであり、規定上の必要があったために情報共有をしたものではないと聞いています。
 ヘルシンキ宣言は、臨床試験に際して、がんの進行で起こりうる合併症などをすべて有害事象として患者に伝え、不必要な不安を与えることを求めているのでしょうか?進行したがん患者さんに対する治療の実情をあまり理解されていないとしか思えません。

【記事】
―医科研は、人に使われる前提で未承認薬のペプチドを他施設に提供しました。薬事法は治験以外での未承認薬の提供を禁じていますが、厚労省が今回、倫理指針に反しないと判断すれば、例外扱いされる可能性があります。
「医薬品の安全性を確保するための唯一の法律は薬事法です。未承認薬が法律に基づかず、すなわち管理されないで配布、提供、使用されると極めて重大な結果を招きます。今回の問題は薬事法に照らして、それを所管する医薬食品局が調査すべきです」

○ 今回の臨床試験は、医師法の中の医師の裁量権を根拠として実施されているものです。製造販売行為ではないため、薬事法の適用範囲外です。未承認薬の配布について、業(商売)として配布するものでなく、医師・研究者の共同研究チームによる自主臨床研究として配布するものについては、受け渡し可能で問題とされていないのは周知の事実であり、「調査すべき」などというコメントは極めて無責任です。本件について、久留米大学・先端癌治療研究センター所長の山田亮教授は厚労省へ問い合わせ、「監視指導・麻薬対策課に、ペプチド抗原を有効成分とする製剤の配布について照会したところ、薬事法には抵触しないという回答を3月頃に得た。」(日経バイオテク2009年6月30日)と公表されています。朝日新聞も福島先生もこれらのことをご存じなかったのでしょうか?

【記事】
―医科研からペプチドを提供された全国の施設はペプチドを一つもしくは複数組み合わせたり、抗がん剤と併用したりしています。この試験をどう評価しますか。
「臨床試験の初期の段階は、人での安全性確認が目的です。複数の試験物を用いたり、抗がん剤を併用したりすれば、どちらの副作用なのか、二つを合わせたから起こる新たな副作用なのか、抗がん剤の副作用なのかがわからなくなる恐れがあります」

○ 臨床試験の初期の段階から、米国、ヨーロッパでは既に、複数の新規の試験薬のカクテルを用いた「がんワクチン」の臨床試験が多数実施されています。また、抗がん剤などの他の薬剤の併用についても、新規の薬剤候補物質とのカクテルとしてであっても「がんワクチン」においては、世界的には、通常の臨床試験が実施されています。それを非難するのは、世界の「がんワクチン」の現状について、非難しているのと同じです。「がんワクチン」では、試験薬の投与により、患者の体内で起こる特異的な免疫反応を検出することが可能で、その免疫反応をよく調べれば、どのペプチドが特異的反応を患者に引き起こしているのかの判別が可能な時代になっています。古典的な細胞毒性をもつ「抗がん剤」の開発についての20世紀のお話としては間違いはないのかもしれませんが、新規の作用機序をもつ「がんワクチン」に現在、その概念を用いるのは、世界の常識に照らしあわせて、不勉強と言わざるを得ません。
○ 米国FDAにより「治療用がんワクチンについての臨床的考察(案)」として公表されている資料にも、従来の薬剤と全く異なる作用機序をもつ「がんワクチン療法」は、既存の薬剤と異なる考え方をもとに臨床試験をデザインする必要があり、抗がん剤や放射線療法との併用に言及されており、作用機序の異なる従来の「抗がん剤」の考え方を「がんワクチン」に持ち込むのは当てはまらないと思います。

【記事】
治験以外の臨床試験も公的管理下に置くとなると、審査体制の充実が必要ですよね。
「薬や医療機器の審査をする独立行政法人医薬品医療機器総合機構を強化し、現在約390人の審査担当者を少なくとも数倍には増やす必要があります」

○ 審査担当者の数は、数倍でも足りないと思いますが、それがすぐには実現不可能ということを認識しておられるにもかかわらず、なぜ「臨床試験はすべて公的管理下でなければならない」という考え方をなさるのか、理解できません。

【記事】
―なぜ大学が医薬品開発を行う必要があるのですか。
「市場規模の小さい薬や、再生医療のように商品化が困難な場合は製薬会社が開発したがらないからです」

○ 確かにそのような製薬会社が開発したがらないものには大学で医師主導治験を実施していく必要はあるでしょう。アカデミアが目指すところはあくまでも製薬会社とタイアップした医薬品開発です。がんなど難治疾患は現状の治療法だけでは限界があり、常に新しい治療法、治療薬が求められます。そのためにはアカデミアが新しいシーズやアイデアをどんどん生み出して、たくさんの治験ではない医師主導の臨床試験を実施して、その中から有望なものを製薬会社が拾い上げて治験をするという体制をしっかりと作り上げることこそが今の日本が世界に乗り遅れないで新しい薬剤や治療を生み出していく手段だと考えます。効くか効かないかわからないうちから限られたものを治験でやっていくという体制ではなかなかいいものは生まれないと思います。

【記事】
―「治験は医者には不可能」という声もありますが。
「それは事実ではありません。橋渡しプログラムではすでに4件の治験がスタートしています。このプログラムは医薬品開発で激烈な国際競争から脱落しかけている日本の起死回生策なのです」

○ 無尽蔵に資金があればそれは最初から治験を目指すかもしれません。しかし、医師たちは限られた予算の中で一生懸命患者のために臨床試験をやっています。がんペプチドワクチン療法は、臨床医も患者も納得するデータが出るかもしれないというところまで来ていると思います。すべての新しい治療を待っているがん患者に有効な治療を提供しようと思ったらまだまだたくさんの基礎研究と臨床試験が必要です。限られた数の治験だけでは不十分です。たくさんの臨床研究をやった中から本当に効きそうなものが出てきて、それを製薬会社が拾い上げて治験するという流れをつくるのが現状ではいいと思います。


○ 最後に、このインタビューを通じて感ずるのは、患者さんに対する思いやりの欠如です。全国で多くの患者さんやその家族は、治療法がないままに苦しい思いをしておられます。その患者さんや家族の思いを受け止めて頑張っているのが臨床試験を実施している現場の医療関係者です。自分たちの主張を展開するために事実を捻じ曲げる報道をしたうえに、患者会・学会・臨床研究者の質問に対してまともに答えないばかりか、さらに紙面を自分たちの保身のために利用するなど許しがたい蛮行と言わざるを得ません。大牟田氏は、11月10日の今回の記事で「『がんワクチン臨床試験』をめぐる記事で朝日新聞が最も伝えたかったことは、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から改善すべき点があるということです。」と書いていますが、10月15日のあの記事は、事実を捻じ曲げてまで本当にそのことを伝えたかったのでしょうか?朝日新聞は、論点をすりかえず、どうしてあのような記事が出たのか、外部委員を交えた「報道事故調査委員会」を立ち上げ、徹底的に検証して紙面に結果を公表すべきです。

 治験でない臨床試験を多くの医師が手掛けているのは、第一に患者のことを考えているからです。死までの時間が迫った患者に向き合ったとき、「治験でない臨床試験は日本ではできなくなったのであきらめてください」と言えるのでしょうか?

コメント

直接の捏造犯ではなく別の記者が言い訳じみた記事を出しましたね。すでに論破されているにも関わらず、疑問などという表現で誤摩化そうとしているように思います。
http://www.asahi.com/health/feature/opinion101110_editor.html

ご紹介いただいた記事を、読ませていただきました。臨床試験のあり方の問題は、今回の朝日新聞のがんワクチン報道とは、別な問題なのに、強引に臨床試験の問題に持ってゆこうとしていますね。

GCP準拠臨床試験の問題は、別に検討すべきなのでしょう。この臨床試験一本化は、米国が日本政府に迫っていることで、それにそって官僚が動き、同時に官僚の権益を拡大することも狙っているように見受けられます。

朝日新聞の今回の報道姿勢は、それとは別に到底許容できませんね。

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