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また、システムエラー 

気管カニューレの挿管作業で、「内管」を外し忘れて、患者さんがお亡くなりになったという事故が起きた。亡くなられた方の冥福を祈りたい。

小児科では、気管切開することが稀だったし、もう大分昔のことなので、どのような器具で問題が起きたのか、もう一つ分からないが、管を挿入しやすくするスタイレットのような器具を外し忘れたということらしい。

担当医の責任は確かにある。が、それを追及するだけでは、問題は少しも解決しない。下記は、毎日新聞の記事だが、読売新聞とは違って、状況を少し詳しく報道している。

将来おなじことを繰り返さぬために、このケースから考えるべきことは三つ。

○病院側が、「考えられない」ミスとしているのは、恰も傍観者の発言だ。担当医に責任を全て負わせようという、意識的、または無意識の防御反応が働いているのではないだろうか。下記のシステムエラーの責任の一端は、病院側、さらに行政にある。「考えられない」ミスが現実に起きたことを、自らの問題として捉えるべきだ。

○こうした処置を行なった後は、しばらく容態の変化を確認するのが常だが、この主治医は「緊急外来から呼び出し」を受けて、現場を離れた。生命に関わる処置を行なっている医師が、現場を離れざるを得ないシステム、それだけのマンパワーしか可能としない医療制度に問題はないのだろうか。医療現場はいつも「剣が峰」を歩かされている。「剣が峰」のシステムを放置している、病院と行政に大きな責任がある。

○この挿管器具が、スタイレット様の内筒を放置しうる構造になっていることも問題。放置を出来ないようにする、ないし放置した場合、強く警告する構造になっていることが必要だ。

このようなケースで、担当医を刑事告訴すべきではない。告発すべきは、システムエラーそのものだ。


以下、引用~~~

◇書類送検の女性内科医「よく覚えていない」
 金沢赤十字病院(金沢市三馬2)で女性の入院患者(当時90歳)=白山市=が医療ミスで死亡した事故。18日、会見した病院側は「あり得ない」ミスと、信じられない様子で頭を抱えた。業務上過失致死容疑で金沢地検に書類送検された女性内科医(27)は「覚えていない」と話しているという。【宮本翔平】
 内科医が患者の気道に装着した気管カニューレ(管)の付属器具(内筒)を外し忘れたため、患者が窒息死した。処置は内科医と2人の看護師が当たった。病院は同様のケースでの医療ミスは全国的にも報告例がなく「普通ありえない」単純なミスだとした。
 内科医は4月から勤務し、交換作業は3回目だったが、以前の勤務地でも数回経験はあったという。だが、今回は作業中に緊急外来から呼び出しの電話があり、作業を終えるとすぐ退室した。内科医は病院の調査に「よく覚えていない」と話しているという。慌てたため手順を忘れたらしい。
 病院は防止対策として、管と内筒を色違いにしたタイプを導入。ガイドラインを作り、呼吸確認の徹底を進めているという。
 内科医は厳重注意処分を受け、現在も勤務している。岩田章院長は会見で「亡くなった患者様に深く哀悼の意をささげ、ご遺族に深くお詫びします」と謝罪した。

11月19日朝刊

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