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医師不足論にかこつけた利権漁りか 

医師の不足は、地域医療と特定のリスク・ハードワークの科での現象だ。それに、余りに多い事務作業も医師が本来の仕事をできぬようにしている。

今春の診療報酬改定では、勤務医の負担を減らすという名目で、診療所から病院への医療費の移転が行われた。実際、その効果は外科の一部等を除いて殆どないようだ。病院も厳しい経営を続けているから、増えた診療報酬を医師の負担軽減にすぐ用いることはできないのだろう。

行政・政治の行おうとしていることは、医師を新たに増やすことだ。既存の医学部の定員もかなり増やされ、後10年前後で、一定人口当たり医師数はOECDの平均に近づく。ベビーブーマー世代の高齢化はあと10数年後にピークを迎えるが、基本的には人口減少社会に突入しており、医師を増産することでよいのだろうか。

地域医療を支えている中堅の医師達の窮状を放って置いて、ただ新たに若い医師を増やすという対策で良いのか。繰り返し述べてきたが、この場当たりの施策は、後々大きな禍根を残す。

今後の医師増員を検討する検討会の初会合が、厚生労働省で開かれたらしい。具体的に、医学部・医科大学の増設・新設を議論するらしい。

そのメンバーは、下記の通り。この人選が、余りに偏っている。行政の意図が明々白々だ。このメンバー達の大多数は、大規模医療機関の「管理者」達だ。彼等は、低賃金で過重労働をこなす若い医師を喉から手が出るほど欲しがっている。医学部新設に積極的な意見を述べた今井浩三・東京大学医科学研究所附属病院長は、函館出身の方で、医学部新設に名乗りを上げている函館未来大学の懇話会の座長のようだ。これこそ利益相反なのではないか。

地域医療現場で苦闘している医師は殆ど見当たらない。また、多くが元勤務医であり地域医療の現場にいる開業医の代表も日医の副会長一人位ではないか。 医師は余剰だという報告を出していた、厚生労働省の諮問会議のメンバーを何故加えないのだろうか。厚生労働省が長年固執してきた医師余剰論の反省も済んでいない。

医科大学・医学部新設となると、建物の建設・スタッフのポジションそれに管理事務部門のポジション等々、様々な利権が絡む。行政が、医学部新設に積極的なのは、そうした利権に絡んでのことであり、医師不足に名を借りた彼等の利権拡大なのではないだろうか。

以下、検討会委員名簿:

【検討会委員】(五十音順)
安西祐一郎・慶應義塾学事顧問
今井浩三・東京大学医科学研究所附属病院長
片峰茂・長崎大学学長
木場弘子・キャスター、千葉大学特命教授
栗原敏・社団法人日本私立医科大学協会副会長、東京慈恵会医科大学理事長・学長
黒岩義之・全国医学部長病院長会議会長、横浜市立大学医学部長
桑江千鶴子・都立多摩総合医療センター産婦人科部長
坂本すが・社団法人日本看護協会副会長
妙中義之・独立行政法人国立循環器病研究センター研究開発基盤センター長
竹中登一・アステラス製薬株式会社 代表取締役会長
丹生裕子・県立柏原病院の小児科を守る会代表
永井和之・中央大学総長・学長
中川俊男・社団法人日本医師会副会長
中村孝志・京都大学医学部附属病院長
西村周三・国立社会保障・人口問題研究所所長
浜口道成・名古屋大学総長
平井伸治・鳥取県知事
森民夫・新潟県長岡市長
矢崎義雄・独立行政法人国立病院機構理事長
山本修三・株式会社日本病院共済会代表取締役社長

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