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電鍵の向こうに・・・ 

CWであっても、話をすると、相手のパーソナリティ、精神状態が、ある程度分かるようになる。キーイングの仕方ではなく、やはり送信の内容からだ。いつも明るく、人生を愉しんでおられるような方が多いのだが、特にRoss W7YCWは、そのような方だ。86歳になったold timerだが、弾むようなキーイングで、光り輝くリタイア生活を送っておらる様子をいつも知らせてくれる・・・辛いこともあるのかもしれないが、そうした話題にはあまり触れない。

先日お会いした時に、そうした彼がふっと陰りを見せた。55歳になる息子さんが、がんの末期で自宅で静養している、ということを話題にされたときだった。ホスピスの在宅治療を受けている由。息子さんは、死ぬことは怖くはないと言っており、その点では救われるのだが・・・とRossは言っていた。でも、辛い気持ちにいることが察せられた。晩年を迎えて、子どもが先立とうとしている。それは、親にとっては辛い哀しみに違いない。何も申し上げることができなかった・・・。

無線での知り合いと声を交わすときには、HOW ARE YOU DOING?と尋ねるのが慣わしだ。多くの場合、EVERYTHING IS GOING FINEという紋切り型の答えが返ってくるし、私も、そのように答えることが多い。でも、きっとその背後では、自身、それにご家族のことで様々な心痛を引き起こす出来事を抱えているのかもしれない。無線の交信というのは、あまりに短すぎるのだが、それでも気のあった同じ相手と回数を繰り返していると、ちょっとしたことで、相手の心境の変化や、気分の変化に気づくことがある。そうした変化に対するアンテナを高く掲げて、またキーに向かいたいものだ。

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