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The Trans-Pacific Partnership Agreement 

SPによる日本国債の格下げについて、「そういったことには疎い」と述べた、菅首相。盛んにマスコミや野党から突っ込まれている。SPのような格付け会社が、リーマンショックをもたらした元凶の一つだった。現在米国経済・財政が酷い状況であるのに、米国債をトップランクにランクし続けている時点で、このような格付け会社の言うことには信憑性がない(といって、日本国債が安心だという積りも毛頭ないのだが)わけで、格付けに疎くても首相は務められるのだろう。

だが、最近、第三の開国をするのだと、彼が盛んに風呂敷を広げているのは大きな問題だ。TPPAへの加盟をすることを、開国と擬えているのだ。この開国がどのような内容で、どのような変化をわが国にもたらすのか、農業分野以外十分議論されていない。

The Medical Journal of Australiaの最新号電子版(1月17日発行)のMEDICINE AND THE LAWという欄に下記のタイトルの論文が掲載されている。

The Trans-Pacific Partnership Agreeement:
challenges for Australian health and medicine policies

特に問題視しているのが、オーストラリアと米国の二国間貿易協定「TRIPS-Plus」である。米国は、この条項を、TPPAにも導入することを強く求めているらしい。

「TRIPS-Plus」によると、製薬業界で、ジェネリック薬品が市場に出回るのを事前に特許保有企業に知らせること、特許保有企業に独占権・非競合権を与えること。ジェネリック企業に、特許が切れる段階でも特許企業のデータを使わせない。他国で安価に作られた並行輸入の禁止。緊急事態であっても、政府がジェネリック薬品を製造させることを制限する。革新的新薬を評価する際には、客観的な効果の評価よりも、競争市場を維持するようにすべきだ(これは実際のところ見せ掛けであって・・・)。コスト対効果の評価や、政府の製薬企業への価格交渉権を制限する。

こうした内容が盛り込まれているらしい。世界に市場を持つ巨大製薬企業にとって圧倒的に有利な条項だ。投資家・投資企業が、損害を与えられた国の政府に対して、損害賠償の訴訟を起こす権利も明示されている。

また、この論文から離れるが、米国等の巨大資本が、協定締結国に投資をし、医療機関等を保有することも認める内容になっているらしい。

この論文の著者は、TPPAのことを、USTRによって開始され(世界に格差をばらまいた)自由貿易協定の時代の遺物であるとこき下ろしている。

菅首相は、市場原理主義的な色彩の強い、この協定を、開国に擬えていて良いのだろうか。この協定が、具体的に、農業だけでなく、医療・社会福祉の分野にどのような影響を与えるのか、詳細に調査し、慎重に対処することが求められているのではないだろうか。協定締結後、わが国の主権を脅かす制度を米国から強制されてから、TPPAについては疎いのでという言い訳は許されない。



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