FC2ブログ

TPPAがもたらすもの 

ダボス会議で、菅首相は、第三の開国を声高に宣言したらしい。開国といえば聞こえが良いが、その内実を我々は良く知る必要がある。菅首相は、この「開国」の内実がどのようなものであるのか良く知った上で、それを隠してワンフレーズポリティックスのアジテーションを行っているのか。

オーストラリアのAFTINETという民間組織が、TPPAの批准に対して批判的な要望を行っている。ここ。オーストラリアの薬価制度を改め、米国並みの薬価にすること、さらに投資家がオーストラリア政府に対して訴訟を起こす敷居を低くすることなどを、二国間FTA交渉の時代から、米国政府がオーストラリア政府に要求し続けていることが分かる。これは、失敗に終わったワシントンコンセンサスの目指すところそのものではないか。

TPPAが米国のプラン通りに批准されると、何が変わるだろうか。日本医師会も指摘しているようだが、混合診療の公の導入が必ず行われる。そうしないと、外国巨大資本が日本の医療界に進出する術がないからだ。現在の閉塞した医療システムの状況を考えると、混合診療導入によって改善される点も大いにあるように思える。だが、そうした医療現場の期待も、きっと巨大資本によってかき消されることになるのかもしれない。さらに、国民にとっては、深刻な病気にかかったら、金をもつか持たないかで予後が決まることになる。

薬価も、引き上げられることになるだろう。先日、イレッサの副作用訴訟で和解勧告が出たというので、イレッサについて調べていたのだが、その薬価が一錠6000円超であることを知り、調べる意欲が減退した。抗がん剤は押しなべて高額である。また、画期的新薬といわれるものには、驚くほどの薬価がついている。TPPA批准に伴い、製薬企業に十二分な利潤を保障する薬価が付けられるようになることだろう。現在、わが国では、高額医療費が償還される制度があり、さらに保険が成人で7割、乳幼児の多くでは10割薬代を含めた医療費をカバーしているので、国民がこの高価な薬代を身近に感じることは少ない。しかし、混合診療になり、さらに巨大製薬企業が成立を目指してロビー活動を盛んにしているTPPAが成立すると、国民は高額の薬剤費を実感することになるだろう。

わが国の政府は、財政改革にどうしても取り組まなければならない切羽詰った状況にある。公務員給与も引き下げ、年金受給開始年齢の引き上げ等社会保障の削減も行うつもりのようだ。TPPAは、一部の輸出企業にとっては歓迎すべきことなのだろうが、農業・社会保障等にはかなりの打撃となる。第三の開国といった聞こえのよいスローガンに惑わされることなく、その内実を知ることが必要だ。政府は、国民の資産を食い潰し、さらに国民の健康福祉までも犠牲にして、国の財政を立て直す積りのように思える。

問題は、一部の巨大資本、その背後にいる米国が利益を貪り、結局失敗に終わったFTAの愚を繰り返さないことだ。真に公平で透明な貿易制度、投資の条件を整えることこそが重要だ。現在のTPPA交渉では、米国の主張に呑まれてしまう可能性が大きい。




と書いたところで、本心を明かすと、日本の財政破綻はある意味必至だろうと思う。さらに、医療福祉制度の切り下げも必ず行われることだろう。それはある意味、歴史的な必然だ。私も含めて国民一人一人がその覚悟を持つべき時に既になっているように思える。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/1984-b74b52a3