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元原子力安全委員会委員長の見解 

ある方から、松浦祥次郎氏という方の、原発事故についての解説文が送られてきた。

かなり説得力のある文章で、我々に出口があることを指し示してくれているもののように思える。現在、1、2号炉に電源を外部から接続し、冷却水の循環を再開させる作業中と言われているが、私は、海水を一度被ったシステムが再稼動できるかどうか、疑っていた。でも、一旦、事故後そのシステムが稼動していた、電源のシャットダウンで稼動しなくなったとなれば、電源を再び与えられれば、システムが再稼動することになる。

政府は、もっと事実の詳細を公表すべきだ。当局が、事実を隠匿したり、楽観的な評価だけを公表したりすると、我々は疑心暗鬼になる。



以下、引用~~~


松浦 祥次郎  の解説

福島原発事故対応
Date: Thu, 17 Mar 2011 23:13:24 現在

皆様

ご心配ごもっともです。原子力を先頭だって進めて来た一人として、今回の事故を極めて遺憾に存じます。私なりに必死に事故態様を分析し、その最後の姿をイメージし、そこに至る段取りを考えました。昨夕、具体的手段にたどり着きましたので、今日はそれ を原子力安全委員会、原子力安全・保安院、政府防災対策本部に提案します。長い一日になると思います。OBの後期高齢者の言うことにその人たちが耳を傾けてくれることを祈ってください。 事故の極めて正確な経緯は未だに明 確でありません。しかし、およそは次の通りです。

① 地震が来た時、原子炉は緊急停止信号で、制御・安全棒がすべて炉心に挿入され核反応は停止された。

② 直後に大津波が来て、海岸の装置全てに大打撃を与え、それらを壊滅させた。この中には非常電源用ディーゼルの燃料タンクも含まれている。

③ 津波の水が、非常用電源ディーゼル室に浸入し、ディーゼル及びポンプを起動不能にした。(電源施設、燃料タンクがウォーター・プルーフになっていなかったのが根本原因)

④ 発電所へ外部から送電してくる送電ラインも、地震と津波で完全に破壊された。


⑤ しばらくは非常用バッテリーで原子炉の安定停止プロセスが進められたが、間もなく電池切れとなった。

⑥ 全電源喪失となりそれが続いた。

⑦ その後は、必死に予備の電源車を原子炉電源ラインに繋ぎ、冷却ポンプを動かす努力が続けられている。

⑧ しばらくは、原子炉内に蓄えられている冷却水で原子炉が冷やされたが、冷却が衰えるとともに、炉心の残留熱と、燃料中の放射性物質からの放射 線のエネルギーで冷却水は蒸発し、圧力容器内の圧力が上がり、基準を超えると安全弁が開きスチームを放出した。これで、原子炉システム系の水はどんどん減 少した。

⑨ 炉心は冷却水の減少と共に、部分的に空炊き状態となり、燃料被覆管温度が溶融温度(約1200℃)を超え、溶けた被覆管金属が炉心内の残留水中に落ちて行った。

⑪ 高温金属と水の反応で水分解が起こり、多量の水素が発生した。これが圧力容器、その外の格納容器をも抜け、原子炉建屋上部にたまり、やがて水素曝燃を生じた。

⑫ 燃料体も溶け始め、炉底にたまり始めている。

⑬ 一方、原子炉内の発熱量率(kW/h)は、放射性物質の時間減衰により、初めは急速に、やがてゆっくりと減少している。

⑭ 水素と共に漏れたガス元素の放射性物質(ヨウ素、クセノン)と、揮発性放射性物質(セシウム)の一部が炉室外にもれ、環境に放出され始めた。

⑮ 以上が、同様の状態におかれた原子炉で遅速があるものの、併行して順次継続している。

⑯ ひどい状態になったが、それなりに定常状態に達しており、冷却を継続すれば、これ以上悪くはならない。最も重要なのはどのような手段ででも冷却を続けること。


以上ですが、この事故の態様は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故とは根本的に異なり、米国のTMI-2事故と類似のものです。従って、ガス状の放射性物質の放出は避けられませんが、その他の放射性物質の放出は限定的で、その拡散は広くありません。

このことを、サイト周辺の放射性物質サンプリングで早急に確認する必要があります。これが確認できれば、事故終了後、周辺は十分に安全になり、も との場所に安全に住む事が出来るようになります。地元の人々の気持ちも大いに楽になると思われます。まず、周辺の詳細な測定と分析です。そして、その結果 に基づいて今後の見通しを確かにすることです。見通しが得られれば、社会も安心と力を得るでしょう。


政府は、上記を確認し、社会に公表することです。国際社会も日本の対応に安心することでしょう。今日も頑張ってみます

*松浦 祥次郎 (昭和10年11月20日生).

昭和35年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了。 平成10年 日本原子力研究所理事長. 平成12年 原子力安全委員会委員長。

コメント

こちらも参考になれば。
http://ribf.riken.jp/~koji/monreal.pdf

参考資料をありがとうございます。説得力がありますね。

原発問題は、少し光が見えてきたというところかもしれませんが、希望を持って見守りたいと思います。

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