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非常通信網としてのアマチュア無線の可能性 

東北関東大震災での救急医療情報をやりとりするシステムは、どのように機能したのだろうか。広域災害医療情報システムという、都道府県単位で構成され、それを千葉にあるバックアップセンターがバックアップするシステムがある。各都道府県の医療機関・保健所・消防署に端末があるようだ。このシステムが、どれだけ機能したのか(しているのか)、情報はまだ入らない。もしかすると、都道府県センター自体が機能しなかったのかもしれない。小児科のMLでも、名古屋大学の吉田氏が、小児医療資源のデータを共有するためのPedPowerというデータベースを立ち上げた、という情報が流されていた。また、下記のように災害に強い医療情報システムの構築を改めて呼びかける意見もある。

阪神淡路大震災の後、アマチュア無線を非常通信網のシステムに利用すること関心を持ち、少し調べたことがあった。地方自治体単位での防災無線網が構築されていたようで、少なくとも、アマチュア無線が、防災無線の主要な通信システムになる可能性は低いように思われた。

しかし、今回の大震災のような大きな災害では、全国規模・地方自治体規模の非常通信システム、それを運用する方々が被災し、非常通信システムが作動しなくなる可能性は高い。そのような状況下では、アマチュア無線を利用することも考えられるかもしれない。

アマチュア無線の利点としては、簡易であること、移動することが容易であること、システムとしてフレキシブルであること等が挙げられる。しかし、運用者自身が被災する可能性があり、また通信網としての確実性に欠けるといった弱点もある。被災後の急性期に、通常の通信網が遮断されそれが回復するまでの間、被災医療機関や、避難所からの情報発信に用いることには利用価値がありそうだ。その場合、普段からの通信訓練と、実際に通信が始まってから総括する場・人間が必要になるのかもしれない。被災地にアマチュア無線家が乗り込んで行くなど、実現の可能性はないが、VHF・UHFのハンディトランシーバーを常日頃、医療機関等に備えておくだけでも、利用価値はあるかもしれない。非常電源のついたリピーターであれば、さらに多くの利用価値はあるだろう。

今回も、7メガSSBでの通信や、VHFリピーターを介した通信が用いられたようだが、経験を生かして、次の万一の機会にさらに活用できるようにしたいものだ。


以下、MRICより引用~~~

災害に強い医療情報システムの構築を

東京大学医学部附属病院
原 一雄
2011年3月30日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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 このたびの東日本大震災によって尊い命を失われた多くの方々に深い哀悼の思いを捧げるとともに、ご遺族の皆さま、負傷された方々、今なお避難所で極限状態の生活を強いられている方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、この極めて厳しい状況の中で必死に援助活動を行っている医療チーム、必要物資を被災者のもとへ届けようと頑張られている方々、被災地からの患者さんを受け入れてケアをしている医療者の方々に心より尊敬の意を表します。

 今求められていることは、電気・ガス・水道などのインフラを一刻も早く復旧し、被災者に食糧・燃料・水・医薬品などの必要物資を届け、被災地の医療が機能することに全力をあげることであることは言うまでもありません。その上で、今回の震災で明らかとなった事実から教訓を学び取り、大規模災害のリスクと常に隣り合わせである災害大国日本において、どのような医療システムが災害に強いかを検討することが是非とも必要と思われます。

1.広域大災害時にも医療情報を安全に参照できる情報システムの構築を

 今回の東日本大震災では、津波による甚大な被害を受けた沿岸部だけでなく極めて広い範囲で基幹病院が停電や職員の通勤困難のために機能不全に至りました。このため、人工透析中の患者さんなど多数の患者さんを後方搬送する必要が生じました。問題となるのは、被災地の医療機関が停電やシステム自体の損傷のために、受け入れ先の医療機関に引き継ぐための患者情報を、電子カルテから引き出すことが極めて困難となったことです。紙カルテがあったとしても、送り手側は不眠不休で働いており詳細な診療情報提供書を用意することは困難です。津波や火災などで医療情報そのものが消失してしまった場合には復旧は永久に不可能です。
 もし、医療情報が安全な場所に置かれ、今回のような特殊な状況に限ってクラウドコンピューティングなどの技術を介して搬送先の担当者が電子カルテを参照することが出来るようにすれば、個々人に合わせた医療が持続して行えるでしょう。避難所を巡回する医療チームがiPadなどから電子カルテを参照できるようにしておけば、避難所でも患者さんの病態に合わせた医療を可能な限り行うことが出来ます。更に、患者さん本人がスマートフォンから自覚症状などを打ち込むことによって、直接主治医や他の医療機関の医師・看護師から指示を受けることが出来るようにするのも技術的には可能ではないでしょうか。孤立した避難所で自分の病気のことを誰にも相談出来ない時に、主治医や看護師とつながることが出来る安心感は計り知れないものがあると思います。病院の中には診療支援システムが破損して、処方など全て紙仕事になるケースもあるようですが、診療支援システムをクラウド上で動かしている場合には、復旧が比較的容易でしょう。今回、原発に近い地域は役場も含めて街ごと他県に疎開しましたが、このような場合でも疎開先の自治体や医療機関などとクラウド経? M3$G>pJs$r6&M-$G$-$k$h$&$K$7$F$*$/$3$H$G!"0eNE$r4^$a$?9T@/%5!<%S%9$r%7!<%`%l%9$K6!5k$9$k$3$H$,=PMh$k$H;W$$$^$9!#

2.被災地の医療ニーズを整理・可視化・共有する情報システムの構築を

 今回の震災で、人的・物的被害がなかった医療機関も、ガソリン不足と原発問題などによって物流が途絶えたために必要な薬剤・点滴が枯渇し医療の機能が停止に追い込まれるという危機にさらされました。また、避難所でも慢性疾患の患者さんが津波などで自宅の薬剤を消失した上に、ガソリン不足で医療機関を受診することが出来ず、高血圧、糖尿病などの薬を全く内服しない状態が続く危険な状況となっています。現在、医療支援チームが各避難所を巡回し、薬剤を最小限処方していますが、薬の手帳を持って逃げる余裕のなかった患者さんも多く、薬剤の処方が出来ないことも多々あるようです。このような状況は広範な地域で発生しており、医療支援チームがカバーできない避難所も多々あると思われます。阪神大震災の際にも指摘されたようですが、供給側も、どこにどの薬がどの位の量必要なのか分かりにくいことから、大量に物資が届けられる避難所と、全く届けられない避難所もあるなど、個々の避難所の様々な医療ニーズに対応することは災害時には極めて困難です。

 そのような状況の中で判明したことは、インターネットが地震直後も機能し、停電で病院内のLANにつながらなくても携帯電話の電波を使ってネットにつなぐことが出来たため、災害時にも通信機能を発揮したことです。これに対して、固定電話・FAX・携帯電話は地震発生直後から通話制限がかかって利用できませんでした。医療機関・避難所ごとに、どのような薬や処置を必要としている患者さんが何人いるかどうかなど医療ニーズの情報を一元的かつリアルタイムに集積出来るようなネットを使ったシステムが構築出来れば、災害時にも効果的に医療資源を供給することが可能となります。GPS機能を持ったスマートフォンを利用し、患者さんの疾患名・重症度・人数などを避難所の位置とともに地図上に表示して情報共有することが出来れば、医療支援チームが刻々と変化する被災地の状況に対応してより効果的に活動することが出来ます。また、被災地を支援しようという医療機関や企業にも必要に応じて医療ニーズの情報を伝えることでマッチングのようなことも可能となり、被災地の復旧が加速すると思います。

3.災害に強い医療情報システムの整備と個人情報保護の議論を

 災害に強い医療情報システムを構築するためにはコストやセキュリティ、個人情報保護に関する問題を解決しなければいけません。安価だからといって個人の医療情報を海外のデータセンターにのせることは出来ません。国内の災害の影響を受けにくい場所にバックアップ用も含めて複数の医療情報データセンターを設置するにはかなりの投資が必要と思われます。しかし、大規模災害時に医療が機能不全となる被害の大きさを考えると、コストに関しては比較的理解を得ることが出来るのではないでしょうか。セキュリティに関する技術的問題について専門家の間で検討を早急に開始するべきです。また、大規模災害時の個人情報保護の在り方についても議論が必要です。どのメーカーのスマートフォンでも使用可能な充電器や太陽光による発電機がついたものなど、技術的に簡単に解決出来る問題については民間の力でどんどん解決していけるのではないでしょうか。

 東日本大震災の被害のあまりの大きさに思わず立ちすくんでしまいそうですが、思考を停止しないで、災害に強い、安心・安全な社会の実現に向けて、日本中の知恵が結集して立ち向かうことを期待したいと思います。

コメント

私が住んでいるところでは、有線、無線にかかわらず電話回線が通じない時に、アマチュア無線が活躍しました。

市役所のハムクラブが中心となり、昨年市庁の屋上にレピーターを設置しました。
地震直後は停電のためにレピーターも稼働していませんでしたが、市役所が自家発電を初めてからは、市役所と公民館を結んで連絡を取り合っていました。
それから、ハンディー機を持って、災害現場と交信することも出来ました。
もちろん、防災無線もありましたが、交信範囲はレピーターを介したアマチュア無線の方が広く、より有効でした。
それに、V/Uのハンディー機やモービル機はけっこう数があります。数は力になります。

医療面の活用についてはわかりませんが、狭域レピーターと広域レピーターを上手く活用できれば、電話が復旧するまでの間、アマチュア無線の出番があるように思います。

それは良かったですね。

情報を取りまとめることや、行政との連携も上手く行ったのでしょうね。

アマチュア無線家も、被災なさっておられたのでしょうに、社会活動に参画できたことはとても良いことだったと思います。

常日頃、そうしたシステムを考え、フレキシビリティを生かして、万一のときに使いたいものです。

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