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復活祭を前にマタイ受難曲を聴く 

今年の復活祭は、今月24日のようだ。受難週を経て、復活祭に至る、キリスト教・キリスト教社会にとっては、大切な時期のようだ。

それに合わせたわけではないが、最近休む前に、マタイ受難曲を聴いている。以前に紹介した、リヒター最後の録音である。ゆったりしたテンポで進められ、コラールではフレーズの最後でフェルマータをかける。磯山教授が、「リヒターがロマン派に回帰した」と嘆いた演奏である。小規模の団体による演奏で、きびきびした音楽を聞かせる、現代の演奏法とは、確かに違う。でも、このリヒター晩年の演奏には、我々のこころを圧倒するものがある。第一曲のテンポは、イエスのゴルゴタの丘を登る歩み。イエスの生涯によって、我々は現世の悩みと憂いから解き放たれるというメッセージ。キリスト教の信仰に拠って立たない者にも、福音とは何かということを指し示してくれているように思える。

この受難曲を聴く上で、ドイツ語を聞いて理解することができない私は、対訳に目を通しながら聴く。すると、一つ一つの音楽が、圧倒するようにこころに迫ってくる。バッハがこの曲を作曲し演奏するのを耳にした、当時のプロテスタント信仰をもつ人々は、こころを揺り動かされる思いで、聴いていたのではあるまいか。現代にあっても、この音楽の持つ力には驚嘆させられる。

リヒターのこの録音よりは、現代的な色彩の演奏である、小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラの演奏。マタイ受難曲第一曲。誠実な印象を残す演奏だ。

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