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昨日の国会中継を聴いて 

昨日午後、所用があり、群馬県に出かけた。帰り道、参議院だったろうか、予算委員会の中継をラジオで聞きながら走ってきた。

新聞や、テレビニュースでダイジェストされ、都合の良いところだけ報道されるものと違い、中継を通して聞くと、各議員、それに答弁する政府閣僚の本音がある程度分かる。

自民党議員は、相変わらず、菅首相が、原発事故発生直後に、地震津波被災地および原発事故の現場に飛んだことによって、「初期対応が遅れた」、その責任はどうすると、首相に詰め寄っていた。もし、首相が、地震津波現場に行かず、原発を訪れることなく、ヴェントの状況等を確認しなかったとしたら、野党はどのように言うのだろうか。それはそれで、首相が現場を見ようとしなかったと攻撃するのではあるまいか。

原発事故は、INES分類上最悪の事故であり、国難であるだけでなく、世界に放射能の環境汚染をばら撒いている。その危機をただ政局がらみに利用しようとする野党には納得しかねる。さらに、中曽根内閣以来、積極的に原発を推進してきた、原発の安全を喧伝してきた一翼をになったのが、自民党ではなかったのか。東電から、多くの政治献金を受け入れてきたのも、自民党だ。

自民党の質問者が、東電の社長に改めて、ヴェントが遅れた(を遅らせた)理由を質した。清水社長の主張は

1)プラントの通常・非常電源が落ちたために、手動で行わねばならず、その作業に手間取った

2)プラント内部の放射線量が高く、作業は、交代で行わなければならなかった

というものだった。

1)については、ヴェントを行わなければならない状況では、当然予想される事態であり、リスク管理がおざなりだったことを意味している。

2)は「想定外」だったのかもしれないが、プラント内の配管が、地震・津波によって破壊されていたことを意味する。地震の水平方向の揺れは、最大550ガルで、想定された最大の揺れの20%程度を超えるものだったらしい。安全率を見込んで、この程度で配管が破壊されることが、安全上許されることなのか、是非専門家の意見を聞きたい。いずれにせよ、元来安全な原発ではなかったように思える。

政府・首相の主張は、原発の電源が落ちた早い段階で、「ヴェントを行うように」という指示を出し続けていたというものだ。震災後最初の首相の談話で、原発事故に時間を割いてコメントしていたことを考えると、これは事実のように思える。だからこそ、東電は、上記のように「遅れた」理由を述べているのだろう。

昨日、間接的にだが、東電で仕事をする方が、原発事故発生直後、東電の幹部が、「大丈夫大丈夫」と言って、ヴェントをすべきという現場の声に耳を傾けなかった、それで現在、東電の現場では大きな不満が渦巻いていると語ったと耳にした。こうしたことも、今後明らかになってくることだろう。

これは、菅首相が、現場に飛ぶヘリの中で、原子力安全委員長の斑目氏から、「原発が爆発することはけしてありませんから、大丈夫です」と聞かされたことと一致する。東電も、原子力安全委員会も、高を括っていたのではないか。また、東電にすると、ドル箱の原発を生き延びさせたいという思惑があって、徹底した対策を取ろうとしなかったのではないか。この点を、質問者は質すべきだったと思うが、東電には、上記の説明をさせただけで、何もさらに突っ込むことをしなかった。

自民党議員が、質問の最後に、IAEAの関係者である参考人への質問を通して、興味深いことを述べていた。

一つは、福島原発と同型の原子炉で、冷却系がダウンすると、2時間後には、核燃料の溶解メルトダウンが起きると想定されているらしい。以前に、わが国の行政も同様の予測をしていた。東電・行政の対応の遅さを考えると、この事実は重たい。

現在、原子炉内に水を流し込んで冷却する対策を取っている。これは、米国のBWR型炉のエマージェンシープロトコルに則って行われているのだが、同プロトコルでは、現在の福島原発の破損状況を前提としていない(これだけの破損があると、適用できない)。

現在の水を流し込む方法では、汚染水を増やし、環境汚染を拡大するだけだ。

というのだ。これ以外の方法をとるべきである、と。

これらに対する、政府関係者・東電の見解を聞きたかったが、質問者が言いっぱなしで終わってしまっていた。こうした論点こそ徹底して議論すべきだったろう。

過去を振り返るとしても、これからどうするかという視点で問題提起しないと、建設的な議論にならない。与党・野党の区別なく、この歴史に残る原発事故をどうやって終息させるのか、という議論を、国会で行ってもらいたい。

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