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医療機関にとっての緊急・非常通信網 

今回の震災で、当地でも停電等ライフラインが利用できなくなるだけでなく、通信手段、即ち電話回線が途絶した。医療機関にとって、緊急時に通信手段はとりわけ重要だ。

当県の医師会MLで、緊急時通信手段について議論されていた。そこでの議論を、私見を含めて、まとめると・・・

〇携帯電話、携帯メール発信、衛星電話、固定電話と通信フロー制御が、電話会社の判断で行われた。即ち、公共機関の登録電話番号を優先し、他は、発信に制限をかけていたということだ。携帯の場合は、95%通信制限をかけられていた。電話回線の混雑によって実際には、数百回に一度程度しか通話できない確率だったらしい。

〇この通信フロー制御から医療機関を外してもらうことも一つの対策だが、他の業種でも通信制限の解除を求める動きもあるだろうし、電話基地局の設備がダウンする可能性もあり、災害の急性期には現実的ではない。

〇衛星通信を利用しようという動きもあり、衛星通信設備の設置も盛んになっているが、移動が困難であり、設備が大きくコストもかかるといったデメリットがある。確実性から行くと優れているので、大規模施設では、自前の発電設備とともに、今後多く使われるようになることだろう。

〇ネット回線を利用することも対策の一つ。ルーターと、IP電話機、さらにそれに電源を供給する、非常用電源(蓄電池等々)で、急性期をしのげるのではないかとの提案もあった。ただ、これもネット回線網が生きていることが前提となる。

〇警察・消防との連携が必須で、最悪の場合、マンパワーに頼らざるをえなくなる。末端地域医師会同士の防災ネットワークを常日頃構築しておくことが有効。仙台市医師会では、14の他の郡市医師会と防災協定を結んでいて、それが上手く機能した様子。災害時に医療機関が機能するかどうかは、実際上の医療ニーズに応えるためだけでなく、住民の精神的な安定という点からも重要。

で、最後にアマチュア無線の利用について考えてみたい。

アマチュア無線の利便性は、

〇簡易な設備であり、移動性にも優れている。通信距離の選択等の点でフレキシブル。

〇利用方法は比較的簡便(免許を受けたものにとっては)。

〇商用電源が落ちた場合、または商業電源がない場所でも、一定期間利用できる。

〇固定された行政システムに組み込まれていないことは、通信手段としては不確実となる可能性を意味するが、不特定多数の運用者が通信網の構築に関われるフレキシビリティは利点ともなりうる。

一方、不利な点、欠点は、

〇使用には免許が必要。利用する場所に必ず被免許者がいて、運用しなければならない。

〇通信効率・確実性の点で、文字ベースの通信方法に比べて劣る(勿論、デジタル通信を用いれば、文字ベースでの通信も可能)。

〇どのような通信手段にも言えるが、通信ネットワークの中心に纏める作業を行う人間・部門が必要だが、アマチュア無線家にそれを求めるのは酷かもしれない。

他の通信手段が途絶した、災害急性期に、他の通信手段が再開するまでの間、アマチュア無線を利用することも不可能ではないのかもしれない。ただし、アマチュア無線家自身が被災者になっている可能性もあり、またボランティア活動としての緊急・非常通信には、人的な制約が大きくなる可能性がある(これが、フレキシビリティとなり、利点ともなりうることは、上記に述べたとおり)。

必要とする通信距離にもよるが、VHF・UHFを用いた、リピーターを活用した通信網を、常日頃から、適切な施設を中心に構築しておくことが必要なのではないだろうか。定期的に、緊急・非常通信の通信訓練を行い、通信が、確実・迅速に行えるようにしておくことも必要になるだろう。

今回の震災では、広範な地域が侵され、通信網の構築がその急性期には困難を極めただろう。アマチュア無線でも、HFを用いた他地域との通信、VHF・UHFを用いた通信が利用されたと聞いた。きっとその経験を総括して、再びこうした災害に襲われた場合の通信手段、その補助としてアマチュア無線が活用されるようになることを期待したい。






コメント

可搬レピータ

今回の大震災で私の出来ることはと、考えました。

仕事柄V/UHFの無線機の保守業務を行っていますので、
新品でなくてもオーバーホールをした、程度の良い
無線機を使って可搬レピーターを準備しておいたら
良いと考えていました。

20年ほど前に名古屋の放送局へ納入したレピータは
簡単なレピータ制御装置と車載用のVHF、UHF無線機の
組合せですが、同じような構成を考えています

緊急時には近場の山や、ビルの上に設置できるように
小型のアタッシュケースへ組み込みます。電源は密閉
型鉛電池、それにソーラーセルパネル、アンテナは
サガ電子のアローラインをVHF用とUHF用の2本を設置
できるようにケース内に収納と言うアイデアです。
VHF⇒UHFのレピータとUHF⇒VHFのレピータとすれば、
重くて面倒なデュープレクサが不要です。

送信電力は1W程度が狭い日本には向いていると
思います。遠距離のアクセスの場合はビームアン
テナでアクセスしてもらえば距離も伸ばせると
思います。

どなたか、実験に参加しませんか?

可搬レピーターのアイデア、良いですね。是非、小型のレピーターを開発なさってください。1Wでも高さとアンテナがしっかりしていれば、20、30kmは十分実用になるでしょう。相手が良い設備であれば、それ以上もカバーしますね。

アマチュア無線と行政の間の橋渡しをする方がいらっしゃると良いのですが。医療機関でも、やはり災害のときには必要になると思います。

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