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炉心溶融の事実を直視すべきだ 

東電福島第一原発一号炉での炉心溶融の事実が決定的になった。最悪の事態というべきだろう。もうこうした事態の連続に、マスコミは慣れきったためか、あまりその意味するところを報道していないように思える。

考えれば、この事態は、専門家からすると、前から予測されてきたところだった。過去に、この事態を予測した研究結果を行政が出していた(既に、このブログでも取り上げた)。

予測されていた事態は、こうだ。

〇冷却システムがダウンして2時間で、冷却水が枯渇し核燃料露出
〇数時間で核燃料の溶融開始
〇圧力容器底部に落ちた核燃料が、自らの発するエネルギーで、元来高温に耐えられぬ底部を破壊
〇格納容器は圧力容器よりも容易に溶け出す

ここまでくると、もう対処は困難になる。

〇冷却のために圧力容器内に入れられた水は、際限なく、原子炉外に漏れ、地下に染み出す。1号炉だけで、既に5000トンの水を冷却に使い、それが漏出した。地下水と海水に、高濃度の放射能汚染水が大量に漏出する。今後も冷やし続けなければならないので、さらに汚染は進む。壮大な環境汚染の開始だ。

冷却のために圧力容器内に水を入れても、それが溜まらないことから、こうした事態は、東電や行政は、当然予測していたのではないか。もし予測できなかったとすれば、当事者能力がないことを意味する。

破壊が、1号炉よりも酷い、2,2号路でも同様になっている可能性はないのだろうか。

あの原子炉修理の「工程表」とやらは、最初から「見せ掛け」に過ぎなかったのだ。国民を欺くものだった。3月15日をピークとした、放射能の大気中への汚染の進行も、当然予測されたはずなのに、それも公表されなかった。あの汚染の急激な広がりを予測していれば、周辺地域、特に飯舘村・福島市方向の酷い汚染に対して、住民は自らを守ることができた。でも、30km圏外は大丈夫だと、枝野官房長官の口を通して、言い続けたことも「見せ掛け」だ。

このような環境汚染は、過去に例のない事態だ。放射能を「閉じ込める」という基本的な危機管理が、根本から破綻したことになる。その事実を、政府・当局者それに東電は、はっきりと認めるべきだろう。

振り返っても仕方のないことだが、冷却システムがダウンしてから数時間の対処が、根本的に間違っていたということだろう。東電が、原子炉を保存したいという意向を持ち、行政がそれを追認したという構図なのではないか。一昨日だったか、原子力安全委員の青山なる人物が、菅首相が現場を訪れたことが、ベント開始を遅らせたと言っているようだが、そんなことは本質的な問題ではない。原子力安全委員の責任逃れもいい加減にしてもらいたい。この重大な事態に際して、もう政局がらみのどうでも良い議論を国会でしている暇はないはず。

極めて困難なこの事態にどのように対処するのか、環境汚染を少しでも食い止める手立てはあるのか、それを議論してもらいたい。これだけの汚染があると、閉じた冷却システムの構築は無理なのではないだろうか。汚染水を、特定の場所に流し、濾過して放射性物質をできるだけ少なくすることしかできないのではないか。AREVA社から提供されたという濾過装置の効果はどうだったのか。以前トライしていた、鉱物を利用した濾過は使えないのか・・・。

これは、国家の存亡にも関わる危機と言っても良いのではないか。マスコミも政治家も余りに楽観しすぎなのではないだろうか。事態を直視する能力がないのだろうか。国民のパニックを心配している状況は通り過ぎている。

コメント

Shinさん
私は、もう 諦めました。

その気持ちは分からないでもないし、我々にできることは何もないのが悔しいですが、ことの成り行きをしっかりと見届ける必要があります。

三号炉の温度が不気味に上がっています。圧力容器の耐温度300度のところ、250度近辺まで上がっているようですね。まだ、窒素封入は行なっておらず、ホウ素の導入も今日始められたばかりとか・・・。ここからも高濃度放射性物質を含む汚染水が大量にもれ出ており、炉心溶融の可能性が大きいでしょう。あれだけ派手な爆発を既に起していますから、圧力容器の破壊がそれによって起きていてもおかしくない。この原子炉の圧力容器が内部から爆発したら、かなり大変なことになりそうです。MOX燃料ですから・・・事故が起きてからいままで何をしていたのでしょうか。対応が極めて遅いように感じます。

焦ることなく、でもしっかりと行く末を見極めたいと思っています。

これから生きてゆく若い人々は大変・・・。

被爆から数年、数十年経った頃、放射線被爆により晩発生障害を発症したとしても、それが今回の事故によるものだと明確に証明することは困難だと聞いています。福島第一が物理的に安定したところで、もはや人々が抱える不安は拭い切れないのではないでしょうか。

Re: タイトルなし

そうですね・・・何しろ、東電・政府・行政の情報開示が不味くて(最近は多少ましになってきたとはいえ)、事実を覆い隠そうとしてきたことがあり、現在も疑心暗鬼の状態が続いていますね。

チェルノブイリ原発事故後、数年間内に小児甲状腺がんが増えたことは有名ですが、妊娠の異常・新生児の先天異常・成人の悪性新生物等も増えていると言われています。原発推進派(平和利用とも言う)のIAEAは、小児甲状腺がんの増加だけしか認めない、というスタンスです。原発を推進したい立場の研究者、組織の出すデータには、一応疑いをもって対応した方が良さそうです。

福島県の依頼を受けて、原発の放射能汚染は問題ないと福島県内を盛んに講演して歩いていた、長崎大学の山下教授は、自らのサイトで、福島の方々を「ヒバクシャ」と呼んでいます。さらに、今後30年間、原発周辺住民15万人の健康調査を続けるとか・・・。健康調査は、住民の「安心」のためという触れ込みですが、30年間も定期的に調査し続けることは、「何か」がおきることを想定しているのではないでしょうかね。

きちんと情報開示をすることが、国民の不安解消に最も役立ち、また「風評被害」の問題解決につながると思うのですが、情報操作をしたい一部の勢力がまだいるように思えます。

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