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自己血液幹細胞移植の準備の可否 

New Engl J Medの最新号に、『原発事故の早期、晩期健康障害リスク』という総説が掲載されている。こちら。

目新しい知見が記されていなかったが、チェルノブイリ原発事故での早期の被曝疾患の内訳が興味深かった。同疾患を発症した134例全例に骨髄抑制が見られた一方、皮膚炎は19例、胃腸障害は15例だったという。このように頻度の高い骨髄抑制だが、骨髄移植については、議論のあるところだという。

骨髄移植を受けた13例中、長期生存は2例のみだから、というのがその理由。死亡11例中、骨髄移植自体が死亡原因となったのは2例のみだったらしい。

東電福島第一原発の復旧作業に従事する作業員の方々に事前に自己骨髄を採取し、不幸にも大量被ばくを起こした場合に、それを輸注する自己血液幹細胞移植を行うことを、谷口医師等が提言しているが、学会等で反対意見もあり、政府もそれに動き出さない理由は、チェルノブイリ原発事故でのこの経験にあるのかもしれない。

だとしたら、自己血液幹細胞移植に反対する方々は、同移植が必要になった場合、移植をするしないにかかわらず予後が圧倒的に不良だからと言うべきだろう。

だが、チェルノブイリ原発事故の起きた1980年代から、医療も進歩しており、また当時のソビエト連邦と現在のわが国との違いもあるだろう。頻度としてこれだけ多いのであれば、自己血液幹細胞移植の準備を、少なくとも希望者には行っておくべきなのではないだろうか。

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