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信州再訪 

昨日、塩尻の親戚の家(M家)にでかけた。昨年夏にも訪れて、ここに画像をアップした(8月12日付)。

午前中、急患を三名ほど診てから、一昨日も夜まで仕事場にいたし、出かけようと思い立ち、少し心配だったご夫妻を訪ねることにした。かなり無計画、無謀なドライブだ。考えると、M家の奥様が、私の母方の従妹にあたる。彼女の実家とその親族とは付き合いがあまりないので、関係をあまり意識していなかった。ご主人の耳が遠くなり、精神的に不安定になることもあると、姉から聞かされていた。

50号線を西に向かい、桐生インターで北関東自動車道に乗り、関越道を少し走って、上信越道へ。途中、雨がところどころで降るが、豪雨とはならず。佐久平インターで降りた。信州に入ると、空気がひんやりしている。時々晴れ間も見えた。下の道をせっせと、立科経由で諏訪に向かう。立科高原は、ゆったりとした丘陵の続く美しい農村地帯。初めて走った。

母を唯一旅行に連れて行ったことがあった。小諸から塩尻、そして八ヶ岳山麓への自動車旅行だった。まだ認知症の症状があまり目立たない頃。このM家、それに母が看護師をしていた頃の同僚がリタイアして住んでいた八ヶ岳山麓の家を訪ねた、ほんの短い旅行だった。もっと連れてきてあげれば良かったかなと、感傷がわずかに疼く。車に流れるのは、モーツァルトのクラリネットクインテット。あたたかく幸せな調べ。

立科から大きな峠を一つ越えると、諏訪だ。中央道に少し乗り、塩尻に着く。下の道でやはり時間が少しかかったが、走行している車も少なく、快適。

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M家には到着する数分前に電話をかけた。老夫婦が玄関で出迎えてくれた。笑みを浮かべ歓待してくださった。お二人ともに、頭髪は雪のように白くなっていた。美しい白髪を、人生を実直に生きたことに対する天与の褒美に擬えた話を聞いたことがあるが、お二人がクリスチャンとしてしっかり生きてこられた人生を、その白髪が表していると改めて思った。奥様が、脊柱管狭窄で歩き辛くなっていた。ご主人は、かなり大声を出さないと会話ができない。

奥様から、お二人の生活の様子を伺った。自分たちだけの生活でも特に不便はない。生活に慣れたところにいるのが一番だと言う。食事は、生協の出来合いのものを買っている、とのこと。近くに住む三女の方が、月に何度か訪ねてきてくれるらしい。私の母が亡くなる前に、(弟から半ば強制的に書かされていた)母からの定期便のハガキが、毎週のように届くのを楽しみにしていた、とのことだった。私の父が、M家の農作業の忙しい時期に手伝いに来たこともあるらしい・・・。話の時間軸は、私の両親が結婚した頃にまで飛ぶ。

本棚に並べられた額に納められた写真には、懐かしい顔が並ぶ。かって海軍軍人として、日本海海戦で戦い、その後無教会主義キリスト教の伝道者になった山田先生・・・ここにお邪魔した学生時代にご一緒したことがあった。最晩年の山田先生は、夏ごとにここにいらっしゃっていたようだ。幼子のような信仰について語っておられたのを良く覚えている。懐かしい伯母の写真も・・・。皆故人になってしまった。

ご主人が、酪農の仕事を辞めて、70歳から15年間思い立ってフルートのレッスンを受けておられたことは昨年も伺った。楽器を練習してみたいという思いは、子供のころからあったようだ。子供のころ、バイオリンに強い関心を示したので、ご両親がバイオリンを買い与えてくれたとのこと。80年以上前のことだ。残念なことに教えてくれる教師がおらず、自由に弾くまではならなかったらしい。それで、仕事が一段落してから、フルートを・・・ということになったらしい。昨年、彼の年齢を誤解していたのだが、もう92歳とのこと。奥様も90歳近くだろうか。

家は屋根・天井の高い立派な作り。地震で瓦が落ちたりもしていない。でも、ご主人が生まれた時に建てられた家とのことで、「地震で揺れると怖いのよ」と奥様は笑っておられた。水回りもきれいに補修改築されていた。この家に、学生時代、よくお邪魔したことは前のポストにも記した。夏休みにチェロを担いだ私が現れたのを今でもよく覚えていると、お二人が仰った。もう30数年前のことだ。本当にお世話になったものだ。静かなこの住まいにいると、時間がゆっくり過ぎていくように感じられる。

お二人にとって、今の平和な時間が続きますようにと祈るような気持ちで、お暇した。松本市から、鹿教湯温泉を経て、上田(だったか)に出て、その後高速道路を乗りついて帰宅。松本の信大近くを通り過ぎる際に、件のピアニストの友人と携帯で短時間話した。また秋に来ると約束。夕食は、高速サービスエリアの「お焼き」。松本から、3時間ちょっとで自宅にまで着く。近くなったものだ。でも、少し無茶なドライブだったかも・・・。

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