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市場原理主義の破たんと原発事故 

昨夜、反グローバリズムを説く、慶大 金子勝教授の本をたまたま読んでいた。彼は、21世紀に入る前から、グローバリズムと市場原理主義を批判し続けてきた経済学者だ。米国では、マネーゲームの結果生じた不良債権の査定を厳格に行わずに、兆、十兆円のオーダーの資本注入を民間企業・民間金融機関に政府が行ってきた。その結果、1990年代にわが国が経験した、「失われた十年」を、規模を大きくして、そのまま繰り返している、というのだ。

現在、米国は、なりふり構わず、米ドルを増刷し、自らの財政破たんを覆い隠そうとしている。米ドルは基軸通貨としての役割を終えた。米国の市場原理主義とグローバリズムは、破たんした。

そのようなことを改めて思いつつ昨夜は休んだ・・・で、今朝、同教授の低線量被曝について記した文章をネットで発見した。金子教授は、あの児玉教授と、同窓の様子。児玉教授の言わんとするところを、分かりやすく記している。この文章では、低線量被曝が、「必ず」健康被害を起こすように読めるが、それを断言するのは言いすぎかもしれない。でも、小児(の一部)等には、健康被害を数十年後に生じる可能性はかなりある。

膨大な量の放射性物質が、環境に放散された。それが、どこかで濃縮され、健康被害を生じる危険性は、現に今ある危機だ。

一つは、すでに明らかになっている、農産物・水産物の食べ物。特に魚類が、食物連鎖の過程で放射性物質を濃縮する可能性が高い。水産物すべての放射能測定をすぐにでも始めるべきだ。

もう一つ、これもすでに報道されているが、下水での放射性物質の濃縮が明らかになっている。下水処理施設では、数万トンの単位で汚染された汚泥が溜っており、その処分に困っているらしい。一部は地中に埋めることを考えているらしいが、汚染の再拡大はぜひとも止めてもらいたい。拡大した汚染には対処できなくなる。

グローバリズムの終焉と、原発事故による環境汚染、直接は結びついていないように見えるが、各々を生じさせた背景には、共通したものがありそうな気がする。金子教授には、これからも発言を続け、警鐘を鳴らし続けて行ってもらいたいものだ。


以下、引用~~~

[原発事故]低線量を長期間被曝する恐怖
[慶大教授 金子勝の天下の逆襲]
(日刊ゲンダイ2011/8/16)

衆院厚労委(7月27日)に参考人として出席した児玉龍彦東大教授が、放射性物質への国会の対応が遅いと厳しく批判し、話題になっている。ユーチューブの閲覧は50万回近くに達する。
彼とは中学1年から40年来の付き合いだが、あれほど激しく怒ったのを見たことがない。
彼は専門家の間では知られた存在だ。東大医学部の助手時代、米マサチューセッツ工科大学に留学。血管の中のコレステロールを吸収するスカベンジャー受容体のDNA配列を解明し、その配列が「ネイチャー」の表紙にもなった。最近は、放射線治療と組み合わせたゲノム創薬による抗がん剤の開発をしている先端研究者だ。
いったい、彼は何を問題にしているのか。

日本のメディアや行政は、英国のNPOにすぎない国際放射線防護委員会(ICRP)が1990年に打ち出した基準をたてに「20ミリシーベルト以下なら安全だ」などとしているが、時代遅れだという。低線量被(ひ)曝(ばく)は症状が出るのに時間がかかるので、90年基準では意味がない。実際、2000年代に入って、福島昭二博士が、長期間セシウムの低線量被曝を受け続けると膀胱がんになることを解明した。
またゲノム解読以降の研究も進展している。田中ひさし博士は、甲状腺がんでは放射線で遺伝子が切断されると、本来2個のCLIP2遺伝子が3個の遺伝子になってしまう現象(パリンドローム変異)を解明している。
なのに、ICRPの1990年基準が独り歩きし、土壌汚染を長期間放置しておく状況を、医者として放置できなかったのだろう。福島原発の事故は戦後最大の「公害事件」になるかもしれないのだ
児玉氏によれば、特定箇所の放射線量が問題なのではなく、莫大な放出量が問題だという。福島原発が放出した放射性物質は、少なくみても広島型原爆の20個分である。放置しておけば、どこかで濃縮してしまう。水俣病も工場排水を薄めていたので有機水銀の濃度は基準をクリアしていたが、魚に濃縮し、多くの被害者を出してしまった。
内部被曝を防ぐために、除染と食品検査に全力をあげなければいけない。子どもは日本の未来だから。

コメント

IRCP(笑)

 IRCPこそ市場原理主義の産物ではありませんか。だからこそ、各国政府や電力会社からその基準が重宝がられているのです。あの、内部被曝を殆ど無視した基準値については、まともな医師であれば絶対容認できないはずです。

 我が法人でも200万くらい出して、γ線スペクトロメータを買っていただき、食材に入っている低線量の核種を分析してもらいたいです。

ICRPは、1950年代の創設ですが、IAEAと同様に、原発を推進する立場の組織ですから、ね。ICRP創設時には、内部被曝を検討することもやっていたのに、その後、それを止めてしまった。その組織が、「緊急対応」としている基準値を、長期間にわたって、内部被曝を含めて、むりやり適用しようとしている、というのが、わが国政府・行政の方針ですね。

米国主導のグローバリズムも、他国には強制した債権等の時価評価等の規則も、自国の金融機関救済時には当てはめぬダブルスタンダードで進めていますから、滅茶苦茶ですね。

資本主義のgreedinessを放置すれば、物事がすべてうまく運ぶという根拠のない楽観主義が否定されたということでしょう。

原発に依存し、原発から法外な利権を得る者たちも同じ穴のムジナなのでしょう。こうした連中は、「市場」「社会」から退場して頂かなくてはなりません。原発は、重大事故が起きた時に、コントロールできぬ事態になり、それが長い年月多くの人々に重大な災禍をもたらすことを、今回の事故から学ぶことが絶対必要です。

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