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専門別医療訴訟の頻度 

上記のテーマの論文が、最近号のNew Engl J Medに掲載されている。こちら

外科系の科目では、頻度が高く、内科系では低いことは予想通り。賠償金支払いに至るケースは、かなり少ないようだが、それでも外科系だと1,2割程度は支払うことになるようだ。外科は、基本的に生体に侵襲を加えるハイリスクの特性から、このような結果になるのだろう。

賠償金額も数千万円のオーダーになるようだ。医師が65歳になるまでに、こうした医療訴訟に巻き込まれる確率は、ローリスクの科の場合75%、ところがハイリスクの科だと99%にまで上るという。ハイリスク科の場合、医師が一生の間にほぼ確実に一度は訴訟に巻き込まれる。こうした状況で医療が成立するためには、以下の三通りの可能性しかない。

1)訴訟リスクに見合った医療収入になる。医療を受ける立場からすると、医療費の高騰である。

2)徹底した防衛医療になる。ハイリスクの医療から撤退する、または訴訟に備えて、不必要と「思われる」医療まで実施する。

3)ハイリスク科からの医師の撤退。ハイリスク科を専攻する医師の減少。米国では、外科系ハイリスク科の医療収入はべらぼうに高いので、同科の専攻を志望する医師は絶えない。が、産婦人科のように訴訟のリスクの度合いが過ぎると、ある地域から、産婦人科医がいなくなるといった現象が起きているようだ(この現象も、訴訟を制限するといったことで緩和されてきているとは聞いたことがあるが・・・)。

日本の医療は、診療報酬は極めて低く抑えられたまま、制度と訴訟への傾向は、米国に近づいている。

医療訴訟さらに賠償を要求される「期待値」から行くと、わが国の医療は「経済的に」成立しがたくなりつつある、と言えるのかもしれない。

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