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格納容器内水素爆発が起きなかったのは、幸運なだけ・・・ 

東電福島第一原発事故が起きて早い時期に、米国は、同原発から半径80Kmの範囲の同国人に対して、退去勧告を出した。米国は、早い時期に、飛行機を用いた放射能汚染を計測し、事故を観察して、汚染の程度と起こりうる危険性を察知していたのだと言われている。

実際、こうしたシビアアクシデントでは、原発に存在する核燃料の量が、事故の重大さを決定づけるといわれている。福島原発に保管、使用されていた核燃料すべてが、格納容器の爆発等によってばらまかれたとしたら、チェルノブイリ事故の規模をはるかに超える惨事になっていたと言われている。一つの原子炉で、格納容器内の水素爆発が起きると、その周辺の原子炉には容易に近づけなくなる。そうすると、他の原子炉も最終的に、格納容器内の水素爆発に至る可能性が高い。

その場合、都心も確実に激しく汚染され、首都機能が失われることになる。水素爆発が、格納容器内で起きるかどうかは、確率的な事象であり、今回、それが起きず、建屋での爆発にとどまったことは、僥倖にしか過ぎない。

首都機能が失われるということは、日本という国家が機能しなくなることを意味する。

政治家達の多くが、「原発の安全性を確保して、原発再稼働を!」と言っているが、こうした剣ヶ峰の状況にあった(まだ、ある)ことを、彼らはどれだけ認識しているのだろうか。

原発からばらまかれた放射性物質は、セシウムが主体のようだ。セシウム137の半減期は30年。これから、放射性物質との長い闘いが始まる。


以下、引用~~~

<福島第1原発>放出セシウム…広島原爆の168個分
毎日新聞 8月26日(金)22時28分配信

 経済産業省原子力安全・保安院は26日、東京電力福島第1原発1~3号機と広島原爆から、それぞれ大気中に放出された放射性物質の核種ごとの試算値を公表した。セシウム137(半減期約30年)の放出量を単純比較すると、福島第1原発は広島原爆の168.5個分に相当する。

 ◇保安院が試算

 試算値は衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出された。原爆は「原子放射線の影響に関する国連科学委員会2000年報告」、福島第1原発は、6月に国際原子力機関(IAEA)に提出された政府報告書の試算を基に作成された。

 セシウム137の放出量は、福島第1原発1~3号機が1万5000テラベクレル(テラは1兆)に対し、広島原爆は89テラベクレルだった。ストロンチウム90(半減期約29年)は、福島第1原発が140テラベクレルに対し、広島原爆が58テラベクレルで約2・4個分。ヨウ素131(半減期約8日)は、福島第1原発が16万テラベクレル、広島原爆は6万3000テラベクレルで約2・5個分に相当した。

 保安院の森山善範原子力災害対策監は「原子爆弾は一瞬に爆風や熱線、中性子線を放出し、破壊するもので、単純に放出量で比較するのは合理的ではない」と述べた。【足立旬子】

コメント

16万テラと言っても少ないモノ

 16万テラベクレルの放射能は確かに多いんですが、実際の核物質としてはごくごく少量です。つまり、16万テラ(10^12乗)=1.6×(10^17乗)個の放射性の原子(主にセシウム137)がばらまかれたという意味です。
 137gのセシウム137の原子数は6.02×(10^23乗)個もあります。ですからその400万分の1程度なんですね。全部合わせてもマイクログラムオーダーの物質でも人の生命を左右すると言うことです。核エネルギーを人類が実用化するのは早すぎたんでしょう。今後は原発の運転を縮小するとともに、残った核物質や、溶けたり地中に流れ込んだ核ゴミを始末する方法を開発することに人モノ金を使わなくてはなりません。その方が核プラントを輸出するより人類に貢献できるでしょう。

建屋ではなく、格納容器の水素爆発が起きたとすると、チェルノブイリでの環境汚染放射性物質の3倍程度の放射性物質が、ばらまかれたことになると言われています。その場合、首都圏はおろか、東日本全体が汚染されたことでしょう。

そして、そうした事象が起きなかったのは、単に確率的な問題に過ぎない。今後も、同じようにことが進むとは限らないということのようです。岩波新書の「原発を終わらせる」という石橋克彦神戸大名誉教授等の共著に詳しいです。

また、環境汚染による、低線量被曝が長期間続きます。その結末は、10年後、20年後にならないとわかりません。心配することはないということはできません。

原発事故前のように、日本の技術があれば、シビアアクシデントは起きないという風潮が戻ってくることが憂慮されます。安全を確保したうえで、再稼働をするという声が徐々に戻ってきているように思えます。この「安全」などあり得ないのです。

パニックになる必要はありませんが、事態を科学的な目で見、我々の生き方を問う問題として対応することが必要のように思います。

  • [2011/08/28 10:53]
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