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期待権 

家人から聞いたことだが、今日午後TBSラジオに、村千鶴子弁護士が出演し、期待権について語っていたらしい。また聞きなので、正確ではないが、期待権はこの2,3年、医療訴訟で頻繁に用いられるようになってきた概念らしい。

たとえば、患者が「末期がん」であることを、ある医師が見逃した場合、その「末期がん」に対処する機会を奪われたことになる。そのような場合に、期待権が侵害されたとして、医療訴訟が、患者側の勝訴になるケースが出てきた、といった話だったらしい。

「末期がん」という状態を、具体的にどのような病気のどの病期に対して用いているのかによるが、これは極めて微妙な問題を含む。こうした期待権を、患者側が常に要求するとなると、医療には、何時も不確実性を伴い、すべてを知ることが出来ないという特性が付きまとうのだから、医療は成立しなくなる。

言ってみれば、病気にかかること、また死ぬこと自体が、期待権を奪うことに他ならない。医療の特性を理解し、それを受け入れるのでなければ、医療は崩壊する。期待権の成立する前提として、医療に過失があることとされている。その過失の認定は、第三者の専門家が判断するものでなければならないと思う。医療の不確実性・不可知性を十分理解できなければ、出来事が起きてしまってから、ある事象が過失と言えるかどうか判断は出来ないはずだ。今回の、福島県立大野病院加藤医師不当逮捕起訴事件も、問題の本質はここにある。

法曹界と、医療との大きな溝を見る思いだ。

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