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「ローマの休日」 

昨夜、映画「ローマの休日」について4人の論者が話し合う番組をNHKが放映していた。

この映画、有名なもので、私も、2,3回観たことがある。とある国の王女が、市中へお忍びででかけ、そこでアメリカ人記者と恋に落ちる。が、自らの責任に目覚め(だったよな・・・)、王女は記者と別れ、大使館に戻るというストーリーだったような気がする。

デジタルリマスター版が復刻され公開されるらしい。こちら。それに合わせての番組だったのかもしれない。

この番組で明かされたことで一番印象に残ったのは、この映画の脚本家は、これまで公表されてきた人物ではなく、ダルトン トランボという脚本家だったということ。1950年代初頭、マッカーシズムによるレッドパージが盛んで、共産党入党歴のあった、脚本家として絶頂の時期にあったトランボは、失脚し、投獄されてしまう。そうした時期に、影のライターとして、この映画の脚本を書いた、ということらしい。

この映画で、いつも最も感銘を受けた(受ける)のは、オードリーの美しさは置いておいて・・・、王女が大使館に戻って、記者達を相手に行う記者会見のシーン。国際情勢での平和を望むというメッセージの比喩として、友人との信頼関係(王女は、記者との恋愛を想定している)が永続することを信じると王女は述べる。それに対して、グレゴリーペック扮する記者が、信頼関係は続くだろうと答える場面だ。ゴシップの特ダネを棒に振って、王女との出来事を自分の記憶の中だけに仕舞っておく、記者の誠実さに打たれるのだ。いささか単純かもしれないが、何度見ても、感動させられる。

トランボの御嬢さんが、この同じ場面を観て、涙を流していた。おそらく、トランボ家はレッドパージで悲惨な目にあったことだろう。密告や、裏切りも映画界に渦巻いたらしい。その中で、人を信頼することを、このように謳った父トランボの脚本に、御嬢さんは、感情を抑えられぬ思いになったのではないだろうか。

この米国映画に、古き良き時代の、人間を肯定する思想を観ることができる。

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