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オリンパスの破綻 

オリンパスは、光学機器分野、特に内視鏡領域では、圧倒的な強さを誇り、日本では75%のシェアを持つと言われている。専門技術を持つ優良企業とされてきたが、ここで企業自体が消え去る可能性が高くなってきた。

ご存じのとおり、経営陣が、投資の失敗で作った負債を「飛ばし」によって隠してきた、粉飾決算のためだ。外国人社長がこの事実に気付き、それを調査し公表しようとして、粉飾決算を行い続けてきた社内の財務関係の幹部に追いやられ、それが発端でことが明らかになった。

投資は、1980年代に行われたもので、千数百億円の負債を残したらしい。こうした投資の失敗をした責任を取らなかった当時の幹部、その後綿々と負債を隠す財務操作をしてきた幹部の責任は重たい。刑事責任を追及されることになるのだろう。

この1980年代という時代、高度成長の果実を享受したとも言えるが、やはりバブルに皆が翻弄されていた時代でもあるのだろう。私は、初期研修を終え、大学のスタッフの若手として仕事をしていた時期だ。私の周囲でも、後輩や、製薬会社の営業マンが、株の話や、どれだけ資産を得たかといった話を得意げにしていたのを覚えている。企業としても、土地や株に投資するのが、当時の雰囲気としては当然のことだったのだろう。私は投資には興味がなく、というか投資すべきお金がなかったというのが正解かもしれないが、株式市況の熱狂ぶりを、そんなものかと眺めていた。

バブルの繰り返し・・・土地、IT等々によるバブル・・・が世界経済を混乱に落とし、格差を助長してきたのは明白なことだ。富む者はますます富み、大多数の持てぬ者は、さらなる貧困に陥る。バブルがなぜ起きるのか、私は素人なので良くわからないところもあるが、世界的にみて莫大な余剰資金があること、さらにグローバリズムによって金融財政の国家の垣根が取り払われ、短期投機資金が瞬時のうちに世界を駆け巡るようになったことが大きな誘因なのではないだろうか。そして、その根本には、経済活動の社会的な意義や、公正さの確保といったことは棚上げにされ、金融工学の手法等を用いて利益を最大化する投資活動にのみ価値を見出す思想がある。

米国では、住宅土地バブルの崩壊に伴い、経済不況と、最も深刻な信用不安による金融収縮が進行している。新自由主義経済体制は、立ち行かなくなっている。繰り返すバブルを止め、安定した経済成長を世界的に可能にする、新たな思想による枠組みが必要なのではないだろうか。

オリンパスは、内視鏡分野でかなり強引な殿様商売をしていたと聞く。医師の間では、同社をかばったり、生き残ることを望む声は出てこない。オリンパスの社員は、そうした仕事をせざるをえなかったのかもしれない。オリンパス幹部には責任を取ってもらい、膨大な金の流れを明らかにしてもらわねばならないが、オリンパスの犯した過ちのよって来るところにも、我々は思いを向ける必要があるのではないだろうか。

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