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原発劣化を行政が明言するはずがない 

原発は稼働中に、核分裂を続けさせるために中性子線を大量に発生する。中性子線は、圧力容器璧を劣化させる。中性子線が、圧力容器璧の金属の金属原子の一部を飛ばしてしまう、飛ばされてできた空孔、飛ばされた原子(格子間原子)、また元々含まれる不純物が、金属壁の劣化をもたらす。この劣化の進展は、中性子線の総照射量と、照射速度に比例するという。劣化の進展に伴い、ある温度以下になると、金属が元来の柔軟性を失い、脆くなってしまうのだ。その限界温度を脆性遷移温度という。原子炉は使用を続けると、この脆性遷移温度が徐々に上昇し続ける。

原子炉内部は、稼働中に60から70気圧という高圧になっている。上記の劣化の進んだ原子炉で、緊急に炉心を冷やさなければならない場合、または通常運転であっても、脆性遷移温度以下で圧が加わっている場合、原子炉が爆発するリスクを生じる。これは、東電福島原発事故のように、一応停止した状態での事故よりも格段に広範な地域に、放射能汚染をもたらす。

九電玄海原発1号機では、上記脆性遷移温度が、98度に達しているという。日本で最も危険な原発である。この他にも、現時点で、稼働開始後30年を経過した原発が、日本全国に19基あるという。それらも、この劣化による、過酷事故の危険にさらされていると考えるべきである。

もし九電玄海原発で過酷事故が起きたら、西日本全体に酷い放射能汚染が起きることだろう。それは、日本という国家が破滅することを意味する。

行政もこの危機にようやく対応し始めているようだが、同じ行政機関の原子力安全保安院が対応していることには賛成しかねる。玄海原発の中性子線脆化についても、観測データを歪曲して安全だと主張した九電と歩調を合わせてきたのが、保安院だからだ。これまで原発安全神話を作り上げてきた保安院が、原発が安全でないという結論を出すはずがない

行政の硬直化、劣化が、日本を危機に陥れている。

このポストを書くに際して、以前にも取り上げた、岩波新書、石橋克彦編「原発を終わらせる」を参考にした。

以下、引用~~~

老朽化原発、安全性評価で初会合…保安院
読売新聞 11月29日(火)12時3分配信

 経済産業省原子力安全・保安院は29日、運転開始から30年を超す原子力発電所の安全性を評価する、専門家の意見聴取会の初会合を開いた。

 年明けをメドに東京電力福島第一原発の事故に設備の老朽化が影響していないかどうか検証する。

 長期間運転した原発に国民や立地自治体が不安感を抱いており、初会合で保安院は、現時点での知見に基づき検証する方針を示した。検証は福島第一原発から始める。保安院側から「劣化が原因と疑われるような要素は見つかっていない」との報告があった。

 検証は、九州電力玄海原発1号機で判明した放射線による金属劣化についても行う。また、来春に運転開始から30年を迎える四国電力伊方2号機と東電福島第二1号機、来夏に40年を迎える関西電力美浜2号機の安全性をそれぞれ評価する方針も示された。

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