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米国型医療制度の内実 

m3という医療従事者のサイトのBBSで、米国の医療事情のスレッドが盛り上がっている。米国留学中、経験者であちらの医療のお世話になった方々が、専門家として制度の違い、というか、要するに、あちらの医療制度が如何に「凄まじいか」ということを述べている。以前から私も関心を持ってきた問題だ。李啓成氏の著書や、映画「シッコ」で、その一端を知ることが出来た。だが、あちらの医療を患者側から経験した医師の発言にはリアリティがさらにある。

日本の医療制度が、TPPにより、米国型の医療制度に変質してゆく可能性が高くなった。マスコミも、政府も、こうした医療制度になるということを国民に殆ど知らせていない。現在の日本の医療制度も破綻しつつあるのだが、これでよいのか、まずは国民が良く知ることが必要だろう。

米国の医療は、ほぼ全て私的医療保険で賄われる。以下の二つのシステムがある。

PPO(Preferred Provider Organization)
どの医療機関にもかかれる保険。高額になる様子。恐らく一ヶ月数万円以上だろう。

HMO(Health Maintenance Organization)
比較的安価だが、まずはかかりつけ医にかかり、必要があれば、そこから専門医にかかることになる。問題は、なかなか専門医にかかれないことらしい。予約で3ヶ月待ちといったことがありふれている様子。

これ以外に、高齢者のためのMEDICAREと、貧困者のためのMEDICAIDがある。MEDICAREのお世話になっている、Dave N3HEに尋ねたところ、MEDICAREでのかかりつけ医は信頼がおけないとのこと。高額な保険料を支払えば、PPOの保険にも入れるのだろうが・・・と言っていた。

m3での米国医療を経験した医師の発言から・・・

以下引用~~~

腹痛(尿路結石)→ER受診→鎮痛にモルヒネ→モルヒネの嘔吐で入院...
の流れ。医原性のモルヒネ副作用による入院です(日本よりおそまつ)。
ER診てたら「アメリカって学生でもすげぇ!」とか思ってましたが、
大したことないです。

医療費は高い保険に入っているので結局ER受診の$50くらいで済みましたが、
以下保険に入って無かったらと思うと・・・笑います!!

1泊2日入院。
総計$11506=1ドル80円とすると92万!!!
内訳:
救急外来受診料 $1022
モルヒネ静注 $8
血液検査 血算 $64
血液検査 生化 $128
尿検査 目視/鏡検 $21/21
尿検査 培養 $61
入院費用 $1020

おどろくべきは、、、
腹部レントゲン $192
CT腹部造影なし $1596
CT骨盤部造影なし $1596
点滴水分負荷 $300x14

薬剤などは高くないものの、
おおっと外来受診料で8万。こ、これはすごい。
入院代自体は8万ほどだが、ICUのような個室だったので
個室料を考えるとそうでもないか。

医療関係の方が一番ツッコミたくなるのは、X線関係の検査でしょう。
レントゲンで2万弱、CTで12-13万て・・・
しかもCT、骨盤と腹部別どりって・・・
どんだけ稼ぐんやねぇん>_<。。

ほんと、保険に入ってないひとは
はしごから落ちて骨折して肋骨折れても受診もしないようですよ~

引用終わり~~~

私が日本で医療に従事しているから、贔屓目で言うのではなくて、戦後成立した公的保険制度は、高度成長化で成立した奇跡的な医療制度だったのだ。それが今、崩壊しつつあり、また崩壊を急がせられつつある。

米国型の医療制度では、医師にも仕事をする上で大変なことも出てくる。保険会社との折衝等々。でも、現在の就労時間の長さからは開放されるだろうし、技術を身につければ、収入も大幅に増やすことができる。

でも、多くの患者にとっては、大病をしたら、破産するか、社会復帰が極めて難しい状況になる。米国では、7000万人の無保険者がおり、彼らはまともな医療を受けることができない。そのような医療制度を国民は受け入れられるのだろうか。

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