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「福島県成人住民の放射性セシウムへの経口、吸入被ばくの予備的評価」 

ブログ「ポストさんてんいちいち日記」から頂いた情報。このブログの記者icchouさんは、いつも冷静に情報を受け止め分かりやすく提示されている。

京都大学の環境衛生学の研究者による、「福島県成人住民の放射性セシウムへの経口、吸入被ばくの予備的評価」というタイトルの論文。こちら

上記の論文は、普段の生活で、どれほどの内部被曝を生じるかを具体的かつ詳細に検討した有意義な調査であり、生活によって生じる内部被曝が、原発30km県外の地域では、深刻な状況にはない(年間1mSvを下回っている)という結果を示している。これは、歓迎すべきデータだ。icchouさんのおっしゃる通り、こうしたポジティブなデータも、相反するデータとともに的確に受け入れるべきだろう。

が、気になる点を挙げると、

○山間部にはより高濃度の放射性物質が落ちており、それによる河川・地下水の汚染は今後も続く。セシウムは、土壌中で年に数cm地下深く移動し、粘土層で貯留すると言われている。事故発生後4ヶ月(食物はそれよりも前に収穫されたものだろう)の調査の行われた時点で、野菜類の根のある土壌に、まだセシウムが届いておらず、根の深い野菜の汚染が進んでいなかった可能性もある。また、魚介類の汚染も、生態系の食物連鎖によって、今後強まる可能性があり、フォローするための同様の調査が必要だ。

○椎茸等、セシウムが高濃度に出やすい野菜があることが実証された。

○セシウムは、比較的少量であっても、尿で濃縮を受け、尿路系の上皮細胞にトラップされ、最終的に尿路系細胞の異型性から、発がんに至る可能性が、チェルノブイリの経験から指摘されている。チェルノブイリ以外でも、セシウム137の環境中濃度の高い地域で尿路系上皮細胞の異型性を指摘した論文を以前紹介した。各核種が特異的に沈着する体の部位がある。このデータで満足せずに、尿中セシウム等をフォローする対応も必要ではないだろうか。

○食物の放射性物質の暫定基準は、あくまで暫定値であり、事故直後のみに採用されるべき数値。放射能に対する生体の感受性は、年齢によっても異なる。乳幼児・妊婦には厳格な基準値が適用されるべきだ。低線量被曝が生じる障害は、まだ不明のことも多い。今後、晩発性障害の発生とともにモニターを続けるべきだろう。

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