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財務省のやり口 

財務省が、来春改訂の診療報酬を下げる方針だそうだ。来春には、私は現役を引退予定なので、関係ないのだが、医療機関、特に診療所にとってはさらに厳しい状況になる。こうして医療を財政面から窮地に追いやり、医療体制にどのように影響がでるのか、政府・官僚は見通しを立てているのだろうか。

昨年秋からの、「開業医がもうけすぎ」というキャンペーンは、この方針を実現させるための世論誘導だったことは言うまでもない。開業医の収入と言われたものは、医療法人理事長給与であり、規模が大きく、それだけ収入が多い医療機関責任者の収入だった。初期投資の返済、医療機関の維持、修繕費用、それに自身の退職金等を、開業医は、収入からやりくりしなければならない。事業主である開業医を、一般勤務医と並べることはできないはずだ(それを、財務省は故意にやっている)。大体において、あの調査が、医療機関全般を統計的に代表している対象に対して行われたものかどうかも大いに疑わしい。

他人様の懐についてとやかく言うのは本意ではないが、公務員のボーナスは、4%増額で支給されると報じられている。会計検査院が、公務員給与を大幅引き下げすることを提言しているのに、である。国会での審議が間に合わなかったという理由らしいが、それにしても凄い引き上げ幅だ。公務員給与は、元々大企業の給与平均に準じており、現在は高い給与体系になっている。民間の給与平均が450万のところ、公務員給与平均は700万を越している。診療報酬を下げる理由は、民間の賃金情勢を考慮してとのことだが、公務員給与・ボーナスに関しては、民間の賃金情勢を考慮しなくて良いらしい。財務省は、その内、民間企業経営者・事業主の収入と、公務員給与を比べると、公務員給与は低すぎるとか言い出しそうだ(苦笑。

このボーナス増の理由は、公務員の平均年齢が高くなったためということらしい。1年ずつ4%増額して行くとなると、10年で約48%の増額となる。これこそ民間では想像し難いベースアップなのではないだろうか。この財務省のやり方を許しておくと、日本が「ギリシャ化」する。いや、もうギリシャ化しているのかもしれない。

この報道に対するコメント;

国家財政がひっ迫しているから、1%下げたいというのであれば、堂々とそう言えばよい。嘘の理由を世の中に流して、医療機関、開業医のこころを折ることは止めてもらいたい。

「医師などの人件費にあたる本体部分」とは良く使われる財務省得意の用語。本体部分には、医療機関の管理運営費用、投資回収費用、医師以外の職員の給与・退職金積み立て等々が含まれている。医師の人件費だけでは決してない。このようなバイアスのかかった言葉を用いるのは止めるべきだ。

「民間の賃金情勢を考慮して増額は認めない」というなら、民間給与が大幅に上昇した時に、診療報酬の大幅引き上げがされたのか、大いに疑問だ。診療報酬点数1点が10円に相当するという設定は、もう数十年間変わっていない。民間の賃金情勢が厳しいのに、4%のベースアップをしている方々に、こうは言われたくない。

診療報酬減額で生じる財源を「改定する介護報酬増額のための財源に充てる」とは、ものは言いようの類。その財源を、公務員ボーナス4%増の財源に充てるとも言える。こうしたいじましい理由づけから、財務省が、世論を気にしている様子が見て取れる。国民は、これでも怒らないのか・・・。







診療報酬改定 1%超下げ提示へ 財務省、きょう厚労省に
11/12/09
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

診療報酬改定:1%超下げ提示へ 財務省、きょう厚労省に

 財務省は、12年度予算編成の焦点の一つである診療報酬改定で、厚生労働省に対して1%を超える引き下げを求める方針を固めた。9日に行う政務官折衝で正式に提示する。厚労省側は最低でも据え置きを求める構えで、交渉は難航しそうだ。

 診療報酬は、医師などの人件費にあたる本体部分と薬価部分で構成され、2年に1度、予算編成過程で改定率を決める。財務省は今回、薬価部分は市場価格の実勢に合わせて1・3%程度の引き下げを要求する考え。本体部分についても民間の賃金情勢を考慮して増額は認めない方針で、全体で1%を超える引き下げを求める。

 財務省は診療報酬圧縮で生じる財源を、同時に改定する介護報酬増額のための財源に充てることも提案する考え。民主党は政権公約で診療報酬の増額を主張しており、前回(10年度)は10年ぶりのプラス改定(0・19%)だった。【坂井隆之】

コメント

私の年収は平成19年をピークに下がり続けています。
今年も4月にさかのぼって減給です。
それでも、震災で職を失った人が沢山いるので贅沢を言ったら怒られますから、しょうがないと受け入れています。
国家公務員も、国家財政のために貢献して欲しいです。

やはりボーナスの4%増はないだろうな、というのが一般国民の感覚でしょうね。

開業医は、順調に行けば多少経済的に恵まれていましたが、今後は難しくなりそうです。開業医をつぶすことのメリットは、勤務医を開業させない、医療費を(わずかながら)減らせる、近い将来混合診療を導入しやすくするといったことではないかと思っています。こうした医療制度の変化をもたらしたのが誰で、後々旨い汁を吸うのはだれかということを良く見届けたいと思っています。

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