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日本の医療が向かう先は? 

米国で「虫垂炎から腹膜炎になった消化器内科医」のブログ。あちらの医療事情が、具体的に理解できる。TPPが批准されたら、このような医療になることを、国民は知っておくべきだろう。こちら

今日、午前中の外来、60名弱の診療をして、声が枯れかけた。このように忙しいときに良く考えるのだが、日本の医療は、平均寿命や乳児死亡率といった様々な指標から、世界で一番の医療制度だとQHO等によって認定されている。一方、それに拘わらず、患者の評価は、それほど芳しくない。

患者に不評なのは、何が原因か。自分が医療従事者だから贔屓目に見るわけではないが、医療従事者の資質の問題などでは決して内。上記の米国の医療現場の状況を知るにつけ、日本の医療の患者対応に医療従事者の資質の問題があるとは到底思えない。やはり、医療現場が忙しすぎるのではないだろうか。

私の仕事場は、通常は忙しくはないのだが、先日まとまって患者がやって来たことがあった。初診でかかる患者のお母さんが、そのように多忙を極める状況下では、「医師の立場」からすると、まどろっこしい説明を長々とし始めたので、「それは分かった」と話を途中で折ったことがあった。すると、お母さんは、どうして話の腰を折るのか、全部聞かないのかと強く私に抗議された。彼女の言わんとすることはほぼ理解できた積りだったし、患者が立て込んでいるので、と自分を納得させたが、確かにその母親の感情を害してしまったかもしれないと後になって反省したものだった。

患者が多数一遍に来院する状況は、様々な理由があるが、一つには、日本の医療のアクセスが全く自由なためということがあるのだろう。無料、または無料に限りなく近いコストで、いつでもどこでも医療機関にかかれる、というアクセスの自由さだ。歴史的にみて、この体制は稀有のものだ。また、医療費の体系が、そうしたフリーアクセスを前提としたものになっている。要するに、たくさんの患者を診ないと、経営が成立しないのだ。

このフリーアクセスは、医療従事者の犠牲的な働きと、十分時間をかけて丁寧に診てもらえない(こともある)患者の我慢で維持されてきた。が、そろそろ限界に近づいている。

為政者と官僚は、医療費をさらに切り詰めて、医療を破綻させ、それに伴い、自由診療化する、即ちアメリカ化させることを目指しているように思える。

最初に挙げたブログに記されたような米国流の医療制度になってほしくはないのだが、さてどのようになることだろうか。

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