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実質国有化は、結局誰のためか? 

植草一秀氏によると、「実質国有化」とは「公的資金注入による救済」に他ならないという。過去に行われた「実質国有化」の例として、竹中小泉政権時代に行われたりそな銀行潰しを挙げている。竹中小泉政権に批判的だった、りそな銀行幹部を追い落とすために、竹中平蔵氏が仕組んだ施策により、りそな銀行は「実質国有化」され、それによって、政権サイドの人間が、経営陣に送り込まれた、ということらしい。この事実の妥当性を私は判断できないが、あの政権であれば、この程度のことは当然行っただろう。

で、東電が「実質国有化」されるということは、本来破綻させられるべき企業を、税金投入によって温存し、そこに官僚が天下る場を作ることを目的としているのではないか、というのが植草氏の読みだ。残念なことに、これも大いにありうる。

原発事故補償、原発事故対策・廃炉等によって、東電はすでに債務超過の状態にある。企業としては、破たん状態にすでにある。一方、これまで、経済産業省と一体になって、原発を推進してきた企業としての責任を誰も取ろうとしない。資本主義社会・自由主義経済下であるなら、東電を一旦破綻させることが必要だ。破綻しかかった企業を、税金を用いて、官僚が乗っ取り、甘い汁を吸おうとしているのは社会的な倫理に反する。私は、東電の弱小株主としても、東電を破綻させることを要求したい。

ここで東電を破綻させなければ、原発が一旦事故を起こした場合、発電企業が経営的に立ち行かなくなり、原発推進の施策を取った経営陣の責任が追及されるという強力なメッセージを市場に送り出さないことになる。原発事故は、物心両面、そしておそらく人命についても計り知れぬ禍根を残す。そのメッセージを、有効な形で残さなければならない。

それに、東電とタッグを組んで原子力行政を推進してきた、官僚機構も抜本的な改革が必要だ。科学技術庁が無くなってから、経済産業省とその配下の組織が、原子力行政を推進してきた。そこで甘い汁を吸い続けてきた官僚がいるはずだ。例えば、1970、80年代に欧米では開発を断念した、高速増殖炉の開発をつい最近まで続けてきた、わが国の官僚機構、その配下の組織をみれば、如何に杜撰な計画に基づいて原子力行政が行われてきたかが分かる。財界と電力業界を束ねて、原子力安全神話を作り、原発を推進してきた官僚機構、その配下の組織にも一旦退場してもらわねばならない。官僚機構の無謬神話が作り出す問題を徹底して検証してもらいたいもの。

やりたいようにやってきた連中が、この事故に乗じて、さらなる利権にありつくことはあってはならないことだと思う。


以下、引用~~~

東電、実質国有化…官民で総額2兆円支援へ

 政府は原子力損害賠償支援機構を通じて東京電力の3分の2以上の株式を取得し、東電を事実上国有化する方向で調整に入った。

 支援機構が1兆円を出資し、主力取引行にも総額1兆円の追加融資を求め、官民で総額2兆円の資金支援をする。福島第一原子力発電所の廃炉費用などがかさみ、東電が債務超過に陥ることを防ぎ、リストラを強力に進める。

 関係者によると、支援機構は20日から、主力取引銀行に対して支援策を提示し始めた。年明けから本格的な交渉に入り、来年3月のとりまとめを目指す。

 取得するのは東電の種類株などになる見通し。既存の株主が持つ普通株と区別することで、将来、機構の保有分を売却する仕組みが作りやすくなる。

(2011年12月21日03時16分 読売新聞)

コメント

元経済産業省 官僚、古賀茂明さんが民放番組で東電の国有化により官僚の天下り先が一気に増えることだと(NHKでは放送禁止?)。民主党の議員の知識レベルはとてもこれを見破り論破できるレベルではないので(マニュフェストを一つも実行できないのは、あまりにも勉強していないため官僚に歯が立たないのが一つの原因と思われることからも明らか)時間とともにダムと同じ結果になる様な気がします。

古賀さんの書かれた本を少し読み始めたことがありますが、官僚批判に関しては納得できるものの、医師会への批判等は少しステレオタイプだなと感じて、止めてしまったことがありました。

が、東電の「実質国有化」については、仰られる通りですね。民主党の政治家達も分かっているのでしょう。でも、官僚が実権を握っているので、何もできない、何もしないという状況なのではないでしょうか。マニフェストでは、脱原発の方向性を記しておきながら、実際政権を取ると、自公政権以上に原発依存の方向に切り替えました。民主党政権には、官僚支配からの脱却を期待していたのですが、今のところ無理のようです。

大衆に阿る政治家達と、利権の確保・拡大にだけ熱心な官僚達とが、この国を迷走させようとしているようにしか見えませんね。

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